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2013年6月16日

4669 大内憲明東北大学医学部長の話を聞いて来ました

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大学の同級生の大内君が昨年度から医学部長に就任し、同窓会関東支部の年次総会に招かれて講演会を開いたので、その話を聞いてきました。私はこの学年の世話人でしたので、講演ではスライド係を務めさせてもらいました。

集まった会員は約50名、このうち同級生は7人でした。総会の後で、東京駅までこの7人で移動し、東京駅で2次会を開いていろいろな生の声も聴くことが出来ました。

既に彼の前任者は次の学年(昭和54年卒業)の人だったので、前の学年(53年卒業)の彼が医学部長に選ばれたのは我々同級生としても多少は幸運だったようです。
これはこの会の講演の印象記です。(内容は数字等を含め修正を指示いただければ喜んで修正をいたします。)

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お話は私たちが卒業したころの東北大学医学部キャンパスの航空写真から始まりました。

私たちが入学する前までの定員は100人、私たちの学年は定員増がなされて120人でした。それが一時減員されて100に戻っていたのですが、東日本大震災その他の要因で現在は135人まで一時的に増員されているのだそうです。

卒業写真のアルバムには全員の集合写真が載っていますが、学費値上げ闘争のあおりで上の昭和46年入学のクラスの大半が私たち47年入学組に合流してきましたので、卒業時にはおよそ200人という歴史上稀な大所帯になっていました。その200人の集合写真は病院の屋上にみんなで集まって、隣の病棟屋上に構えたカメラで撮ったものが載っています。大内君はその卒業写真集を作るのを担当していたのだそうで、その写真のどれがだれなのかを同定するのも大変だったと話していました。古くから、彼はそんなところにもリーダーシップを発揮していたのでしょう。

当時40人程度であった医学部の教授は特任教授も含めると現在は110人もいるのだそうです。

メガバンク構想;
現在、東日本大震災からの復興時期にもあたって、東北大学ではメガバンク構想と言うのが進んでいるそうです。キャンパスの南西部分に大きなビルが建ちます。此処では東北地方の人々の協力を求めて、住民の遺伝子を分離して、その中から疾患遺伝子を明らかにして行こうという試みのようです。但し、この震災に関連した特別予算は年々縮小傾向にあり、それもビルの建設などの直接経費しか負担されないので、周辺整備などのため学長経費は枯渇状態であるとのことでした。

国際交流:
国際交流支援室を設けて、東北大学医学部では国際交流にも力を入れようとしているそうで、東北大学は米国の国立研究所であるNIHとの協力体制を組もうとJSPSなどの協力も得て鋭意努力中であるということでした。

研究費等:
科学研究費は文部科学省関連が約8億、厚生労働省関連が約11億円だそうです。医学部でのこの規模は東大、京大に次ぎ、大阪大学と3位を競う規模なのだとのことでした。この規模ははるかに大所帯である東北大学工学部に匹敵するのだそうです。国立大学の民営化後6年の評価で、東北大学医学部は14項目中一項目(研究の質の向上)がBだった以外の13項目がAであり、各大学の中では抜群のパフォーマンスであったとのことでした。

地域医療への貢献:
関連のTMMOなどの機関では地域医療への貢献を目指していますが、地方に医師を出すと大学の医局に若い医師がいなくなり、研究が進まないといった難しい側面も出てくるとのことでした。

艮陵(ごんりょう)会館のスキルラボ化構想:
老朽化した医学部同窓会館であったごん陵会館を10億円をかけて改修し、臨床や研究のテクニックを指導するスキルラボに改修する工事も行われたそうです。しかしこの維持管理が今後は大変であろうとのことでした。

新しい主力研究:
学内では分子イメージングを進めるナノメディシンと言う計画と、高感度PETイメージング(薬理学の谷内教授担当)研究等も盛んに行われているそうです。

新研修制度と東北大学;
今も昔も、東北大学医学部に入学する人々の約半数弱が東北地方から、そして約半数が関東地方からの入学者なのだそうです。新しい臨床修練の仕組みが大学から切り離された結果、多数の受け入れ枠を持つ首都圏の病院や大学が多くの研修医枠を取ってしまうために、地方では卒業生をその地方にとどめることが出来無くなっているとのことでした。

受け入れ枠の決定には大学卒業者数に基づく計算と、人口に基づく計算式があり、たとえば東京では卒業数に基づく計算式の方が多く、千葉では人口に基づく計算式の方が多くなります。各県が多いほうの値を唱える結果で、現在は全国合計で3割ほど定員の方が実卒業生よりも多く、地方ではそのしわ寄せを受けて医師不足になるという構造であるのだそうです。

またフローティングドクターともいうべき行方不明の医師も増えていて、その実態は大学でも各学会でも把握できない医師が10000人もいるのだそうです。過去の医局による支配も問題ではありましたが、現在の地域による偏在の進行も良くないとの意見でした。

更にこうした医師の大学離れは研究水準やそれを反映する発表論文数の減少に現れてきます。今後の対策としては研修医師数枠を上記計算式の1,3倍から1,1倍程度への削減や、受け入れ病院群としての受け入れ態勢を認めるなどの改変が望ましいとの意見でした。
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本日は久しぶりの同級生との出会いを十分に楽しみました。大内君は週に何回も東京に日帰りで出てきているのだそうです。大変なことも多いでしょうが今後のご発展を期待しております。

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