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2014年6月29日

5594 網膜疾患による脳機能・構造への影響:MRIを用いたアプローチ小川俊平先生の聴講印象録です

シンポジウム2
機能と構造の評価、その最前線  座長 中野匡先生 (慈恵医科大学)の3題めの演題です。

網膜疾患による脳機能・構造への影響:MRIを用いたアプローチ小川俊平先生 スタンフォード大・東京慈恵医大

Lesion projection zone(LPZ)と言う概念で視覚領の中をわける。 diffusion MRI(dMRI)で視索や視放線を描出しその構造を観察する。この方法で視野変化は同様であるが障害される網膜細胞層の異なる2疾患を対比した。

RGC(網膜神経節細胞)が侵される疾患としてLHON(レーベル病)、視細胞が侵される疾患としてConeJMDを取り上げた。

その違いを経シナプス変性の有無と考える。ヂフュージョンイメージで、アイソトロピックとアニソメトロピックを分ける。(分子運動の整合性を計測)

従来の報告を見ると一般論としては緑内障では変化するが、網膜視細胞障害では変化したという報告はなしと言うことが出来る。(Plos oneの2012年の論文など参照)

実際には視索を見る事と視放線を見ることが出来るが、視細胞障害疾患では視放線変化が出にくいようだ。Schoth:Neurosciなどがあるが、不十分。このほかZrennerの動物実験も報告はある。この問題を論ずるには罹患期間の長短も問われるかもしれない。網膜色素変性症(RP)では神経節細胞の変性はないのだろうか?網膜の3次元断層解析ではLHONでもJMDでもRNFL(網膜神経線維層)は薄くなることになっているが。

結論
Benson NC Plos Comp Bio 2014などが参考になる。
High resolusion tractographyの有用性。(現在投稿中とのこと。)

清澤のコメント:
 今回の学会で一番期待して聞きに行った演題です。競合他社の砂らしい新製品を見せられた感じです。

 MRIを使って視神経、視索、視放線などでの神経線維の整合の具合を水分子の運動の整合性としてとらえるFA(フラクショナルアニソメトロピー)は、特別な機会がないところでも手がけることが出来る方法であって、私たち医科歯科大学の神経眼科グループでも東京都健康長寿研究所の協力を得て、研究に取り組んでいるところです。

 その結果は、BJO、グレーフェと断られてしまいましたが、2013年、昨年のJJOに掲載してもらうことが出来て、それはそれなりの評価がいただけました。本日のご講演ではその村井論文も引用して戴けたので有り難かったです。

 しかし、我々の検討では統計的には視放線における神経線維密度を反映するであろうFA値の低下を示すことが出来ましたが、実際に視放線の画像を見せてこのように減っているという絵を見せることが出来ませんでした。また、その細さから視索や視神経は分析すらできませんでした。そこで、他の施設が見せているように「カルトグラフィーでその差を美しく見せるコツは何なのでしょうか?」と伺ったのが私の会場での質問です。

 スタンフォードではそのようなカルトグラフィーを作るプログラムを公開しているので、HPからダウンロードしてお使いください。と言うお答えでした。大きなセンターで研究だけに時間を使えるというのは素晴らしいと思います。一層のご発展を期待しております。

 私たちの緑内障でのFAとPETを併せた論文と、網膜色素変性症でのFAとPETを併せた研究の論文も月単位で急がないと陳旧化してきそうです。

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