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2013年9月26日

4758 玉ねぎを切って出る涙を減らす方法とは:

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玉ねぎを切って出る涙を減らす方法を尋ねて来た方がおいででした。これは先日、遺伝子工学を用いて味を落とさずに涙の出ない玉ねぎを作り、それを科学雑誌ネイチャーに発表したことでイグ・ノーベル賞を受賞した日本人研究者のお話(涙出ないタマネギ開発 イグ・ノーベル賞に日本人2氏ら⇒リンク)をこのブログで紹介したためと思われます。

上記の話題のほかに、当ブログでは涙に関連して、人の涙には基礎分泌と、化学物質や精神的な活動に反応して分泌される涙があって、その涙液が含むイオン濃度には違いがあることを以前紹介したことがありました。(1309 あの社長の涙は何なのだ? 涙における各カテゴリの基礎的記述:⇒リンク)

更に、護身用の催涙スプレーに関連してその成分がカプサイシン・オレオレシンという唐辛子の成分であることを紹介する記事も記載したことがあります。(1105 護身用催涙スプレーの誤噴霧の患者が来ました⇒リンク)

image02(図出典http://www.yonden.co.jp/life/kids/museum/science/encyclopedia/002-p03.html)
そこで、「どうしてタマネギを切ると涙(なみだ)がでるの?」と言う問題について少し調べてみました。

その結果、タマネギを切ったときにでる成分(催涙性物質)が目の神経を刺激しげきし、反応性の涙が分泌されることがわかりました。おそらく、その神経は角膜や結膜に分布する三叉神経の知覚枝または涙腺に分布する副交感神経の枝であろうと考えられます。

タマネギの細胞には、メチオニンやシスチンなどの“アミノ酸”ないしそれらを含むペプタイドやタンパク質が含まれています。タマネギを包丁で切ると細胞に傷きずがつき、その時に細胞質に存在する “酵素”がはたらいて、細胞内に安定的に存在していたアミノ酸を分解して催涙性物質ができます。この催涙性物質が目の涙腺周囲の神経を刺激して涙が分泌されると説明されていました。涙腺に入る副交感神経が刺激されますと、意思や感情とは無関係に涙は分泌されます。タマネギから出る催涙性物質は硫化アリルといい、ニンニクやネギにも含ふくまれている辛味成分でもあると説明されていました。

では、どのようにすれば玉ねぎを切るときの流涙を防ふせぐことができるのでしょうか?
或る記事では

1.よく切れる包丁を使って細胞の挫滅を最小限にする。
2.冷蔵庫などで玉ねぎを冷やし、催涙性物質の発生や飛散を減らす。
3.玉ねぎを水に晒して催涙物質の基になるアミノ酸を水に溶かして減らす。
4.水中めがねやスキーのゴーグルを使用して流涙物質が目に入るのを防ぐ。
5.扇風機で付近の硫化アリルを吹き飛ばす。

などの対策がが挙げられていました。イグ・ノーベル賞のお話を考えれば、アミノ酸から硫化アリルを生成する酵素を含まない玉ねぎを使うという手もありそうです。また、気温を下げますと、玉ねぎの汁に含まれる硫化アリルの空気中への気化が抑制できるでしょうから、眼の周囲での催涙物質の濃度を下げることが出来るのかもしれません。

更に詳しく調べるならば2002年のネイチャーの短い記事を読むか、或はその著者との接触を試みるという手もあるでしょう。(Nature 419, 685  Plant biochemistry: An onion enzyme that makes the eyes water)

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