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2014年4月27日

5392 ジャパン・アズ・ナンバーワンで知られたエズラ・ボーゲル博士のインタビュー記事:です

無題朝日新聞にエズラ・ボーゲル博士のインタビューが出ています。日本の戦前戦中の慰安婦問題に対して、「当時強制が有ったかなかったか?」と言う問題にすり替えて言い逃れをしようと言う風潮があるが、問題はそこではなくて、「慰安婦を存在させた当時の社会を存在させたことに対して現代の日本人は反省と謝罪をすべきだ」と言っているように聞こえます。
 
 実際に個々の人々がどう暮らしているかはさておき、米国人は世論としては倫理に関しては相当に潔白であると感じます。其処の判断を誤ると、悪い奴ら(日本人)を懲らしめろという米国の世論になりかねません。

 オバマ大統領が帰国するのを待つかのように、首相らが高級焼肉屋で会食をして、「オバマ大統領が仕事一筋で対応に苦労した。」と言い放ったことも、報じられています。

 米国と言う強力で強引な国を代表する人として来日しては居りますが、草の根から成り上がったオバマ大統領は基本的には相当に気真面目な人なのでしょう。このような思い上がった人格批判が会食参加者の口から記者に漏れるという事は誠に日本の国益を損なう事であろうと危惧するところです。、

 末尾の取材を終えて、の一文にも価値があります。ご覧ください

ーーー以下はこの記事の抜粋ですーーー
(インタビュー)ジャパン・アズ・ナンバー3 エズラ・ボーゲルさん 2014年4月19日05時00分

 高度成長期の日本の勢いを描いた著書「ジャパン・アズ・ナンバーワン」から35年。中国の台頭で世界第3位の大国になった日本は国際社会でどう振る舞うべきなのか。周辺国との「歴史問題」は米国にはどう映っているのか。オバマ米大統領の訪日を前に、米ハーバード大キャンパスに近い自宅でエズラ・ボーゲル名誉教授(83)に聞いた。

 ――安倍晋三首相の靖国神社参拝について、米政府は「失望した」と表明しました。

 「私も失望した。中国、韓国との関係が悪くなるとアジアの状態が不安定になる。安倍首相は前回の政権では『お友達内閣』と呼ばれたが、今回は、もう少し経験のある人を集めた。そして(終戦の)昨年8月には靖国に行かなかった。だから、昨年9月に私が日本に行ったとき、安倍さんは実務的な人か、右翼的な人か、という問いに『たぶん今回は実務的になった』と期待した。米議会もホワイトハウスも同盟国の立場で行かないでほしいと伝えたが、その意向は重視されなかった」

 「強硬派というよりは愛国主義者かもしれないが、少なくとも日中関係は大事にしなかった。反共姿勢のニクソン元米大統領が米中関係を正常化したように、安倍首相も強硬派的な背景を持ちつつ、大胆に中国との関係を築いていくという希望を持っていた。8月に参拝しなかったことで中国といい関係をつくれるのではないかと期待したが、中国が依然として日本に厳しい対応をした。それならば、と参拝したということだろう」

    ■     ■

 「日本の政府、政治家が日本と世界との関係について十分戦略的に研究していない。55年体制下で中曽根康弘さんや福田赳夫さん(いずれも元首相)などの派閥の指導者には戦略的思考があった。冷戦後の1990年代以降、日本の政治家と話しても長期的なビジョン(展望)が見えない。首相も小泉純一郎さん以降、毎年のように代わるようになった」

    ■     ■

 「韓国人の心理は非常に複雑だ。日本に親しい友人がいる人でも愛国主義者としては日本が嫌い、となってしまう。中国と朝鮮半島はつながっているだけに、数百年の歴史でみると、中国に攻撃されるかもしれないという不安もある。潜在的な脅威である中国と手を結んでおこうという意識がある」

 「日本からすればすでに外交的に片付いた問題と思うかもしれないが、韓国にとってはそうではない。そこに『強制性』などの議論を持ち出して正当化しようとすれば、日本の国際的な評判はかえって悪化するだけだ。日本にとって国際社会で良好な外交関係を維持することは大事。そのためには、不公平に思うかもしれないが、よい関係をつくるために、加害者側としていつまでも謝る必要がある」

 「僕の目からみると、日本人の多くは悪いのは軍国主義で、一般の国民は悪いことをしなかった、被害者なんだと思っている。もちろん原爆投下などで日本人は被害者でもあるが、一方で、周辺諸国に対して加害者でもあるという意識が、外国人の目からみると決定的に足りないと感じる」

 「A級戦犯合祀(ごうし)と遊就館がなければ、反対の動きはある程度まで収まるのではないか。A級戦犯と遊就館のあるところに指導者が行く必要はないと中国人は思っています。実際、合祀後は昭和天皇もいまの天皇も参拝していないし、中曽根元首相も85年以降、行かなかった」

 ――37年の南京事件について、「僕が日本人なら、こう言うだろう。被害者数については様々な見方がある。それでも当時の日本人、旧日本軍の兵隊が中国人に対して悪いことをした。日本人はもう二度としません、と」

    ■     ■

 ――日本の中に歴史修正主義的な動きがあると思いますか。

 「安倍さんやその周辺には、戦勝国による第2次大戦後の東京裁判で決まったことは正しくない、という考えがある。そして、以前に比べてそういう考えを持った人が表に出てきているように感じる。安倍さんからも、A級戦犯容疑者だった祖父岸信介元首相への思いが出てきたのではないか」

 「米国人からすれば、北朝鮮が米国本土にミサイルを撃つような事態や、在日米軍に犠牲が出るような事態なら、自衛隊は我々を助けるべきだ、と思うだろう。そういう意味で米国にとっても日本による集団的自衛権の行使は当然必要、というのが私の個人的な考えです」

 「ただ、憲法については今の段階で改正に踏み切れば日中、日韓関係はさらに悪化する。それは危ない、と思います。米国にとっても、安倍首相が中国、韓国に対して、挑発的なことをするのは心配なのです」

    *

 Ezra Vogel 米ハーバード大学名誉教授 1930年生まれ。米国有数の知日派で、中国通としても知られる社会学者。近著に「現代中国の父・トウ小平」など。

 <取材を終えて>

 「ジャパン・アズ・ナンバー3」となった日本に対し、「加害者として謝り続けるしかない」と直言した。「慰安婦問題も南京事件も、国際的にはアンウインナブル・ディベート(勝ち目のない論争)」。国益を声高に叫び、「過去」を正当化しようとすればするほど、日本は国際社会の信頼を失いかねない。日本社会で国家主義的な主張が一部論壇を巻き込む形で音量を増していることについて、今回の米国取材中、ボーゲルさん以外の知日派からも懸念の声を聞いた。日本と最も関係の深い同盟国の信頼が揺らぎかねない事態を招いているとすれば、真の国益とは何か、答えは明白だろう。

 もとよりボーゲルさんは、中国や韓国の主張に沿って発言しているわけではない。今月12日には、緒方貞子前国際協力機構(JICA)理事長、韓国の韓昇洲(ハンスンジュ)元外相とともに米紙ワシントン・ポストに共同寄稿した。この中で韓国に対しても「日本の過剰な愛国主義はごく一部の見解であり、日本人全体を代表する考えではない」としたうえで「日本から新たな謝罪を引き出すことよりも、国づくりに協力を求めるべきだ」と助言した。オバマ氏のアジア歴訪を前に「日韓の論争に外国、とりわけ米国が味方に付いているように見せるのは逆効果だ」とも。知日派の大家の指摘に冷静に耳を傾けたい。

 (国際報道部長・石合力)
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