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2013年12月28日

5059 色覚異常、半数は「自覚なし」:だそうです

色覚異常、半数は「自覚なし」
学校の色覚検査廃止10年、若い男性で問題に:だそうです

2013年10月17日 日本眼科医会

 日本眼科医会は10月15日、色覚異常の問題を訴えた報道発表資料を公開した。日本大学名誉教授の澤充氏が色覚と先天色覚異常について説明した資料、医会の宮浦徹理事が学校での色覚検査の経緯と全国実態調査の結果を報告した資料の2点。2002年の学校保健法改正により学校で色覚検査が行われなくなり、今後、色覚異常の問題が増加すると訴えている。

日本の男性は4.5%が先天性色覚異常
 澤氏は「男性にとって先天性色覚異常は一般的」と説明する。日本の有病率は男性で4.5%、女性は0.2%。男性では、40歳の緑内障と同程度の有病率という。男女差があるのは、X染色体の劣性遺伝の先天性疾患だからだ。

 医療従事者が直面し得る問題として、例えば救急現場で用いるトリアージタグの認識困難の可能性があると、澤氏は言う。トリアージタグは国際的に共通する方法として、重症度の軽い人から、緑、黄、赤、黒のタグで振り分けていく。先天性色覚異常の中でも、赤と黒の識別が付きにくいタイプの障害を持つ人は男性の1%に存在する。澤氏は、医療従事者の中にも判別に困難を伴う人もいる可能性があるため、タグの色の間に仕切り線を入れたり、タグの色を示す文字の色を変えたりするなどの誤認対策が必要になると説明した。

 また澤氏は、眼科医に向けて、色覚異常患者が受診した場合には、「遺伝だから仕方ない」と考えるのではなく、生活や職業選択上の適切なアドバイスをしてほしいと求めた。

 医療現場に限らず、日常生活でも配慮が必要だ。教科書や発表のためのスライドでは色覚異常の人が判別しにくい色の組み合わせを避け、縁取りや仕切り線、色を示す文字をうまく使う必要性があると説明した。さらに、欧米男性では色覚異常の頻度が8%以上と高いため、今後、オリンピック開催も含め海外からの訪問者への対応として、標識などのデザインでも注意が必要と澤氏は指摘した。

色覚検査で自覚促せ
 さらに宮浦氏は、今後、若年層で色覚異常が大きな問題になる可能性があると警鐘を鳴らす。2002年の学校保健法改正により、学校での色覚検査が必須の検査ではなくなったからだ。当時の通知では、保護者の同意があれば任意で検査でき、教職員にも正確な知識を求めていたが、教育現場の問題意識は薄れる一方だったと見る。結果として、現在20歳以下の若年者が社会に進出する段階で、色覚異常による進学や就職のトラブルが増加する可能性が高いという。

 医会は2010-2011年に先天性色覚異常の中高校生を対象とした全国調査を実施。先天性色覚異常のある患者のうち、受診前に気付いていた中高校生は54%にとどまっていた。航空や船舶、鉄道、警察、自衛隊など、一部の学校や職業で色覚による制限があるため、色覚異常を自覚していないと、職業選択で問題となる可能性もある。

 宮浦氏は先天性色覚異常への今後の対応として、中学1年の希望者に検査を実施し、進路指導に反映させるべきと提案。色覚異常によるトラブルはより年少者に起きやすいため、できれば小学校低学年のうちに検査するのが望ましいという。また、幼稚園ではお絵かきやぬり絵を通して教職員が疑わしい園児を見つけることが可能と指摘した。

【関連リンク】
学校で色覚検査が行われなくなって10年―色覚検査をめぐる現状と課題―
「色覚の本質」
「学校での色覚検査について―先天色覚異常の受診者に関する実態調査より」

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