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2013年7月12日

4552 脳卒中の予防効果偽装か 京都府立医大の高血圧薬論文 :の記事です

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脳卒中の予防効果偽装か 京都府立医大の高血圧薬論文 :の記事です 今日の医学は事実に基づいた有効性の有無によって決定される(エビデンス ベースト メディシン evidence based medicine)ことになっていて、その基準にされるのが査読を経て発行される学術雑誌(peer reviewed journal)です。査読はその研究者仲間では信頼される研究者が3人ほど選ばれて無償で担当し、「結論がデータに基づいて無理なく導かれているか?」とか、「過去の論文がきちんと読み理解されているか?」なども審査の対象になります。

 しかし、研究の元データは、論文の査読過程でも通常はチェックされることはありません。それであるがゆえに、研究者は正直でありかつ真摯であることが前提であって、著者にとって「データメイキング(データの改竄)」は最も恥ずべき行為であり、通常その発覚は学界からの追放を意味します。

 プロの研究者であれば、共著者の一部が行ったとしても、それを知らなかったでは済まされません。このようなスキャンダルは、当事者ばかりではなく、明らかに今後日本で行われる他のすべての医学研究に対する信頼性を失わせるという重大な結果をも招来します。

 京都府立医大で明らかにされつつあるこのスキャンダルは、製薬会社の社員がその身分を隠して共著者に入っていたというだけではなく、この研究者集団が、製剤を売るという目的のために、他人(世界中の患者)の命を売り渡したと言う最悪の事態を意味していると理解しなくてはなりません。これは小さな問題ではありません。

 コンプライアンスにはうるさいはずの外資系の大製薬会社を舞台にこの事件が起きたというのも不思議です。

ーー記事の囲繞ーーー
脳卒中の予防効果偽装か 京都府立医大の高血圧薬論文
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「不正なデータ操作」のイメージ
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高血圧治療薬の研究をめぐる問題の構図
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会見で、調査結果を発表する京都府立医科大の(左から)伏木信次副学長、吉川敏一学長、福居顕二病院長=11日午後6時38分、京都市上京区、林敏行撮影

 【小宮山亮磨、鍛治信太郎】京都府立医科大は11日、松原弘明元教授(2月に退職)が製薬大手ノバルティスの高血圧治療薬ディオバンの効果を調べた臨床研究の論文について、「データに操作が認められた」とする調査結果を発表した。ほかの薬に比べた脳卒中などを防ぐ効果が、実際より高く見せかけられていた可能性が強まった。

 吉川敏一学長は会見で「申し訳ありませんでした」と頭を下げ、給与を返納することを明らかにした。

 問題の臨床研究は、高血圧の日本人約3千人が対象。ディオバンを飲むと、ほかの高血圧治療薬だけを飲んだ場合に比べて脳卒中や狭心症を防ぐ効果が高いとする論文が2009年、欧州心臓病学会誌に発表された。だが外部からデータに疑義があることを指摘され、同大が今年3月に調査を始めた。

 発表によると、調査委員会が患者のうち223人分のカルテを調査したところ、34人で脳卒中などが起きていないのに発症したとしたり、逆に発症したのに、起きていなかったとしたりする不正操作があった。血圧の数値の追加や修正も223件あった。カルテなどから改めて解析し直すと、ディオバンとほかの薬との間で、効果の差は見られなくなったという。

 研究では販売元のノバルティス日本法人の元社員が統計解析を担当していた。調査委はこの元社員に話を聴こうとノバルティスに協力を求めたが、すでに退職しているとして断られたという。

 京都府立医大は今後、チェック機能を高めるために改組により「臨床研究支援センター」を立ち上げるなどの再発防止策をとる。薬を利用する患者からの問い合わせに応じるため、近く専用相談窓口を設ける。

 ディオバンをめぐっては京都府立医大のほかにも、東京慈恵会医大と滋賀医科大、千葉大、名古屋大が臨床研究を手がけており、心臓や脳、腎臓などを守る効果が高いとする論文が07~12年に発表された。ノバルティスはこれらの結果を宣伝に活用。ディオバンは年間1千億円以上を売り上げる看板商品となっている。

 ただ、いずれも府立医大と同様にデータの不自然さが指摘され、各大学が調査を進めている。

 松原元教授の研究は、ディオバンをめぐる論文以外にも、計14本で画像の改ざんなどの不正があったとする報告書を京都府立医大が4月に公表している。

 厚労省の担当者は「データが操作されたことが強く示唆されたのは非常に遺憾。他の四つの大学からの結果をふまえて再発防止策など対応を検討したい」と話す。文部科学省の担当者は今回の問題の原因解明が進んだ段階で、必要な施策があれば検討するとしている。
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