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2014年6月22日

5568 アデノシン、アデノシン受容体および緑内障についての最新知見の概要。

アデノシン、アデノシン受容体および緑内障についての最新知見の概要。
(Adenosine, adenosine receptors and glaucoma: an updated overview.)
Biochim Biophys Acta. 2013 Apr;1830(4):2882-90. doi: 10.1016/j.bbagen.2013.01.005. Epub 2013 Jan 15. Zhong Y1, Yang Z, Huang WC, Luo X.

著者:眼科部門、瑞金病院附属医科大学、上海交通大学、中国。 yszhong68@yahoo.com.

抄録

背景:

緑内障は、世界における失明の主な原因であるが、一般的に上昇した眼圧(IOP)に関連する視神経障害である。 緑内障治療の主な目標は、眼圧を低下させ、網膜神経節細胞を保護することである。アデノシンおよびアデノシン受容体(AR)が、眼圧調節及び神経保護において重要な役割を有することが最近明らかにされている。

レビューの範囲:

この記事では、房水の形成及び流出路、眼圧および網膜神経保護におけるアデノシンとアデノシン受容体ARの重要な役割に関する最近の研究をレビューする。

主要な結論:

アデノシンおよびいくつかのアデノシン誘導体が増加ないし減少して、A2A アデノシン受容体経由で眼圧を低下させる。 A1アデノシン受容体の活性化は流出抵抗を減少させ、それによって眼圧を低減することができる、A3受容体のアンタゴニストは毛様体無色素上皮細胞のクロールチャン Cl( – )に働いて眼圧を低下させる。A1およびA2Aアゴニストは、血管抵抗を減少させ、網膜および視神経乳頭での血流を増加させることができる。A1アゴニストおよびA2Aアンタゴニストは、虚血発作後の網膜機能の回復を促進することができる。 A3受容体に作用するアデノシンは、P2X(7)受容体活性化に伴うカルシウム増加を弱めて、網膜神経節細胞死の増加を減衰させることができる。

一般的意義:

これ等の証拠により、アデノシン系は緑内障治療用のアプローチのための潜在的なターゲットシステムの一つである。

著作権は2013エルゼビアBVが保有。

清澤のコメント:
昨日の緑内障治療薬の変遷の講義の中にアデノシンが新しい治療ターゲットになってきているという話がありました。アデノシンは神経伝達物質と言うよりも全体的なモジュレータとしてとらえられていて、A1受容体に対する代表的な拮抗薬がカフェインです。全体的には鎮静の方向に働くと考えられていました。
 緑内障の治療薬としてではないのですけれど、東京都健康長寿医療センターのPET研究グループがこの薬剤に脳の活動の全般的なモジュレータとしての興味を持ったことがあり、ほぼ15年前にその受容体測定などを行っていたので、その後の状況を調べてみました。全体像として、眼圧調整に関わる受容体として注目されつつあるようです。

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