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2013年8月9日

4629 優性遺伝性若年性視神経萎縮症:

無題(海外のネット記事に出ていたこの疾患の患者さんの眼底写真です。視神経は両眼が委縮しています)

優性遺伝性若年性視神経萎縮症について再度説明を加えておきます。この疾患は、10歳代までに中心暗点を示して両眼の視力が低下しますが、当初は視神経乳頭には変化が無くて、やがて視神経乳頭の色は退色して蒼白化するという疾患です。OCTを用いて、網膜内層の委縮であるということを示した報告もあります。
眼鏡をかけても視力が悪かったという人を家族に複数の持っているというのが他の視神経炎と異なる特徴です。最も典型的な遺伝子変化とそのバラエティーの変化が複数見つかっているようです。
或る時、研究会でその報告をされていた先生に伺ったところ、実際には「この遺伝子検索は、多くの手間と資金を必要とするので、少なくも本人に視神経の委縮があるというだけではなくて、両親や叔父叔母あるいは兄弟などの近親者のなかに視神経萎縮の人がいるという症例に限って紹介してくれれば、遺伝子検索にまで進んでの検討を所属大学の研究費負担として行って差し上げることもやぶさかではない。」と言う返答をいただきました。(此処まで頻度の少ない疾患の遺伝子診断は、国民健康保険医療の中では出来ません。その研究をしている知人の医師が唯一の頼りです。)

清澤眼科および東京医科歯科大学の神経眼科外来ではこれと確定診断された症例はないと思っておりましたが、最近それらしき病歴と家族歴のある患者さんを見ることがありました。
mv-v14-2451-f1 私たち臨床医は、その可能性がある患者さんに出会いますと、その家族全体の中で同じ疾患である可能性のある人々の存在部位を上の様に家系図に記入してゆきます。(この図ではすでに遺伝子検索がこれだけ多くのメンバーについて既に調べられています。)発症が特定の性に偏っていないか?、正常な人の世代を挟んで複数の患者が出ていないかなどがこの図でわかります。遺伝子異常がある人すべてが発症するとは限らず、軽い障害で気が付かれていなかったり、実際に発症しないで一生を終る人も多数おります。
この図は海外のページに出ていた家系図ですが、ここまで押さえておけば遺伝子検索も依頼できる下地が整ったわけで、後はその分析技術を持った大学に連絡をしてみることが出来ます。
ーーー元の記事の再録ーー
2008年10月14日
692〔遺伝性視神経症〕 レ一ベル病および優性遺伝性若年性視神経萎縮症
〔遺伝性視神経症〕
視神経炎のような症状で発症し、中心視力の低下や視野の欠損を示すが、網膜の変化は少なく、やがて視力の回復を十分に示さぬまま視神経が萎縮を強めていく疾患である。家族性とされるが、必ずしも同一家系内にその類似した症状の患者が見られるとは限らない。おじなどに視力の悪かった人が居たという場合には詳しく話を聞いてみる価値がある。

遺伝性視神経症には種々のものがあるが、いずれも難治である。比較的多いものとしてはレ一ベル病(レーベル遺伝性視神経症)と優性遺伝性若年性視神経萎縮症があり、これらが公的なホームページには記載されている。

(A レ一ベル病は本項では省略します)

B 優性遺伝性若年性視神経萎縮症
■定義
10歳未満で発症する優性遺伝性の視神経症である。初期には視カ低下のほかに中心視野が侵されるために第3色覚異常様の色覚異常を示し,視神経乳頭は耳側から次第に退色するのが臨床的特徴である。

■疫学
日本で確認された家系数は少なく(東京医科歯科大学眼科および清澤眼科医院では実際にこの疾患には遭遇しては居ない)、男女差はないとされる。

■治療
明らかな有効性が確認された治療法はないので、ビタミン剤などの処方が行われる。

■予後
視カ低下は緩徐であり,0.2~0.3以上の視カを保持する例が多いが,高齢になると視力低下が更に進行する例があるようである。

(難病情報センターの治性視神経症の項目を参考にして清澤の経験を加えてその見解を記載しています。患者さんからの質問がありましたので暫定的に掲示しました。)

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