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2014年8月3日

5677 仲泊先生の講演『人工視覚とロービジョン』を聞きました。

順天堂大学眼科教室・同窓会 合同症例検討会
平成26年8月2日 (土)15:00から18:00
ソラシティー カンファレンスセンター 一階Room C

仲泊先生:のお話。
特別講演『人工視覚とロービジョン』国立障害者リハビリテーションセンター病院 眼科 仲泊 聡 先生

村上教授からの演者紹介:
 合同症例検討会の話題が、ロービジョンケアに決まったのがつい最近で、講演依頼をしたら望外に受諾くださったとのことでした。1983学習院大学心理学卒。慈恵医科大医学部卒。スタンフォード大学留学。今も心理学の客員研究員であると。現在は、国立リハビリテーション病院の眼科統括者だそうです。

心理学と視覚心理学の話をしましょう。現在は国立リハビリテーション病院(所沢)に所属しています。

最近眼科サマーキャンプが行われました。そこで200人程度の聴衆を集めて15分間話しをしました。時間が短くて、言いたいことが伝えられなかったので、今日の話はその行間を埋めるような話をしましょう。

驚愕の症状を示した患者さんが来ました。;
見ている相手の顔の左下部分がゆがみ、歯が出て見えるとの訴えです。右後頭葉外則の小さな梗塞があります。

まず、円盤の回転する錯視図形を見ていただきましょう。円が集まった模様や、蛇の絵などがあります。脳がこのような錯視を作るとされています。

ファンクショナルMRIで動きから立体を感ずる力がない人の脳の働きを解析してゆきます。そうした人々は、光と影から立体情報が取れません。上の患者さんは、左下の4半盲があって、その暗転の部分にむき出した歯を見たのですが、それははなぜでしょう?

ビデオをとって調べてみると、見られている人物の右上唇にスポットライト(明るい点)がったときにだけ、歯が見えたと感ずることが分かりました。

「見えてくる視覚像は、その視覚像が得られた時の光景(実態)を確信すると、その光景自体が生じる確率の積が最も大きいものになる。」という有名な心理学のテーゼがあります。(清澤注:わたくしのこの文にはどこか書き取りミスがありそうです。)

大脳の後極部近くの中心窩投射領域には、:
視覚保続における「陽性残像」(同名半盲内に刺激が残る。)が関係している模様です。

視覚消去現象 visual extinction testという現象もあります。 (清澤の疑問:これは「注意attention」が偏っているからではないか?)

神奈川リハビリセンターにいたころ、研究はこのくらいでよいか?とも思ったのですが、国立リハビリテーションセンターに来て、また考えが変わったということです。

これらの知見から、人工視覚とつながらないか?と考えたのだそうです。

チャンネルロドプシン2を発見した富田浩二教授(岩手大学)などと研究を考えています。栗木教授も加わっていただいていますが、現在はまだクレストの予算が取れないで苦労しているそうです。

現在の視覚の再建は極めて部分的です。

1)高まる人工視覚への認識。 William H, Dobellhttp://biomed.brown.edu/Courses/BI108/2006-108websites/group03retinalimplants/multimedia/article.pdf 2003年ノーベル賞候補(1941―2004年)脳表面電極による人工視覚。(脚注1)

2)南カリフォルニアHumayan 先生(先日の安藤先生の講演にも登場しておいででした。)網膜上の電極による人工視覚

3)チュービンゲンのツレンナー(不二門先生の御留学先) 0,04程度? 網膜下電極の応用

電極方式ではやがて電気的に絶縁してしまうので、光刺激(?)で神経細胞を活性化することを考えているそうです。 (この話が、講演後のわたくしの質問した部分です。)

水晶体農内カメラを用意して、視線管理を行えば失明者の目でも後天性のものならば、かなりの正しい視線管理ができるだろうということでした。

最後に、6月に国立リハビリ病院の改装ができたとのこと。
仲泊先生は、ロービジョンケアの6つのステップを考えています。それにはできる事柄に応じてレベルABCの3つがあります。先に紹介されたスマートサイトでは眼科医をレベルに応じて分けていましたが、仲泊先生の分け方ではできる事柄で分けてゆくそうです。

8月(すでに締め切ったそうです)、12月、2月にロービジョンケアの資格を取るための研修会があります。内容は日眼誌、日本の眼科を参照とのことでした。

視覚リハ:ロービジョン支援ホームページには資料がありますとのことでした。現在はまだ少ないですが、今後それを180施設に増やしたいとの希望を述べておいででした。

脚注1: 2006年05月28日 清澤眼科医院通信 104, 人工の眼 artificial eye 人工視覚⇒参照。

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