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2013年8月5日

4619 陶淵明の桃源郷を再訪

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昨日の記事で私達が住む日本が、そして殊に長野県や杉並区では平均寿命が今までの世界の歴史上にみられなかった位に長く、あたかも古代中国で陶淵明の描いた桃源郷様な世界であるということを申し上げました。(⇒その記事にリンク)その中でもちょっとご紹介したのですが、陶淵明の描いた桃花源記から桃源郷と言うのはどんなところだったのかを書き下し文だけ借用しで採録してみます。(出典はこちらです)いかがですか?

この陶淵明と言えば、もっとよく知られているのは帰去来の辞。こちらにも惹かれるものがあります。いずれそちらも許可を得てご紹介いたしましょう。

ーー引用開始ー
晉の太元中というから陶淵明の生きていた時代、武陵すなわち陶淵明の住む場所から遠からぬところに、ある漁師が住んでいた。

漁師は渓谷に沿って船を漕ぐうちに方向を見失い、やがて桃の木の林が現れるのを見た。林は両岸数百歩に渡って続き、雑樹がない。葉の色は鮮やかで、落下芬芬と乱れ飛んでいる。漁師は不思議な感に打たれ、船をこぎ続けて林を見極めようとした。すると水源のあたりで林は尽き、山がそびえているところに行き着いた。山には小さな入り口があって、奥から光がもれ出ている。漁師は船を捨てて、入り口から中のほうへと入っていった。

入り口は初めは極めて狭く、わずかに人が通れるほどだったが、数十歩いくと、からりと開けた。眼前に広がった土地は広々としており、こざっぱりした家が並びたっている。良田、美池、桑竹の類があちこちにあり、あぜ道が縦横に通じている。そしてその中を、鶏や犬の鳴き声がのんびりと聞こえてくる。

住人の一人は漁師を見ると大いに驚き、どこから来たのかと聞いた。漁師がそれに応えると、一緒に家に連れて帰り、酒を設け、鶏をつぶしてもてなした。

村中の人々が漁師のことを聞きつけて集まってきた。そしてさまざまなことを問いただした後、自分らのことについても話し出した。

自分らは秦の時代に乱を逃れ、一族郎党を率いてこの地にやってきた。それ以来ここから外へ出たことがなく、外の世界とは断絶して暮らしてきた。今がどんな時代か知らぬという。かつて漢の時代があったことも知らなければ、魏や晉のこともさらさら知ることがない。漁師が聞かせてやると、みな一様に驚く次第であった。

他の住人たちもおのおの漁師を自分の家に招いてご馳走してくれた。かくてとどまること数日にして辞去した。

住人たちは、漁師に向かって、この土地のことは外の世界の人々に語らないほうがよいと忠告し、漁師を送り出した。

漁師は外の世界に舞い戻り、船にたどり着くと、先に来た道に沿ってところどころ徴をつけた。再び来ることを期待してそうしたのである。

郡下に至ると太守に申し出、自分の体験したことを語った。太守は人を遣わして、漁師の足取りを探したが、先に徴をつけたところは見つからず、ついにその道を探し出すことはできなかった。

南陽の劉子驥という人は高尚の人物であったが、この話を聞いて喜び、自分こそがそれを探し出そうとした。しかし願いを成就できないまま病に倒れた。

それ以来、この道を探そうとするものは現れていない。
ーー引用終了ーーーーー

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