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2014年7月5日

5611 STAP論文:ネイチャー検証不足露呈 編集者判断強く:の記事紹介です

sadoku_flow_detail 国内の専門学会も今回の理化学研究所の対応を批判していますが、STAP論文に関しては、ネイチャーへの掲載の前にサイエンス誌が棄却(リジェクト)しており、その際の査読コメントに今回の疑惑に対する答えが含まれていたという記事が出ています。

 記事本文にも記載されている通り、投稿された論文はいったん雑誌の編集者によって目を通されます。編集者の周りには数人のブレインがいて、ナンセンスであったり、手間をかけて読む価値がないとされれば、あっという間にリジェクトされてほとんどコメントなしで「内部の」査読で棄却として返却されます。

 通常、査読者はその道での有力者であり、一論文に3-4人が割り当てられます。投稿時に、自分たちの仕事に好意的なグループの研究者も査読者に含めてくれるように編集者に依頼することも、しばしば許されます。

 ライバル関係にある研究室に査読が回ると、自分らの手の内がライバル集団に見られてしまいますから、投稿論文はあたう限り完全なもので、願わくはそのまま掲載が許されるような完成されたものであるべきです。査読でよんだ内容類似で別の実験を始めるというけしからぬ輩もいるそうです。

 論文の書き方とか、その原稿のやや論旨の弱い部分を過去の論文を引用しながら擁護する様な考察を整えると、その論文が採択レベルに達することが出来る場合もあります。上司が手を加えたというのはそのような行為ですから、実験結果に作為が無ければ、それ自体は責められるものではないでしょう。査読者も人間ですから、初見でその論文に感服することも有るでしょうし、初めから批判的な目で読むことも有るでしょう。

 最近問題になっているのは編集者がセンセーショナルな論文に飛びつく傾向が目立つという件です。編集者も、読者がこれは面白いという記事を待っていると考えますから、つい騙されるという事もあるのでしょう。

 先日、通信社の記者の方と話す機会があったのですが、医学生物学の世界で、これほど内容に問題のある記事が掲載されるという事が信じられぬという事を申し上げましたら、宇宙や物理では論文が出れば確定ではなくて、数年したら、あの論文にはやはり無理があったというのは普通の事なのだそうです。むしろ信用されている名門の研究室がよその発表に焦ってフライングを犯すというケースが多いということでした。
ーーー新聞記事の引用ーーー
STAP論文:ネイチャー検証不足露呈 編集者判断強く

毎日新聞 2014年07月05日 02時31分(最終更新 07月05日 02時35分)

 科学誌に投稿された論文の査読の内容が明らかになるのは異例のことだ。取材で判明した英科学誌ネイチャーなど3誌の査読者たちの指摘は、ES細胞の混入以外にも、専門家の間で現在議論されているSTAP細胞を巡る科学的な疑問点をほぼ網羅していた。不正論文を掲載したネイチャーは、撤回を掲載した号の論説で「致命的な問題があると見抜くことは難しかった」と記したが、データを少しでも検証していれば、科学史に残る不祥事を回避できた可能性がある。

 論文ではSTAP細胞は複数の細胞が集まった「塊」様のものを指すが、掲載したネイチャーを含む複数の査読者たちが一つの細胞でも万能性を確認できたかを重ねて尋ねていた。著者らは一つの細胞でも万能性を持つかの実験はせず、遺伝子データなどの解析結果を提示した。だが、このデータについては、理化学研究所上級研究員の独自解析で、ES細胞のものではないかと疑われる結果が出ている。

 論文掲載の可否を決める権限は、査読者ではなく編集者にある。資料を読んだ東京大エピゲノム疾患研究センターの白髭克彦教授は「掲載したネイチャーの査読者の中にも懐疑的なコメントが含まれており、(掲載したいという)編集者の判断がかなり強く働いた印象を受けた」と話す。

 近年、有名科学誌には「商業主義」との批判がある。旗振り役の一人、ノーベル賞受賞者の米国人科学者、ランディ・シェクマン博士は取材に「今回の問題は、人目を引く研究成果を好むネイチャーの責任も大きい」と述べた。なぜネイチャーは論文を掲載し、他の科学誌は免れたのか。経緯の検証は科学界全体の教訓となるはずだ。【八田浩輔、須田桃子】
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