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2013年12月8日

4976 オープンアクセスジャーナルの半数以上が虚偽の論文をアクセプトしたという記事

F1_smallネットを見ていたら、いい加減な医学雑誌が跋扈しているという記事がありました。その元記事はサイエンスですからかなり確かな情報です。(⇒英文の原典Who’s Afraid of Peer Review?(2013/10/4付けScience、 http://www.sciencemag.org/content/342/6154/60.full

その話題とは、オープンアクセスジャーナルの半数以上が虚偽の論文をアクセプトしたと言うものです。

ドラフト段階の虚偽の内容を含む抗がん剤の臨床研究論文をオープンアクセスメディカルジャーナル304誌に投稿したところ、半数以上の157誌が騙されて掲載を許可したと言う訳です。

 忙しいであろう雑誌編集者(大学教授など)にとっては、至極迷惑なお話ではあります。医学論文を掲載する雑誌は全てが超一流な訳ではなく、その多くには下手な英文で、論理の組み立ても怪しい様な際物の論文もたくさん投稿されてきます。投稿者の研究のアイデアが少しでも生きるように、それをどのように多少なりとまともに見えるように著者に助言を与えて仕立て直し、出版に結びつけて差し上げるか?が編集者と査読者の役割なので、この様な仕打ちは好ましいのとは言えないのですけれども、その結果があまりに悲惨、金儲けのための出版に思えるということだったようです。

今回の論文をアクセプトしたオープンアクセスジャーナルにはSageやElsevierといった大手出版社のジャーナルも含まれていたとか。しかし、一方で、オープンアクセス出版者として知られるHindawiの雑誌や、オープンアクセス雑誌最大手であるPLOS ONEは偽論文を却下していました。
 
 ある雑誌は、「編集料」3,100ドルで掲載だったようですが、編集者としては英文をネイティブに直させて、その経費を請求し、良い論文とは言えないだろうが、掲載してあげようか?と対応したのかもしれません。通常、私たちが投稿する場合には、私的なエディターに英文校正を頼んでから投稿します。それに3000ドルは高すぎでしょうが、至急とかなんとか注文が多ければあり得ない額ではないでしょう。、

 304誌のうち、リジェクト(掲載不可)としたのは98誌、審査からのコメントがあったのはたった36誌だけだったそうです。304誌の3分の1がインドの雑誌だったというのは、インドが開発途上国で、英語語は出来るという出版労働者が多いことのあらわれでしょうか?私、清澤の印象としては旧ユーゴスラビア圏や湾岸アドからの投稿のお誘いが多いような印象です。

オープンアクセスジャーナルは、購読料を支払うことなく論文を読むことが出来る雑誌。その多くはオンラインジャーナル。著者(投稿側)が出版社に投稿・掲載費用を支払うことで、雑誌が運営されています。世界の大手雑誌も出版一年後にはオープンアクセスになることも多いようです。それらの雑誌のインパクトファクターはどの程度かは知りませんが、やはりインパクトファクターがそれなりの雑誌に投稿しようということなのでしょう。

 もっとも、研究者としては発表は終わったが、一流も2流も医学雑誌では掲載してくれなくて、消化試合としてでも引用できる出版物(サイタブル)に日付けの付いたアリバイは残しておきたいと言うケースも確かにあります。今後も議論を呼びそうなポイントです。

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