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2013年12月29日

5061 MLF症候群はいつから知られていたのか?

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 MLF症候群と言うのは患側の眼の内転制限と反対側の眼の解離性眼振を特徴とする脳の小さな病変に伴う眼球運動異常を示す疾患ですが、それがいつごろから明らかになっていたのか?と言う質問をいただきました。
 神経細胞の電気活動が微小電極で測定できるようになり、またホースラディシュペルオキシダーゼ染色で神経の連結が追えるようになった第二次大戦以降かと思いましたら、どうもこのMLFという解剖学的な単語自体は1900頃にHisと言う解剖学者が名づけていたようです。その記載は英文のウィキペディアのmedial longitudinal fasciculusの記載の中の歴史(history)の部分にありましたが、具体的な年号は不詳です。この部分に様々な解剖学的名称がつけられ始めたのはなんと1840年ごろです。
 この疾患は核間麻痺internuclear ophthalmoplegia(⇒詳しく記載してあります)とも呼ばれますが、こちらの方はもう少し後に概念が固まってきたようです。「脳腫瘍の初期兆候としての両側の核間麻痺」はCogan DG とWray SHにより Neurology 1970; 20:629-633に出ています。このコーガンと言う人は米国NIHに在籍した有名な眼科医で神経眼科にも多くの業績があります。 Kuwabara Toichirouと言う日系研究者と多くの共著があり、その方々の教えを受けた日本人眼科医も少なくはありません。
 私が医師になった1978年ころまでには、Lutsの後部核間麻痺(=MLF症候群)と言う概念は名称としても概念としても大体固まっていた模様です。
(2013,12,29小改訂)

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