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2014年6月13日

5535 [臨床研究不正]なれ合いの構造を断て:の記事です

以前は教室の主宰者が製薬業者から依頼を行け、比較的フリーハンドで引き受けた臨床研究が行われておりましたが、最近では大学で行われる臨床研究は学内倫理委員会の許可を得て公明正大に行われるようになってきてはいると思います。

しかし、研究費を製薬会社から受け取って行われる研究という事になりますと、企業と研究者の間にはおのずと期待するところと、期待に沿おうとするところが出てくることはありうるでしょう。

米国など海外では、そのような癒着体質を極力排除しようという研究者性悪説的なコントロールが比較的強く働いているように感じます。

以前国際学会でのランチで、学会誌の編集長が属する病院では製薬会社社員が病院内をアポなしで歩くという事は考えられないと言っていました。方向性のある情報を耳にして薬剤を選ぶと、患者に対してフェアでない選択が行われる恐れなしとは言えまいという事でした。最近は日本でもその傾向だそうですが、製薬企業社員の薬剤情報提供目的での病院医師への訪問を禁ずるなどの動きもあります。

最新の情報をあらゆる部分から取り込もうとするのか?、それとも部分的には自らの耳をふさぐことになっても、薬剤情報は学会や医学雑誌など医師側が手を伸ばして得るべきものであると考えるかなど課題は多そうです。本日の話題の記事は「沖縄タイムズ」の社説です。

厚生労働省が昨年12月にまとめた調査での全国の大学や特定機能病院が行った臨床研究では、不適切事例が137件あったということです。その内容を検証したいところです。。

ーー記事の引用ーーー
社説[臨床研究不正]なれ合いの構造を断て

2014年6月13日 05:30

 製薬会社と研究者の癒着構造が温床になった研究データ不正問題は、刑事事件にまで発展した。

 大手製薬会社ノバルティスファーマ(東京)の降圧剤「ディオバン」の臨床研究で改ざんしたデータを医学論文に使わせたとして、東京地検特捜部は、薬事法違反(誇大広告)の疑いで元社員を逮捕した。

 京都府立医大の研究チームが集めた脳卒中の発生数などのデータを操作したほか、虚偽の数値を使った図表をチームに提供し、ディオバンに有利な記載をした論文を海外の医学誌に発表させた疑いがある。

 国内で2000年に発売されたディオバンは、他の降圧剤に比べ割高であるにもかかわらず、年間売り上げが1千億円を超えたこともある「看板商品」となった。なぜか。

 本来の降圧効果だけではなく、脳卒中や狭心症のリスクが低下するという研究結果が広くアピールされ、販売促進に利用されたためだ。しかし、その効果はデータ操作によるものだった疑いがある。逮捕された元社員は、データの統計解析という重要な役割を担当していた。

 不正データに基づいた資料を参考に現場の医師が薬を選択し、患者も偽りの効果を信じて割高の薬を服用し続けたなら、医療保険を通し、国民全体にも必要以上の負担を強いたことになる。

 特捜部は今後、ノバルティス社の立件も視野に調べる方針だという。会社の関与を含め徹底的に事実を明らかにしてもらいたい。

    ■    ■

 ディオバンの臨床研究は、府立医大を含む5大学で実施された。ノバルティス社からは、5大学の研究室に総額約11億3千万円の奨学寄付金の提供があった。まさに企業丸抱えの研究だった。

 十分な研究費を得てインパクトのある研究業績を上げたい大学側と、その成果を販売促進の材料として利用したい製薬会社-。患者を軽視した両者のなれ合いは極めて深刻だ。これで公正な結論が導き出せるのか、疑問符が付く。

 ノバルティス社についてはディオバン問題の他に、東京大病院などが実施する白血病治療薬の臨床研究に複数の社員が関与していたことが判明した。患者アンケートの回収にも社員が携わり、重い副作用を把握しながら国に報告していなかったことも明らかになった。

 いったい誰のための臨床研究なのか。製薬会社と医学研究者、双方に倫理観が欠如している。

    ■    ■

 厚生労働省が昨年12月にまとめた調査によると、09年4月以降に全国の大学や特定機能病院が行った臨床研究で、国の倫理指針を守らなかったなどの不適切事例が137件あった。

 表面化した問題は「氷山の一角」との指摘も根強い。

 日本学術会議の検討委員会は3月、不正防止策として、国や医療機関に臨床研究の支援組織を設けるよう求める提言をまとめた。

 地に落ちた臨床研究への信頼を取り戻すために、国も含めて早急に検討すべきだ。
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