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2014年6月9日

5521 JBSS (日本眼瞼痙攣シンポジウム) と心療眼科研究会のジョイント学会の印象記

JBSS (日本眼瞼痙攣シンポジウム) と心療眼科研究会のジョイント学会パート1の印象記です。

パート1

特別講演 
遅発性ジスキネジア 目崎 高広 (発言の要旨)

薬物の長期使用により小実錐体街路症候群を遅発性症候群と言う。遅発性ジスキネジアおよび遅発性ジストニアは頻度が高い。主な原因薬剤はどぱみんきっ公約であるが、どパ民作動薬でも生じる。古い文献では遅発性ジストニアを包含することが多い。確実な治療薬はなく、抗コリン薬を使用している場合には先ずその中止から始める。一方遅発性ジストニアは通常のジストニアと同様の将校を呈し、内服薬の一時全宅は抗コリ薬である。しかし局所的ジストニアではボツリヌス毒素を用いた治療、広範なジストニアでは定位脳手術の効果が高く、近年では内服治療の意義が低下している。

清澤のコメント。注目すべき発言は
(1)薬剤性眼瞼痙攣は遅発性ジスキネジアではなく遅発性ジストニアと表現すべきである
(2)薬剤性眼瞼けいれんに対する内服薬剤としての第一選択はアーテンであって、リボトリールではない。
(3)広範なジストニアには定位脳手術が使える場合がある。
の3点でしょうか?

シンポジウム「眼瞼けいれんと心療眼科」

1)眼瞼けいれんの3要素 若倉 雅登(井上眼科病院)

(要旨)眼瞼けいれんは、
(1)運動系異常;開瞼困難、瞬目過多、瞬目制御異常、開瞼失行、閉瞼固守
(2)感覚系異常(感覚過敏):羞明、眼痛、眼乾燥感、眼部違和、眼部不快感
(3)精神心理症状:抑うつ、不安、焦燥感、不眠、
ジストニアであるが、不随意運動は常に出ているわけではない。瞬目附加試験はその異常検出に役立つ。感覚異常が前面に出ている症例では本性が念頭にないと見逃されやすい。
精神症状が一時的要素なのか?生活の質が低下するために二次的に出るものかの鑑別は困難である。抗不安薬、睡眠導入剤、向精神薬を連用している症例では薬物性眼瞼痙攣が混在し、精神心理症状の位置づけはさらに複雑である。

清澤のコメント:眼瞼痙攣が上記の3症状を併せ持つという解釈は、誰がいつ言い始めた物なのか?と思うが、この疾患への理解を非常にわかり易くした。この発表でもデータは示されたし、私も眼瞼痙攣が疑われる患者には行うのだがCES-Dが精神症状をあぶりだすのには有効だと思う。眼瞼痙攣の瞬目異常はシルマーテスト低下や涙液メンスカスの低下を示すドライアイを実際に引き起こしているから、ドライアイと言う診断もあながち間違いではない。私はその異常がある眼瞼痙攣症例ではヒアレインやジクアス点眼で良しとはせず、必ず涙点プラグ挿入をボトックス注射と同時に受けてもらう様に薦めている。

2)薬物性眼瞼けいれん 高木 美昭 (兵庫医科大学眼科、吉田病院眼科)

日本は国際的にみても向精神薬の処方が異常に多い国である。主に統合失調症に適応があるメジャートランキライザとベンゾジアゼピン系に代表される抗不安薬や睡眠導入剤は薬剤性眼瞼痙攣の代表的な原因薬剤である。高木が勤務する精神科病院の眼科外来では患者の30%がこれらの薬剤を服用しており、瞬目を観察するとそのうちの60%に瞬目の乱れが見られたと報告した。高木の観察ではメジャートランキライザによる眼瞼痙攣では自覚症状が少ないとのことであった。その治療には薬剤の減量や中止と言う選択があるが、精神科主治医と交渉して漸く減量したら、別の診療機関で同じものの処方を受けていたという症例も提示された。

清澤のコメント;目崎先生のレビューでも、その他の発言にしても、薬剤性眼瞼痙攣では、その原因薬剤の減量は一般に非常に困難であり、減らせるに越したことはないがその減量の薬剤性眼瞼痙攣改善への効果は非常にあらわれにくい様である。まず向精神薬の減量と言うパラダイムはもしかすると患者と精神科医を苦境に追い込むから、薬剤性であるという発言と、減量を求める発言は多少押さえて、まずはボトックスで対応するというのが、むしろ多くの医師がとるべき対応なのかもしれないという印象を受けた。

3)眼瞼けいれんとクオリティ・オブ・ビジョン 清澤眼科 清澤源弘、神谷めぐみ、渡辺瀬奈美 甲府共立病院 加茂純子 原田亮
要旨:

目的:
 眼瞼痙攣患者の系統的な視覚機能評価は研究されていない。私たちはボツリヌス注射後の機能的な改善を見るために、ハンフリー視野計用に特製プログラム、コーレンブランダーのグリッド試験を作成した。
 眼瞼痙攣患者へのボトックス注射の前後で、コントラスト感度、機能的視力スコア(FAS)、機能的視野スコア(FFS)、機能的な視覚スコア(FVS)およびVFQ25(米国立眼研究所の視覚的機能質問表)を測定した。

対象:
 眼瞼痙攣を持つ患者で来院時に重症の眼瞼痙攣があり、この研究への参加の同意が得られた男性3人、女性11人の合計14人の患者(年齢は64.1±10.0歳)を対象とした。

方法:
 研究は甲府協立病院の倫理委員会の承認を受け、次の5項目を調査した。
1. 矯正視力。
2. 若倉質問表による重症度評価は自己評価側と医療側からの観察を施行。
3. VFQ25による生活の質の自己評価。
4. ハンフリー視野計を用いたコーレンブレンダー特製視野。日常生活での視野評価が目的なので上まぶたをテープで持ち上げず測定。
5. グレアテスターによるコントラスト感度。

結果:
1. 視力;logMARで右:-0.1±0、左-0.0±0。(すべて正常)

2. 若倉表での重症度:  
ボトックス注射前の自己評価4.2±2.4、医療者評価3.7±1.4、  
ボトックス1か月後自己評価 2.6±1.5、医療者評価2.3±2.0    
( ともにp<0.001で有意の改善。) 3. 生活の質の質問表VFQ25:  全般的視機能 注射前 51.4 、注射後62.9 (p<0.01)  近見視機能  注射前 51.2、注射後60.1 (p< 0.05)  遠見視機能   注射前 48.2、注射後57.1 (p<0.01)  依存性 注射前56.0、注射後 70.8 (p<0.01)  VFQ25(11) 注射前52.0、注射後60.0 (p< 0.05) 4. コーレンブレンダー視野: ●機能的視力スコア(FAS): 注射前103±1.4、注射後103±1.4 (有意差なし)  ●機能的視野スコア(FFS): 注射前94.4±12.5、注射後97.2±6.5 (有意差なし) ●機能的視機能スコア(FVS): 注射前97.1±12.4、注射後100.5 ±6.4 (有意差なし) 5. Glareテスト(コントラスト感度) ●V63 注射前 0.15±0.16、注射後 0.04±0.04 (P<0.05) ●V40 注射前 0.15±0.16、注射後 0.044±0.046  (P<0.05) 結論: 全体として、眼瞼痙攣に対するBotox注射は、眼瞼痙攣の重症度、生活の質、およびコントラスト感度を改善していた。 (片眼帯や視野計に額をつける知覚トリック効果のために)実用視野では視野の改善が確認できなかった。 清澤のコメント:この内容は昨年秋の「眼瞼けいれん・片側顔面けいれん患者友の会」でも一部ご紹介し、さらに本年のWOCでも電子ポスターとして発表した内容です。今後加茂先生が原著にまとめてくださるのをお待ちしています。 ーーーーーー パート2の印象記は現在準備中です パート2 指定演題  1)眼瞼痙攣に対する抑肝散の有用性 後関利明 2)眼瞼痙攣の瞬目解析について 中村由美子 3)加齢黄斑変性患者の抑うつ軽減への取り組み~『加齢黄斑変性付き合い方教室』~藤田 京子 特別講演 プライマリケアでのうつの診立てと治療 大坪 天平

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