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2014年2月13日

5168 特発性肥厚性硬膜炎の眼症状

最近、大学の神経眼科外来で肥厚性髄膜炎の患者さんを拝見する機会が多いように感じます。視神経炎や多発性で反復性の脳神経麻痺で発症し、血管炎を起こすような血液検査所見を持っていることが多いです、眼科の既往にはブドウ膜炎があったりもします。最終的には頭痛も強まり、造影MRIで髄膜に肥厚した炎症像が検出されます。ステロイド反応性ですが、減量すると再発したがります。

もう一度解説し直したいと思っておりましたが、下記の総説の抄録がよく症状をまとめていますので引用します。

なお、この疾患はこのブログでも、2007年12月02日の 「462特発性肥厚性硬膜炎の眼症状と治療idiopathic hypertrophic pachimeningitis」にも記載してありました。

Idiopathic hypertrophic pachymeningitis

M.J. Kupersmith, MDほか Neurology March 9, 2004 vol. 62 no. 5 686-694

抄録

背景:肥厚性髄膜炎は、脳硬膜の局所的な、或ははびまん性の肥厚を引き起こし、慢性関節リウマチ、梅毒、ウェゲナー肉芽腫症、結核、そして癌とも関連している様な、まれな疾患である。 特発性である少数の症例群だけが、特に臨床転帰と治療へのMRIとの相関関係について報告されている。

目的:特発性肥厚性髄膜炎(IHP)の患者の、臨床検査と血液検査での評価、臨床経過それに治療との関連を調査するために、特発性肥厚性髄膜炎に関する文献を調査する。

方法:画像検査、髄膜や眼窩組織の生検、またはその両方によって、特発性肥厚性髄膜炎を持っていた平均年齢が55歳(範囲は39から88歳)の12人の患者(男性9人、3人)、の回顧的な症例集。 臨床的特徴、血液検査所見、造影MRI、治療、そして臨床的な転帰を症例ごとに記録した。 経過観察の平均期間は3.5年(その範囲は3か月から16年)であった。

結果:主な初診時の臨床的特徴は、頭痛(11例)、視力の低下(7例)、複視(4例)、乳頭浮腫(2例)、その他の脳神経の障害(3例)、運動失調(2例)、痙攣(1ケース)。 最初に行ったMRIで、すべての患者において脳硬膜の異常な造影増強効果を見た場所は臨床所見と相関していた。そして、蝶形骨大翼はすねての症例で影響を受けていた。 赤血球沈降速度は5例で上昇していた。

脳脊髄液(CSF)は、タンパク増加が6例、リンパ球増加が4例に見られた。

5例の脳硬膜および1例の眼窩軟部組織の生検が行われた症例では、小さな成熟したリンパ球、形質細胞、そして類上皮組織球の浸潤を示したが、新生物の異常増殖、血管炎、または感染性病原体は見つからなかった。脳脊髄液および生検材料の培養で、病原体は検出できなかった。

コルチコステロイド療法は、8例中7例で視力を改善し、11例中10例では頭痛を制御した。 5例では、他の神経学的症状および徴候の部分的な改善があった。 再発は6例でステロイドの漸減中に見られた。一例では、進行性の悪化を示して、死亡した。4例では、メトトレキサートまたはアザチオプリンが、ステロイド投与量の減少中に加えられた。経過観察中のMRIが11人の患者に行われ、80%が臨床状態(P = 0.01)と画像所見に相関が見られた。

結論:IHPは、MRIを見て疑うことができる。そして、生検で病理学的に確定することができる。未治療であれば、臨床経過は通常、激しい頭痛や進行性の神経学的劣化や視力低下によって特徴づけられる。最初にはステロイド応答性があるが、臨床症状は、しばしばいステロイド漸減中に再発し、免疫抑制剤の添加を必要とする。

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