お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2013年6月25日

4497 片目の猿:(道尾秀介著)を読みました

51dnvet+MUL__SL500_AA300_

今日の「眼」の話題として探したミステリーです。著者の道尾秀介は1975年生まれ。先に此のブログに採録しようとして読みかけて挫折した2004年の『背の眼』で、第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビューしています。現在もミステリ界最注目の作家です。

私立探偵。遠くの話が聞けるという特技のため、業界では有名人。新宿から靖国通り辺りが守備範囲。今はある産業スパイについての仕事をしている。地味だが報酬が破格。楽勝な仕事だったはずが―。とんでもない現場を「目撃」してしまっていた。ーーーー

物語の終幕に向かって、前半で播かれていた話の種が順々に解き明かされてゆきます。

「片眼の猿」というのは「多数が異常であれば、少数の正常者が自らを傷つけて多数に合わせなくてはならぬことが起きる」という様な箴言の様で、出典は今昔物語ですが、実は原典は「眼」ではなくて「鼻」だった模様です。

単語としては出てはきませんが「性同一障害」もキーワードで、子供向けでは有りません。

-ー引用ーー
「片目の猿」もしくは「両目の猿」といわれているお話で、「999 匹の猿が片目、1 匹の猿が両目で、その両目の猿だけが姿が違うため・・・」というような話の出典を知りたい。『沈まぬ太陽』やインターネットでは「今昔物語」のようだが。

回(Answer)
『新日本古典文学大系 別巻[4] 今昔物語集索引』(岩波書店 2001)の「語彙索引」から「片目」「両目」で探したが該当なし。「猿」で探したところ、「今昔物語集 巻五 第二十三」の「舎衛国の鼻欠け猿、帝釈を供養せる語」の話がとても似ていることがわかった(『新日本古典文学大系 33 今昔物語集 1』(岩波書店 1999))。『故事・俗信 ことわざ大辞典』(小学館 1982)の「九十九」(p.358)、「九百」(p.371)の項に「九百九十九匹の鼻欠け猿満足な一匹の猿を笑う」があり、「『今昔物語 五・二十三』に見える故事から」(p.371)との解説がある。『今昔物語集 5』(講談社 1981)で全訳を確認。これを提供。
 
なお、『沈まぬ太陽 4 巻 会長室篇 上』(新潮社 1999)を確認したところ、「私はこの会社においては“片目の猿”の中の異端者のような存在です」(中略)「たしか『今昔物語』ではなかったでしょうか、昔、天竺に、九百九十九匹の片目の猿がいて、一匹だけ両目がありました、その猿は異端視され、あざけられたという話だったと思います。」(p.118)というくだりがあった。
——

Categorised in: 未分類