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2014年3月21日

5273 眼科医が流行性角結膜炎、患者6人発症-山形県立中央病院、院内感染の疑い

viralconjunctivitis
眼科医にとっては流行性角結膜炎は鬼門。朝日新聞に流行性角結膜炎院内感染のニュースが出ていました。流行性角結膜炎は、このブログでも現在までに書いた5300のテーマのうちなんと17番目に扱ったテーマですからそれはもうポピュラーな話題です。(17 流行性角結膜炎(はやり眼、はやり目) (清澤眼科医院通信通算4)) 院内でアデノウイルスを患者間で移したりしたら大変です。その昔、大学にいた時には患者さんに移すのは医師の指で瞼を裏返す処置よりも、眼圧計を介してのことが多いと聞きました。最近、接触型の眼圧計を使うことが減った一番の原因はこれでしょう。正確な測定では空気式よりも接触型の方に分がありますので、緑内障専門医はまだゴールドマン眼圧系を愛用しておいでです。

 以前に席を置いた様な大病院なら、受付職員に予め指示をしておいて、主訴として目やにが出ているという患者さんは待合室にも入らせないままに廊下で待たせておき、医師が廊下に出向いて肉眼で見ます。それと思ったら、やや丁寧な説明をして、「本日は点眼薬を出しますが、ウイルス性の結膜炎ですからもう当病院には来なくてよいです。後はご近所の眼科の先生で回復を診てもらってください。」などという説明をしたものでした。 

 そんな中には、本当のゴミが目に入っている患者さんや、コンタクトレンズで角膜に潰瘍ができているような患者さんも混じっていますから、目ヤニや充血をはやりめと決めつけてかかるのもまた危険です。開業医として診療している今は、赤目の患者さんこそ注意してみるようにし、不安なら何回でも来て良いですからとお話しています。

 接触型ゴールドマン眼圧計のチップも安くはないので人数分揃えて消毒を繰り返すのも実際的ではありませんし、上にコンドーム状のカバーをつけたりなど様々な工夫はできるでしょうけれど、多くの施設では空気眼圧計で測定していることでしょう。それでも接触型眼圧計を使うというならば接触するチップの消毒方法などには眼科なりの薀蓄があります。

 もう一つ困るのが院内にこのウイルス性結膜炎が入ってしまうこと。手術予定の患者さんの手術も結膜炎があれば中止が普通ですし、結膜炎になったので退院してほしいとも言いにくいものです。以前には、眼科病棟の入院は一切止めて、一週間くらいは病棟閉鎖にして、流行性角結膜炎を一切断つということも出来ましたけれども、最近は大学病院でも他の科と混合病棟になっていてそうもゆかない事でしょう。

 幼稚園や小学校ではこの流行性角結膜炎は学校伝染病に指定されていて、それと診断されたら、自動的に出席が停止されます。治癒証明をもらわないと子供を登校させることは許されません。両親が職業を持つことが多い現代では、小さな子供の流行性結膜炎は母親の欠勤にもつながるので、医師にも親にも大問題です。

 アデノチェック(結膜上皮細胞からのウイルス遺伝子の検出)でウイルスが検出されて間違いなく流行性結膜炎と決まれば親には「治癒するまで登校はさせられません」と明言できますが、疑わしいけれどアデノチェックはまだ陰性というときが苦しいです。

 「明日は休ませて、明後日の朝までに炎症がステロイドで抑えられるかをもう一度見せなさい。それでも赤みが強いなら託児は諦めて。」などという話にすることもあります。

 もし、眼科に限らず医師や教師がそれに罹患したことがわかれば当然休業を勧告いたしますが、後から結膜炎を発症したということであれば、この記事のような事例は当然起こりうるでしょう。一方、電車のつり革は、結膜炎のある方も、そうでない方も素手でつかんでいるわけですから、そのような公共の場での感染も当然あるであろうと思います。

ーーー記事の引用ーーー
 眼科医が流行性角結膜炎、患者6人発症-山形県立中央病院、院内感染の疑い

2014/03/05 水曜日 医療介護CBニュース 3月5日(水)20時0分配信

 山形県立中央病院は5日、同病院に勤務する眼科医師が流行性角結膜炎と診断され、院内感染で患者が罹患した疑いがあると発表した。この医師の診察を受けた外来患者4人、入院患者2人が流行性角結膜炎を発症していることから、同病院は「院内感染の可能性が高い」と判断。眼科外来や入院施設内をアルコールで拭くなど、減菌・消毒を行ったという。【新井哉】

 同病院によると、2月24日に眼科医師が流行性角結膜炎と診断されたため、自宅療養を指示。他の関係職員に対しても健康観察を行うとともに、アルコールで眼科外来の減菌・消毒などを行った。

 その後、院内感染が疑われる患者が発生したことから、同病院は、この医師の診察を受けた患者などにも健康観察を実施。4日までに外来患者83人に連絡し、このうち4人の発症を確認したという。

 保健所には報告済みで、他の患者などへの感染の有無を調べるため、電話による健康観察の範囲を拡大する方針。同病院は「新たな発症があった場合には、責任を持って適切な治療を行うとともに、今後、一層の感染防止対策の徹底を行う」としている。

 流行性角結膜炎は、主にアデノウイルスによって起きる急性の結膜炎。感染力が強く、患者との接触や、汚染されたタオルや洗面器などに触れるなどして感染し、まぶたの浮腫や耳前リンパ節の腫脹などの症状が出るという。

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