お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2013年12月2日

4958:1000人の全ゲノム解析、東北メディカル・メガバンク

震災復興に関連して東北大学医学部に設置された「東北メディカル・メガバンク」ではすでに1000人の全ゲノム解析が行われて、1500万個の新たな遺伝子多型が見つかっているのだそうです。現代の医学の研究では多くの人材と、資金を集中して多人数の遺伝子を解析する手法が非常に有力です。その意味でもこのプロジェクトの持つ意義は大きそうです。M3がタイムリーにこのを取り上げています。
なお、東北メディカル・メガバンクは、宮城と岩手の両県で実施、地域住民コホート8万人と三世代コホート7万人、計15万人の前向きゲノムコホートの実施を目指しているそうです。コホート参加者には、ゲノム解析を含む包括同意を取得しています。参加者は、2013年11月20日頃までに、地域住民コホートは、宮城県で約7800人、岩手県で約6700人、3世代コホートは約1100人、計1万5000人を超えると言うことですから、世界に誇れる成果となることでしょう。

ーーー記事の引用開始ーーー
1000人の全ゲノム解析、東北メディカル・メガバンク

1500万個の新たな遺伝子多型が見つかる

2013年11月30日(土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 東北メディカル・メガバンク機構は11月29日、都内で記者会見を開き、2013年5月の事業開始から6カ月という短期間で、1000人の全ゲノム解析を終えたことを公表した。当初の想定より早いスピードだ(『“1000人ゲノム”、2013年度の完成目指す – 山本雅之・東北メディカル・メガバンク機構機構長に聞く』を参照)。これまでに見つかった遺伝子多型は約2800万個で、うち約1500万個は未知、約1300万個は既知だった。未知の遺伝子多型のうち、99%は人口の5%以下の頻度の稀なものが多い。

 今後、検証解析を進めるとともに、遺伝子多型の出現頻度や機能的意義に関する情報を充実させ、今年度中に、「全ゲノムリファレンスパネル」のドラフト版を作成。同機構が並行して実施している、コホート事業で得た生活習慣情報や診療情報などと併せて解析することによって、個別化医療・個別化予防に向けた基盤整備を進め、広く我が国の研究機関が使える形にする方針。

 同機構は、2012年2月に発足、今年5月から本格的に事業に取り組んできた。1000人規模の全ゲノム解析は日本では初めて。しかも、単独の施設で、単一の方式、遺伝学的に均質性の高い国民集団を高品質に解読した例は、世界的に見ても例がないという。

 1000人のパネルでは、人口の0.5%の頻度の遺伝子多型の検出が可能。2015年度末まで、つまり計3年間で、8000人のパネルを作成することを目指し、0.1%という低頻度で発生する遺伝子多型でも検出できるパネルを目指す。

 我が国には、バイオバンクジャパンなど、他にもゲノムコホートが進行している。東北メディカル・メガバンク機構の機構長を務める山本雅之氏は、「バイオバンクジャパンは、病院で患者をリクルートして作成した、疾患ゲノムコホート。これに対し、我々の取り組みは、地域住民コホートや三世代コホートをペースにした健常人のゲノムコホート」と違いを説明、両者を比較すれば、患者特異の遺伝子多型の発見にもつながり得るとし、「バイオバンクジャパンをはじめ、データリニカルシークエスの参照パネルとして使ってもらいたい」と山本氏は語った。

11月29日には、「大規模ゲノムコホートからシークエンス解析へ―東北発、次世代型医療への挑戦―」をテーマに、都内でシンポジウムも開催。

 1週間に54検体のゲノム解析

 東北メディカル・メガバンクは、宮城と岩手の両県で実施、地域住民コホート8万人と三世代コホート7万人、計15万人の前向きゲノムコホートの実施を目指している。コホート参加者には、ゲノム解析を含む包括同意を取得している。参加者は、2013年11月20日頃までに、地域住民コホートは、宮城県で約7800人、岩手県で約6700人、3世代コホートは約1100人、計1万5000人を超える。日本人の人口構成をなるべく代表するように選び、全ゲノム解析を進めている。

 ゲノム解析は5月21日から開始。1週間で54検体の解析を行っている。1検体当たり 30回解読するなど、高い品質を誇る。

 「全ゲノムリファレンスパネル」とは、遺伝子変異をマップしたデータベース。例えば、原因不明の遺伝病患者のシークエンスを行い、遺伝子多型が見つかった場合、全ゲノムリファレンスパネルと参照すると、候補遺伝子変異を絞り込むことができる。健常人のゲノム解析としては、国際コンソーシアムによる「1000人ゲノムプロジェクト」などがある。「我々のパネルにより、日本人の遺伝子がどのようにできているのかが初めて明らかになる。他のパネルと比較すれば、遺伝子配列の変異や頻度の情報が、人種間でどのように違っているのかについても分かる」(山本氏)。

 ゲノムコホートで課題になる一つが、何らかの遺伝子多型が見つかった場合、参加者にいかにフィードバックするかという点。「専門的に検討する場を設け、どんな場合にフィードバックし、どんな場合にフィードバックしないかを議論している。治療を早期に開始できるなど、参加者に有益になる場合にはフィードバックする方針」(山本氏)。
ーーーーーーー

Categorised in: 未分類