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2013年11月23日

4926「眼内増殖疾患とマイクロRNA(miRNA)」の話を初めて聞きました

この話を11月22日に行われた「第一回浦安レチナクラブ(Urayasu Retina Club)」で臼井亜由美先生から伺いました。世間ではもう随分知られたお話なのかもしれませんが、特殊なRNAが細胞内での特定のタンパク質の合成を抑制性にコントロールしているというお話自体が初めて耳にするお話でした。

最初の部分はマイクロRNA(miRNA)とは何か?と言う話だったのですが、何しろ初めて聞くお話で、メモも怪しいので日本語のウィキペディアをもとに話を再現してみます。
MiRNA_processing

「マイクロRNAは生物自身のDNAもしくはイントロンから合成されます。miRNA(micro-RNA)とは、細胞内に存在する長さ20から25塩基ほどのRNAで、他の遺伝子の発現を調節する機能を有すると考えられているncRNA(ノンコーディングRNA:タンパク質への翻訳はされない)の一種です。

miRNAの生成機構 :miRNAの元になるDNA配列はmiRNAより長く、miRNAの配列と、それにほぼ相補的な逆向きの配列とを含みます。このDNA配列が1本鎖RNAに転写されると、miRNA配列とその逆相補配列は相補的に結合して2本鎖になり、全体としてはヘアピンループ構造(tRNAに似た形)をととります。これをprimary miRNA(pri-miRNA)といいます。

核内にあるDroshaと呼ばれる酵素がこのpri-miRNA分子の一部を切断してpre-miRNA( miRNAの直接の前駆体)を作ります。

次いでpre-miRNA分子はExportin-5と呼ばれるキャリアタンパク質によって核外に輸送され、これからダイサー(Dicer)によって20-25塩基の成熟miRNA(mature-miRNA)が切り出されます。

miRNAの機能は遺伝子発現の抑制にあると思われます。miRNA は一部のmRNA(大抵は3’側非翻訳領域)に相補的な配列を有しています。このmRNAとmiRNAとの結合により、翻訳が阻害される場合(と、RNAiのようにmRNAの分解を引き起こす場合と)があると考えられています。」

と言うようなお話なのですがこの部分は聴衆の私には全く「借りてきた猫」の様な訳ですから、さらにご興味のある読者はお調べください(サイエンスの原典はこちら)。

さて、元の話に戻るとこのmiRNAには2つの臨床応用が考えられるそうです。

 miRNAは複数の遺伝子をマイルドに抑制するので核酸医薬への創薬に利用できる可能性があるそうです。もう一つは、生理活性を持ちマイクロベジクルを形成する分泌性RNAと言うものがあり、それを用いて網膜上で線維増殖を示す様な病態のコントロールをすることが考えられます。

 臼井先生の研究グループではコントロール群と増殖性糖尿病網膜症の硝子体サンプルを集めて、DNAアレイでスクリーニングしてその一方に多い遺伝子を探したのだそうです。こうして増殖に対して促進性に働く遺伝子と逆に抑制的に働く遺伝子の候補を探したのだそうです。

 リアルタイムPCRで機能している可能性がある遺伝子として、MIR-204は
プレファイブロブラスチック(促進性)に、そしてMIR21は線維芽細胞増殖にたいして抑制性に働いていることを見出すことが出来た、と言うようなお話でした。

清澤のコメント:
 臼井先生たちのグループの素晴らしい成果とわかりやすい説明に感服いたしました。

 ちょっと方向性は違いますが、DNAチップで特有な疾患発症に関連した遺伝子を探すという手法は、日本臨床眼科学会総会でも眼科DNAチップ研究会などが盛んに活動しているようです。私は今まで、その道に関しては何も知らないまま避けて来てしまいました。

 最近、東京大学の蕪城先生に視神経炎における候補遺伝子検索に関連して協力し始めており、多少はこのような話を伺っているのですが、まだ十分な理解には至っておりません。(視神経炎の疾患感受性遺伝子の研究 文部科学省: 科学研究費補助金「基盤研究C」研究期間: 2011年4月 – 2014年3月 代表者: 蕪城 俊克)

 これをきっかけにさらに遺伝子についても勉強したいと思って本日は帰ってきました。

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