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2014年6月18日

5551 第90回神経眼科勉強会印象記

第90回神経眼科勉強会の印象記です
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会場はこのニコライ堂の向いでした。平成26年6月18日 井上眼科病院 丸中ビル5階会議室

1、Docetaxelによる中毒性視神経症の一例
 癌との既往があってタキソテールDocetaxelが使われた4か月後にまぶしさと視力低下を訴えた患者。サルコイドーシスの続発性緑内障の合併もあった。視野は求心性狭窄。鑑別は、続発性緑内障とDocetaxiel視神経症など。docetaxelの副作用に視神経症も加えたいという報告。

質疑:
○視神経症に対して求心性視野狭窄で良かろうか? 
○強度近視の影響は? FAGは? 最終的な契機はこの薬剤で良いとしても、他の素因もあったのではないか?。
○眼底写真で視神経萎縮は有るとしても、眼底をどう読むのか?
○サルコイドーシスによる緑内障ですか?。(求心性狭窄だから)癌性網膜症は除外が必要では?

清澤のコメント:最後の発言の通り製薬会社の「既知の報告にない」という言葉に騙されないで、それらしき症例があれば報告してゆこうという事か?。
 
2、眼瞼下垂を伴わないClaude症候群を呈した中脳梗塞
狭心症、飲酒、喫煙歴がある。動眼神経としては上直筋、内直筋、下直筋。左下正中中脳枝の梗塞例が眼瞼下垂を示さなかった。この脳幹内での筋支配の分布はKsiazek,Schwarzらの報告とは合わない。上眼瞼挙筋に行く線維の分布はもっと吻側なのではないか?と言う提言。

質疑:○左側方視で左瞼が少し下がっているのでは? ○小脳症状の原因は赤核なのか上小脳脚なのか?:企図振戦も失調の症状に含める?。
清澤のコメント:眉も顔写真には含めてという事だそうです。

3、心血管造影後に複視を訴えた男児例
8歳男児、前日に心臓血管造影をしていて複視を訴えた。過去に心臓のROSS手術を受けた既往が有った。右目の外斜視。MLFか?ハイインテンシティーの多発(多発脳梗塞)。MLF症候群、Skewも合併と説明された。12時間でほとんど眼筋麻痺は解消していた。15日では、ほぼ正位に回復していた。
WEBINO(Wall eyed –短期間で治る)と治りにくい,MLFが考えられたと。Skew deviation — OTR?

4、複視を主訴に発見された抗MuSK抗体陽性重症筋無力症
アイステスト、抗MuSK抗体 MGFA分類。発症3か月後に下垂も出た。輻輳不全あり。ステロイドパルス、タクロリムスなど使用するも治療抵抗性である。セロネガティブの筋無力症なら今はMuSK抗体をまず考えるらしい。文献的にはMuSK抗体は抗体陰性の27%を占める。この疾患は球症状が出易い。

質疑:話によると、抗アクアポリンもこの抗体も外注で保険請求で出せるらしい。しかし、保険でアセチルコリン陰性ならば、抗MuSK抗体を出せるという事であると。(SRLで)。眼瞼下垂57%、複視78%に見られるとのこと(Ohta K et al.Eur J Neurol.2007)。MMTテスト(Manual muscle test)も鋭敏であるという。

告知:東京医大では26年8月30-31日に真鶴セミナーを新宿で行う。

5、3回目の測定で抗AQP4抗体の陽性化を認めた難治性両眼視神経炎の一例
乳頭上出血。マリオット拡大、中心暗点などを示した女性、ステロイドパルス施行。
メトトレキセートも使用。翌年再発、その年内に三度目の再発ありパルス施行。シクロスポリンも併用。再々度調べたら抗アクアポリン4抗体陽性が出た!

過去にもアクアポリン4抗体が経過中に陽性化した症例がある。
初回に陰性と判定されていても難治例では検査を繰り返す必要があるかもしれない。
今後は神経研でトリシズマブ治療を考えている。()

討論:抗モブ抗体も測ってみたかった。アクアポリン4抗体とモブ抗体の合併例があるのかもしれないとのこと。この疾患では視神経乳頭での血流障害が強いようだと。

清澤のコメント:
 今回は会費なしでした。この記事は清澤の聞き取りの部分的な採録です。これは都内神経眼科医の間で定期的に行われているスポンサーが全くついていない自主的で健全な症例検討会で、世話人持ち回りで各回開場費のかからない大学の教室などで行われています。
 東京医科大学と東京医科歯科大学が世話人校に入ってほしいという話も出ました。

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