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2013年8月5日

4518 民主政体でなぜ独裁?=「ナチス憲法」Q&A:の記事です

麻生副総理のナチスドイツ憲法?に関する発言が国際的な批判を呼んでおりますが、これは単なる舌禍問題とは言えない側面がありそうです。それに関連して、ナチスがなぜ人類普遍の原理に反するような法律を多数作り、あのようなユダヤ人に対する迫害を合法的に行うことが出来たのか?と言うところを、下の時事通信の記事は説明しています。有用な記事だと思いますので下に引用致します。

日本では従来の学校教育においても「軍部」が国を誤った方向に導いた結果、あのような不幸な第二次世界大戦が発生したということにしてきました。また「国民総懺悔」などと言う言葉を使う自虐的な言葉も用いて、「皆でごめんなさいと言う」ことで反省したということにしてもらったのでしょう。

しかし、ドイツでの問題の解釈は違うようです。ナチスは当時の不景気に対する国民の不満を背景にしていたとしても、あたかもユダヤ人の存在がその原因であるかのように国民を欺き、国を乗っ取って国民を誤った道に引きずり込んだ。だから、(総体としての国民自体ではなく)その外にあったならず者集団としての政党としてのナチスにすべての責任があり、そのような極右的な政党の存在をそののちには許し手はならないと考えたのでしょう。

ですから、ドイツ人にとっても、世界のユダヤ人にとっても、悪かったのはドイツ国民ではなくて、ナチスであるということなのでしょう。とすれば、ナチスに好きな様に国内外で無体なことをされたということに対する怒りは今もドイツ人にはあるわけで、あたかもそれがうまくやったという立場での発言はドイツに対する非常なる侮辱に当たるわけです。その意味でも、今回の麻生副総理の発言は非常にまずいといわざるを得ないものであると思います。

別の解釈として、第二次大戦は世界的な大不況に対して、英米仏蘭等の主要な植民地保有国が、当時遅れてやって来た資本主義国であったドイツ、日本、そしてイタリアを犠牲にして屠ることで辻褄を合わせたものだという解釈もあります。一定の日本人はそういう側面もあったかと思わぬでもないのでしょう。しかし、これは未だに世界に広く受け入れられている解釈ではないでしょう。

ーーー記事の引用ーーーーー
民主政体でなぜ独裁?=「ナチス憲法」Q&A
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演説するナチス・ドイツ総統ヒトラー=撮影日・場所不明(EPA=時事)

 -麻生太郎副総理兼財務相のいわゆる「ナチス憲法」発言が物議を醸している。
 ドイツは第1次世界大戦(1914~18年)の敗北に伴って帝政が崩壊し、当時の欧州の中で最も進歩的な民主政体とされるワイマール共和国が成立した。その進んだワイマール憲法下で実施された選挙で、ヒトラー率いるナチス党(国家社会主義ドイツ労働者党)が第一党の座を獲得し、独裁体制へ突き進むわけだが、麻生氏が言うような「ナチス憲法」といったものは存在しなかった。ナチス政権の下でも、ワイマール憲法は形骸化しながらも残っていたのであって、「ナチス憲法」に取って代わられたわけではない。
 -どうしてヒトラーはそんな民主的な憲法の下で、独裁体制を構築できたのだろうか。
 1933年1月のヒトラー内閣成立直後の3月、国会で「全権委任法」が可決された。これは政府に立法権を委ねる法律で、ヒトラーはこれによってワイマール憲法を無視し、大統領の承認や国会の制約も受けずに国を支配することが可能になった。当初は時限立法だったが、更新が繰り返され、ナチス独裁に正当性を与える法的根拠となった。全権委任法は、国会議席の3分の2以上の賛成がなければ成立できない法律だったが、ヒトラーの政治工作によって圧倒的賛成多数で可決された。
 -ナチスはユダヤ人迫害も法律にのっとって実行していったのか。
 その通り。全権委任法成立後、ナチスはユダヤ人迫害のための法律を次々に施行した。同法成立直後の4月には、非アーリア系(ユダヤ人)の公務員らを強制的に退職させる法律も制定された。ユダヤ人の社会権・生存権を否定する立法・政令は枚挙にいとまがないほどだ。反ユダヤ立法の最たるものは35年のニュルンベルク法で、ドイツ人との結婚を禁じるなどユダヤ人からあらゆる権利を剥奪した。
 -全権委任法がヒトラーの暴走を許したわけだね。戦後のドイツはこの教訓をどう生かしているのだろうか。
 ワイマール憲法は実質的に、全権委任法の成立を可能にしていたと同時に、危機に際して国家元首の権限を拡大する緊急命令発布権を認めていた。これらがナチス独裁に道を開いたワイマール憲法の大きな弱点だった。その反省から、戦後のドイツ基本法(憲法)は為政者への全権委任を認めていない。また、改憲は連邦議会の3分の2以上の賛成で可能と規定されているが、基本的人権や三権分立の保障を定めた条文の改正は決して認められていない。(2013/08/02-17:05)

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