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2014年7月17日

5638 頻繁に行を読み間違える 日刊ゲンダイ 今週の記事です

頻繁に行を読み間違える

数年前から文章の行を目で自然に追うことができなくなりました。自覚はありませんが、病気が隠れているのでしょうか?

 その可能性があります。そもそも人間が眼を動かすには、素早く視線を飛ばす急速運動と飛んでいる喋をゆっくり目で追うような追従運動の2通りがあります。文章を読むときは、まず、早い眼球運動を使って、行末から次の行の先頭に視線を飛ばし、その後は急速運動に追従運動を加えてとびとびに視線を動かして行きます。
 その場合、最初の行を読み終えた時点で、次の行の最初の文字が視野に入っていなければ、早い眼球運動が行えません。つまり、緑内障や脳の病気で視野が狭くなっている人には、行を正しく追うことができないのです。ですから視野が正常かどうかがまずは大きな問題です。では視野が正常なのに行を間違える人にはどんな問題が隠れているでしょう?
 ひとつは眼球を動かす筋肉(外眼筋)の障害が考えられます。例えば、バセドー病に代表される甲状腺の病気、目の筋力が低下する眼筋無力症、外眼筋の炎症などです。この場合は複視の自覚が先行するかもしれません。二つ目は、眼球を動かす神経の障害です。目を動かしたり、焦点を合わせたりする動眼神経、斜めに目を回す滑車神経、目を外に動かす滑車神経の麻痺はそれぞれ強い複視を起こし、文が読み進めなくなります。これらの神経麻痺は頭部外傷、糖尿病、脳腫瘍、脳梗塞などで発生することがありますが、これも複視が明白に伴います。三つ目が物は見えているのにそれをつかもうとすると手がそれてしまうという脳疾患の疾患バリント症候群です。これなら2つには見えません。四つ目は生まれつき眼球運動がうまくできない眼球運動失行症があります。
 この方の場合は、明確な複視の自覚がないようですから、脳梗塞や認知症初期に現れるバリント症候群などが隠れているかもしれません。自宅で試すならご家族にボールペンを眼前でゆっくり動かしてもらって、正確に掴めるかどうかを試すこともできるでしょう。いずれにしろ眼科医に相談されることをお勧めします。

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