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2014年2月16日

5178 周辺部角膜にみられる潰瘍とは?

5178 周辺部角膜にみられる潰瘍とは?
先にこのブログでは周辺部角膜潰瘍を記載し、その際にムーレン潰瘍ないし蚕食性角膜潰瘍(rodent corneal ulcer)はそれとは別の概念であろうと記載しました。

そうはいってみてもどのように違うのかということが、私自身にも十分に理解できていなかったように感じられましたので、調べ直してみました。カンスキーの教科書を参考にしてネットで知識と図を補っています。

カンスキーは、似たような臨床像を示す疾患として 軽いほうから1、周辺部角膜炎(カタル性角膜潰瘍)、2慢性関節リウマチなどの全身疾患における角膜潰瘍、そして3、(純粋な)モーレン潰瘍=蚕食性角膜潰瘍を説明していました。この様に分けると比較的疾患概念は理解しやすいように感じられます。

本日の質問者の場合、基礎になる全身疾患があるかないかで似た形であっても2か3と分類が違うという事になります。

 
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1、カタル性潰瘍=周辺部角膜炎

1)周辺性角膜潰瘍は、しばしばみられるもので、その本体は周辺性角膜炎であって、カタル性角膜炎とも呼ばれるものです。ブドウ球菌の外毒素に対する過敏反応によって生じ、しばしば慢性ブドウ球菌性眼瞼炎を伴うとされています。その発症は軽度の刺激感と不快感で始まり、成人に発症します。

2)徴候を発症時基準に述べれば1)輪部と病巣との間に透明体を有する角膜周辺部の上皮下浸潤で始まります。2)輪部に沿って拡大すると上皮欠損を生じ、蛍光色素に染まる潰瘍となります。3)数日内に血管が透明帯を横切って病巣に達し、病変は消褪します。

3)治療はステロイドの点眼を短期間行いましが、併発するブドウ球菌性眼瞼炎の治療も同時に行うことが必要です。

2、全身疾患における角膜潰瘍
PUK with scleritis in a patient with RA Source
重篤な遷延する周辺部角膜浸潤、潰瘍あるいは菲薄化が眼疾患によって説明できない場合膠原病の検査を行います。(a)関節リューマチ、(b)Wegener肉芽腫症や結節性多発動脈炎のような全身性血管炎の2つを上げます。眼病変が全身症状に先行することもあります。

2a、関節リューマチにおける角膜炎

1)徴候:角膜炎が先行することも胸膜炎に続発することもある。

(1)硬化性角膜炎:胸膜炎に隣接する角膜実質が徐々に肥厚し、混濁してゆく。

(2)角膜周辺部の菲薄化:この場合周辺角膜実質は徐々に吸収される。上皮は正常であって、角膜の中央部が障害されずに残る様子はコンタクトレンズを装着したように見えるという。

(3)急性角膜実質炎:非壊死性強膜炎に伴う周辺部の浸潤。後記合併症には瀰漫性周辺部瘢痕、新生血管、時には上皮欠損と実質融解も見られる。

(4)急性角膜融解:輪部の重篤な炎症に伴い、融解が起こることがある。また、非炎症性の角膜周辺部菲薄化部分に融解が起きることもある。

2)治療

(1)ステロイド薬は急性角膜炎に有効だが、周辺部角膜の菲薄化した例や角膜融解では穿孔を起こしやすいので注意。シクロスポリンも時に有効。

(2)強膜炎例にはステロイド薬か免疫抑制薬のいずれか一方または両方の全身投与を行う。

(3)穿孔を防ぐ緊急措置として角膜移植も考慮する。

2b、全身性血管炎における角膜炎
(1)徴候:両眼性周辺部角膜実質浸潤⇒上皮欠損⇒Mooren潰瘍と同様に輪部に沿って拡大し、時には中央部へ拡大

(2)治療:ステロイドの全身投与とシクロフォスファミドの併用が有効なことがある。

3、そしていよいよ最後が Mooren潰瘍の説明です。
 Mooren潰瘍はまれだが重篤で、角膜実質抗原に対する自己免疫の関与を考える。
分類:臨床症状、蛍光血管造影所見、および治療に対する反応により3タイプを分ける。

1)片眼性潰瘍:高齢の白人女性に多い、輪部付近の表在血管叢の閉鎖を伴う、極めて痛みの激しい進行性潰瘍。局所および全身に対する抗免疫療法が無効で治療困難。角膜移植片にも潰瘍が再発する。

2)両眼性の急速進行型潰瘍:インディアンの若い男性にみられる。
(a)上の片眼性のものより痛みは弱い。中央に向かいゆっくりと拡大する進行性周辺潰瘍で、蛍光血管撮影では漏出を伴う新生血管が潰瘍そこまで広がる。
(b)治療はメチルプレドニンの静脈投与を行い続いてステロイドを経口または局所に使う。免疫抑制剤(シクロスポリンを含む)も使うことがある。

3)両眼性無痛性潰瘍:栄養状態の悪い中年のインディアンにみられる。
(a)違和感を伴う進行性角膜周辺部潰瘍。炎症反応は軽微。自然消褪もある。
(b)食事改善と感染対策

徴候(全てのMoorenn潰瘍に):輪部から2-3mm簿周辺かうまく浸潤。三日月状の角膜潰瘍を形成し、潰瘍の進行縁が広範囲にわたり坑道状に浸食されてゆく。⇒角膜沿った拡大および中央に向かう拡大を示す。⇒そして治癒の段階では、菲薄化、血管新生、および瘢痕化⇒続発性の白内障はあるが、穿孔はまれで、強膜も冒されない。

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