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2014年8月23日

5747;眼球運動学習前後のシナプス密度変化とAMPA受容体解析:聴講記

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視覚科学フォーラム 聴講メモ その14です。

眼球運動学習前後のシナプス密度変化と定量的SDL-FRL法を用いたAMPA受容体解析 中舘和彦ほか:明治薬科大のメモです

小脳に関連した眼球運動を学習の例としてとして論じました。

水平方向のOKN(optokietic nysTAGSmus)は訓練されうるものです。最初はそのようには動かず、訓練するうちにOKNを示すようになります。つまり学習させることができるうんどうなのです。その学習には短期記憶も長期記憶も含まれます。

AMPA受容体が関与していますら:フリーズフラクチャー法を用いて、凍結して割ると金属に保持された表面の蛋白のみが断面には残ります。

1、透過型電子顕微鏡像でそれを見ると:GluRδ(デルタ)2とAMPA受容体を免疫組織染色で見ることができます。
AMPA受容体は1日間の短期記憶の訓練で減ります。これは長期記憶では減りません。

2、連続切片を作りルックアップ法(複数の連続する切片を作り、初めてシナプスが現れる断面をシナプスの開始点としてシナプス密度を数えるという方法)で一定の体積当たりのシナプス数を数えることが可能である。このシナプス密度はトレーニングすると減った。それが記憶したということであると。

清澤のコメント:
1)OKNを学習としてとらえるというのには驚きました。
2)AMPA受容体の関連するシナプスが短期記憶に関連するというわけですね。
3)長期記憶を支える分子構造は別の分子構造なのだという事です。

この演題は、わたくしもその昔に視覚領と上丘でのAMPA受容体密度を測定したことがあったので(注1)、興味を持って聞けました。この後、この3種のイオノトロピック受容体のほかにメタボトロフィック受容体というものが出てきて、ますます混沌とした思いをしました。論文を書こうとするうちに次々に既知の受容体が報告されて戸惑ったのを思い出します。
誰かがこの記事を見てくれるということもないでしょうけれど、聴講の記録として採録しておきます。

注1)Neurosci Res. 1996 Nov;26(3):215-24.(⇒リンク)
Unilateral eyeball enucleation differentially alters AMPA-, NMDA- and kainate glutamate receptor binding in the newborn rat brain.Kiyosawa M, Dauphin F, Kawasaki T, Rioux P, Tokoro T, MacKenzie ET, Baron JC.

用語解説:AMPA型グルタミン酸受容体(ウィキペディアから)
AMPA型グルタミン酸受容体(-がたーさんじゅようたい)はグルタミン酸受容体の一種。人工アミノ酸であるAMPA(α-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メソオキサゾール-4-プロピオン酸)を選択的に受容することから名づけられた。中枢神経系に広く分布し、記憶や学習に大きく関与する。他の主要なグルタミン酸受容体であるNMDA受容体が通常不活性の性質を持つため、中枢神経系におけるグルタミン酸性の興奮性シナプス伝達は、普段主にこの受容体によって行われているといえる。

概要:リガンドであるグルタミン酸を受容することで、陽イオンを透過させる、イオンチャネル共役型受容体である。透過させるイオンは主としてナトリウムイオンであるが、さほど選択性は強くなく、カリウムイオンも透過させ、またサブユニット構成によってはカルシウムイオンも透過させる。

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