お問い合わせ

03-5677-3930WEB

ブログ

2014年1月6日

5076 「所見から考えるぶどう膜炎」の書評(荻野公嗣先生)です

眼に関連する新しい記事を検索しておりましたら「所見から考えるぶどう膜炎」の書評が週刊医学界新聞 > 第3058号 2014年01月06日 のMedical Library 書評・新刊案内に出ていました。園田康平,後藤浩 編 となっております。園田康平先生は山口大学教授、後藤先生は東京医大の教授ですね。評者の荻野公嗣先生(荻野眼科医院院長)は、私が部員で属する東京都眼科医会学術部の部長先生です。
なおこの新聞は印刷版も新年になって届いていますが、アマゾンではまだ発注まだのようでした。

その書評の要点は「ぶどう膜炎全体をとらえる通読しやすい教科書」ということです。「所見」に的を絞った教科書型の医学書なのだそうです。肉芽腫性炎症と非肉芽性炎症の違いの説明はわかりやすいということ。どこかで聞いたような?と思って探してみましたら、ちょうど一年前に「2013年01月20日 3990 「細隙灯顕微鏡所見から考えるブドウ膜炎の鑑別診断」、後藤浩先生のお話を聞きました。東京眼科アカデミー」という私のブログ記事がありました。その時の感想は「やたらに採血をしまくればよいというわけではないとのこと。ごもっとも」と、記載しておりました。今年も1月末にあるそうで、楽しみにしています。

各論の最後には「視神経炎を伴うぶどう膜炎」も登場するのだそうです。視神経炎を専門とする私も見ておくべきところでしょう。

PCRを使ってウイルスや細菌の存在を証明でき、7割くらいは診断がつくようになった。というお話は望月教授一派の網羅的PCRのお話でしょう。これは「2013年12月06日 4965 難治眼疾患PCR診断など4技術を先進Aに- 先進医療会議」(⇒リンク)の話題ですね。

これは一冊購入して眺めるしかないか?と思いました。

ーー記事の引用ですーーーー
《眼科臨床エキスパート》
所見から考えるぶどう膜炎

吉村 長久,後藤 浩,谷原 秀信,天野 史郎 シリーズ編集
園田 康平,後藤 浩 編

《評 者》荻野 公嗣(荻野眼科医院院長)

ぶどう膜炎全体をとらえる通読しやすい教科書

 医学書に教科書型と参考書型があるとすれば,本書は教科書型といえる。ぶどう膜炎の専門的な詳しい知識を網羅したというより,「所見」に的を絞った本である。ぶどう膜炎を診るとき,まず,疾患の候補名がいくつか頭に浮かばなければならない。そのためには,ぶどう膜炎の全体を通して勉強しておく必要がある。「所見」をカギにして要領よくまとめられた本書は,通読も容易で全体をとらえる教科書として最適といえる。

 総説は「ぶどう膜炎の診療概論」。肉芽腫性炎症と非肉芽性炎症の違いの説明はわかりやすい。少なくとも私が医局員の昔はこのような明快な解説はなかった。

 総論では「診断に役立つ全身検査」「眼所見からみるぶどう膜炎の診断と鑑別」「いわゆる網膜色素上皮症について」などの内容がよくまとまっていてわかりやすい。例えば,ヘルペス性角膜裏面沈着物は「豚脂様だが厚みはなく,濃密かつ整然とした配列のKP」と記されている。

 各論では,各疾患の「所見」の特徴が詳しく記述されている。例えば,ベーチェット病で「発作時に毛様充血や結膜充血は必発ではない」「デスメ膜の皺襞は比較的少ない」,Vogt-小柳-原田病で「初発では前眼部炎症は軽微である」「硝子体の所見は乏しい」など特徴的所見だけでなくネガティブな所見まで記述されている。こういう情報は外来の現場で診断を絞りこむのに大いに役立つはずだ。各論の最後に「強膜ぶどう膜炎」「視神経炎を伴うぶどう膜炎」が登場する。「所見」を中心に眼炎症を考えれば,外せない項目であろう。

 本書は読みやすい。文章は一段組み,文字フォントは細めで落ち着いた印象だ。各項の内容は簡潔である。所見を中心に記述され,個々の治療法,文献的考察は省略されている。写真が多く,アトラスとして使える。外来に置いて目の前の患者さんの所見と見比べるのもいいだろう。

 ぶどう膜炎の診療は,近年,着実に進歩している。PCRを使ってウイルスや細菌の存在を証明できるようになった。7割くらいは診断がつくという。生物学的製剤によってベーチェット病の失明を救えるようになった。桐沢型ぶどう膜炎も治療法があり,初診医が見落としてはいけない最重要疾患となった。こうなってくるとステロイド点眼のワンパターンで対応していた一般眼科医もうかうかしていられない。もう一度,ぶどう膜炎を復習しなければならない。そう考えている諸氏に本書はお薦めである。

B5・頁308 定価:本体15,000円+税 医学書院
ISBN978-4-260-01738-1
ーーーーー

Categorised in: 未分類