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2014年5月20日

5458 眼がどんどん大きくなってきた: 日刊ゲンダイに連載開始です

日刊ゲンダイ 2014,5,21号 第15面の新連載がいよいよ始まりです。

62a(図handbook of ocular disease management より借用) 古くからの知り合いで、時々眼科の記事の取材で声を掛けてくださる記者さんが「何か面白い目のお話はありませんか?」と声を掛けてくださいました。

 担当の記者さんには若倉先生、山田先生、それに私が編者でまとめた「解決!眼と視覚の不明愁訴・不定愁訴」と「解決!続、眼と視覚の不明愁訴・不定愁訴」の2冊をお目に掛けました。この本は「眼科医が炬燵で寝転んで読む異色の医学書」だったのですが、実はその続編の項目にはこの清澤眼科医院通信で取り上げた項目をかなり拾い上げて頂いていたのです。

この度は、この夕刊紙の読者である「中年サラリーマン諸氏」を意識して、いくつかのテーマを選んでいただき、そのテーマに関して多少調べ直して普段の言葉でお答えしてゆきます。そして、無謀にも「すべての眼科医が知っているわけではない様なとんがった話題」も加えてゆこうと思います。
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そんな訳で、今回は三白眼の話となりました。今の予定では毎週火曜夜の登場予定だそうです。今後のこの特集記事もお楽しみになさってください。
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あなたの目のトラブル解決します

 朝、洗顔するときに鏡をみて気づいたのですが、眼がどんどん大きくなっています……なにかの病気でしょうか。

「眼が大きくなってきた」と訴えて来院される患者さんは少なくありません。まず、考えられるのはバセドー病です。女性だけでなく男性にもみられる病気で、体内に甲状腺を刺激する抗体ができることで、微熱、脈拍数増加、躁状態などの症状が現れます。
 中でも、目に現れる症状は甲状腺眼症と呼ばれます。目の周囲にある眼球を動かす筋肉(外眼筋)が腫れてくるため、眼球の動きが悪くなって物が二重に見えたり、眼球が押し出されて大きく目を見開いた状態になって目が乾くといった症状が現れるのです。
 目が大きくなったと感じるのも、外眼筋が腫れてくるからです。上のまぶたが上がってきて目を見開いた表情になり、黒目の内側と外側だけでなく、上側にも白目がある「三白眼」という状態になります。
 甲状腺眼症からバセドー病が分かった患者さんは、内分泌内科での治療が必要です。
 他にも、目が大きくなる病気があります。以前、「目が大きくなって、飛び出してきた」と訴える男性の患者さんを何人も診たことがあります。いずれもミクリッツ病でした。
 この病気は「IgG4」という自己免疫抗体ができることで、膵臓の炎症や涙腺や唾液腺に慢性的な腫れを起こします。涙腺は眼球の上側にあるので、上瞼が腫れて眼球が押し出され、目が大きくなるのです。
 19世紀に報告された病気ですが、その後は長い間埋もれていました。近年、札幌医大の先生の研究によって「IgG4」が関わっている病気だということが分かり、現在は目の周囲がひどく腫れる病気として眼科医の中で有名になりました。
 ミクリッツ病の診断には、同じ症状を示すことがある白血病、結核、類肉腫症などと判別するため、病理組織診断が必要になります。治療は副腎皮質ステロイド薬による薬物治療が一般的です。
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清澤源弘(きよさわ・もとひろ) 「清澤眼科医院」(江東区)院長。東北大医学部卒。同大講師、東京医科歯科大眼科助教授を経て05年に開業。神経眼科分野のパイオニアとして知られる。日本眼科学会眼科専門医、日本神経眼科学会理事、眼瞼・顔面けいれん友の会顧問。著書多数。

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