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2014年3月30日

5300 蒲田戦記 桃源社社長 佐佐木吉之助著 を取寄せて読みました。

無題
 先日の新書本で興味を覚えて、佐佐木氏の生の声を聴きたいとこの本を取り寄せました。桃源社側の言い分という事はあるのでしょうけれども、銀行と言う組織が他人の会社を食い物にするという、よくありがちな話が生々しく伝わってきます。銀行からの融資を当てにして仕事を広げるから、最終的にこういう様に事業の根幹を抑えられてしまうという側面もあると思いました。

 それにつけても思うところは、佐佐木氏をはじめとする経済犯と呼ばれて、一世を風靡した後で収監されたり、あるいは資産をすべて奪われたりした人々の多くが、その意識としては根源的なところでは犯罪者的な性向をもってはいなかったという事です。

 この物語のもう一つの教訓は「利益を独り占めしようとするなかれ」、という事でしょうか。それが華僑達は決して犯さないが、日本からの海外への進出企業が犯しやすい代表的な過ちであるとどこかで聞いたような気がします。

 今回は、面白くはありましたが、うっかり気分を暗くする本を手にしてしまいました。彼は30歳の息子を亡くしたという事も効いています。彼の人生にはこのことも大きな影を落としたのではなかったのでしょうか?

ーー印象に残った文言ーーー
P249 振り返って総括すると、K銀の手法は次の通りだった。まず、将来、利益が期待できる物件を被融資会社に先行取得させる。その会社の自己資金と他の関係会社の資金を最大限、自分に都合のいいように活用し建築工事を続行させる。工事期間中は自己資金をなるべく使わずに他から資金調達を行う。工事完成の目途が立てば、いろいろな理由を付けて計画で決定している資金を出さず、当該物件を自分のものにするため、建築会社と組んで非合法的手段を駆使する被融資会社を建設費の支払い不能に追い込み、当該物件の差し押さえ、競売に持って行く。そして自己のグループが安値で自己競落し、興銀グループの自己資産に組み入れてゆく。

 ーーー桃源社の場合も同様な手口で利益を図ったのだったが、今回は彼らの予想外のバブル崩壊後の大不況の影響もあって、結果としては実益が全く期待できなくなった。

P261「冗談じゃない。」そんな判子は押したことはない」ーー「そうか、あのときだ」
佐佐木は合点がいった。K銀から言われて、将来使うという大量の書類に判子を押したとき、質権設定の書類も紛れ込んでいたのだと直感した。何しろ、朝から晩まで判子をついていたいたのだから、そんな書類が紛れていても、鉛筆で丸印がついている個所に無意識に判子をついた可能性は無きにしもあらずだ。きっとそうに違いない。そう思って佐佐木は慄然とした。奴らはそんなことまでやるのか、と絶望感に襲われた。

P268「一斉に攻撃を加えられると、その戦場その戦場個々の局面の防衛に大わらわとなりまとめて一気に反撃に転ずることはむずかしい。どこが戦場かと言うと、蒲田がまず第一で、次は熱海と曙橋だ。仕掛中の物件に対しても攻撃を仕掛けてくるだろう。ここで、予防的に戦線から一気に撤退することを決断する。」---

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