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2013年6月18日

4477 シャルル・ボネ症候群 再訪

明日の神経眼科勉強会では江本博文先生がシャルル・ボネ症候群の症例を報告してくださるということです。私の医院でも本当に典型的な症状を訴えている患者さんが通ってきてくれているので、眼底写真をつけて症例追加をしようかと考えました。

グーグルでシャルルボネ症候群と引きましたら、幸運にも私が2度目に記載した記事が筆頭で出ておりました

3771 シャルルボネ症候群とは、Charles Bonnet syndromeとは? ⇒リンク これはこれでめでたい

そしてオリバー・サックス: 幻覚が解き明かす人間のマインドと言う動画が秀逸です。その書き下し文が出ていますのでリンクしておきます (⇒リンク) 

さて、私が経験している患者さんは86歳で、両眼に加齢黄斑変性症があり、良い目の眼底に出血した昨年末ころから視力は両眼とも眼前手動弁です。心臓も弱く、全身麻酔は困難そうです。網膜の黄斑下に出血が貯まっていて、硝子体手術の名手に相談してみても血腫除去の手術の適応はないとの返事でした。

この患者さんが言うところに依ると、一人で自宅の居室にいると、多数の緑の軍服を着た小人の兵隊が部屋の中を歩き回るのだそうです。本人はそんなことがあるわけはないと自覚しておりますが、それにしても煩いから時には殴ってやるのだそうです。殴られた兵隊は倒れるのですが、他の兵隊は仲間を助けるでもなく、歩き回り続けているのだそうです。この兵隊が声を出したという話はありません。また、本人のお話ではこの兵隊たちの顔立ちや容姿に関する解説もありません。

さて、私はシャルルボネの発現には正常な第一次視覚領が残っている方が傷付いている症例よりも有利であると考えています。その意味でこの症例は、両眼の眼底や視神経に障害があって、視覚領に対する視覚的な入力が断つれた為に起こる小人が登場するという典型的なシャルルボネ症候群だと思うのですが、いかがなものでしょうか?

通常は後天性の失明者ではPETで脳局所代謝の高まっている部分がどこかを見ると、後頭葉視覚領皮質(V1)の活性は減っている物なのですけれど、果たしてこの症例では視覚連合領での糖代謝が増加しているのでしょうか?

そこで調べてみましたらそんなケースレポートがすでに出ておりました。(⇒リンク
http://neuro.psychiatryonline.org/article.aspx?articleID=181334#F1

シャルルボネ症候群PET
FIGURE 1.18F-FDG-PET of the Brain Revealed Regional Changes of Brain Metabolism in Charles Bonnet Syndrome

脳の18F-FDG PETの結果は、著しい糖代謝減少(図1[B])あるいは増加(図1[C])を示す、グルコース摂取(図1[A])および統計的パラメーターマップの断層写真として表示されている。
特に、後頭葉中央部(一次視覚野(V1– 2、[A]の中の矢および[B])に対応する)にグルコース摂取の局所的減少を示しました。
隣接した視覚的な連想の領域(V4– 5)では、グルコース摂取の局所的増加が検知されました([A] および[C]の中の矢)。

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