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2014年8月18日

5731 網膜の生体組織学という講演(岸先生)を聞きました

網膜の生体組織学を群馬大岸章治先生から聞きました。視覚科学フォーラム第18回研究会の特別講演です、最初は種々のOCTの原理と歴史。後半はOCTが有効な病気の例の紹介でした。眼科医である私には後半部分はとても良く整理されていて有効でしたが、基礎の視覚研究者や学生には話の店舗が少し早かったかもしれません。
ーー話の概要は、ーーー
群馬大学医学部は色覚検査表で有名な石原忍氏が初代校長であった。眼球の大きさは10円玉とほぼ同じです。視細胞外節:には視物質が皿状の構造で詰まっている。
視細胞には錐体と杆体がある。
それらに対する検眼鏡による観察がなされるが、
1996年OCTの発明でそれが大きく変わった。:光干渉現象によりミクロン単位で図が作られる。これには日本では山形大学の特許がある。
1997年に旧式のOCTが発表され、
2006年スペクトラルドメインOCTの発売で:画像は格段にきれいになった。
それは、眼底の生体組織画像を見て診断する時代になったことを意味する。

岸らのOCT診断学の教科書は2006年と2012年に出版されている。
現在の診察スタイル:視力、眼圧から―――OCTへと変わる。
今は、画像診断のほうが肉眼よりも精度が高い時代である。

トルイジンブルーでは核が強く染まるが、それと違って線維のほうがOCTでは反射は強い。
網膜神経線維層RNFL:切片が縦なら左右対称に写る。水平ならディスク側のRNLFが厚い。これは緑内障の解析に有効である。

内網状層とその下の層の間で斬る(セグメンテーションする)とその上がGCCとなる。
光受容細胞層は:内節と外節に分かれている
錐体先端部は杆体よりもその長さが短いからこれも線(COSTライン:COSTはcone outer segment tipsの意味 )を作る。
黄班部分で色素上皮が少し持ち上がっている「フォベアルバルジ」もあって普通。
IS/OSライン;内節にはミトコンもあるが、外節は板状の構造だけなのでIS/OSはよく見える。

◎ここからの話は全く臨床的な症例の提示で、「検眼鏡で見ずらい病変をどう見るか?」
○浮腫のないのう胞を「MacTELマックテル)と呼ぶ。
○外節の破壊ならば(ミューズか?)10日でリニューアルするはず。:コンピュータゲーム中毒のような人に見られるもの。白色ダイオードは青に大きなピークがあり、その光は網膜に良くないからこのような変化がみられるのだろう。
○中心暗点で局所ERGも低下し、IS/OSおよびCOSTの消失が見られるならば、:黄班部に変化があるということであって、しかも家族歴もあれば、オカルトマクラージストロフィー(三宅病)である。

○眼振がある5歳児で、、視力0,1程度なら=コーン(錐体)ジストロフィーを考える

◎網膜神経節細胞の評価には、ガングリオンセルアナリシス(GCA)が有効である。
視神経炎か?と思わせる微小な中心暗点:しかしその症例では中心窩付近の網膜が薄い。それは神経節細胞層が薄いということ。――この例はミトコンドリアの異常でG11778Aを持つレーベル病であった。

○左0,2 視野で両眼に耳側の沈下あり、網膜のGCLもそれ相当の場所が薄い。これは大きな下垂体腫瘍であった。

○62歳、昼盲、視力右0,15、左0,2。これも中心窩が浅い。ミトコンドリアは異常なし。診断困難な例だが、結果はコーンジストロフィーである。

○右耳側沈下、局所網膜電図で変化あり。===AZOOR この疾患は最近、視細胞外節の(一時的な)欠損であることが分かった。

◎スウェプトソースOCTというものが出てきた。

○光彩炎、プレチピテートあり、硝子体ポケットと脈絡膜の肥厚が見える。これは第一期の黄班円孔で、硝子体網膜境界症候群に属するもの。

◎結論:近い赤外光の光干渉を見ることで眼底の「生体組織」を見られるようになった。

質疑応答
そこでわたくしの質問。光の干渉をどうやって図にはねいさせるのか?がよくわからないのですが。

網膜の特定の細胞がやられたらどんな病気であるという話が可能でしょうか?

解像力の限界は?答え:3ミクロンとされている
干渉とは:光路差の数ミクロンの差をミラーの動きと併せて考えるとわかると。

清澤のコメントと追加調査結果;光干渉を使ってOCTはどのように作図しているのか?
http://en.wikipedia.org/wiki/Optical_coherence_tomography に答えがありました。
563px-OCT_B-Scan_Setup
まず左側の光源からの光を、①半透明の鏡で半分だけ上に反射させてそこにある固定鏡から反射して直接カメラに入る光と、②半透明な鏡を通って眼底にいたりそこからの散乱(ないし組織での反射)を受けた光を戻して同じカメラに入れます。この2つの波が干渉しあうようです。照射からカメラでの採光までのわずかな時間の遅れが網膜の中での深さを反映し(だからこの基本的なすくみをタイムドメインと呼んだ)、その観測される光の強さは、直接の光と組織での反射を経た2つの光源からの光の「干渉」によって強くなったり弱くなったりします。あとは測定する部位を眼底のXとYの方向に走査してやればよいようです。
その先に何がスペクトラルドメイン七日の説明も出ていますので、さらに熱心な読者はご覧ください。

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