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2013年6月2日

4440 眼科心身医学とQOL 高木美昭:(医学的に説明困難な諸症状の概説を読みました。

yoshida_equality_img01今日のシンポジウムでも演者を務めておいででした高木美昭先生から「眼科心身医学とQOL」という論文の別刷りをいただきました。(図はネットに有った奈良県吉田病院の旧館です)
ーーー神経眼科28:20-29、2011ーーー
医学的に説明困難な身体症状をmedically unexplained symptomesと呼び、このMUSを呈する患者がプライマリーケア医を受診する割合は外来患者の約30%と報告されている。MUSとは「何らかの身体疾患が存在するような症状が認められるのに、適切な診察や検査を行ってもその原因となる疾患が見いだせない病像。」

MUSに含まれる状態
1)未知の疾患である。
2)医師の能力不足。
3)詐病・虚偽性障害。
4)そして、身体表現性障害

本稿では心身医学的側面の強い眼瞼けいれんと身体表現性障害を概説している

I、眼瞼けいれん

1、眼瞼けいれんとは:その64%がドライアイの診断基準に合うから医師がそれを知らないと、正しくは診断できない

2、診断と治療:本態性、薬剤性、そしてパーキンソン病による症候性のものが含まれる。向精神薬を内服している患者の62,7%に眼瞼けいれんが発症している。抗不安薬が特に眼瞼けいれんを誘発しやすい。若倉の質問表と、随時瞬目テストがその検出に有用で、そうであればボトックスは70-90%に有用なはず。

II.身体表現性障害
1、身体表現性障害について:MUSから精神疾患と詐病を除外してゆくと最後に残るのが身体表現性障害。その特徴は、①身体的愁訴は既知の一般身体疾患、薬物作用、これ以外の精神疾患としては説明不能。②臨床的な苦痛、社会的ないし職業的その他の機能障害を引き起こしている。③心理的要因が重要な役割を占める。④身体症状は意図的なものではない。

2、眼科における身体表現性障害とは:
若倉は2年間の外来でに身体表現性障害例が38例診たとしており、少ない物ではない。抗うつ薬の選択的セロトニン再取り込阻害薬SSRIやセロトニンノルアドレナリン再取り込阻害薬SNRIは眼科から処方しても有効なものである。原因不明の疼痛の多くが身体表現性障害の中でも疼痛性障害であったという。
器質的疾患が見つけられない眼症状の診療手順として気賀沢はまずうつ病を疑い、次に身体表現性障害を疑うという。若倉も、まず投薬して無効例だけを精神科に紹介としている。初めから精神科に行けという紹介の仕方は患者に拒否されることも多く、多少ためしてみたが効きが弱いから、この先はと言う方が患者の精神科受診の同意も得やすいだろう。

III精神疾患患者に対する眼科診療の経験
統合失調症の白内障手術は局麻で可能。認知症患者にはしばしば全身麻酔が必要。
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清澤のコメント:
帰路のフロアでの若倉先生と高木先生との立ち話では、
薬剤性眼瞼けいれんに対しては
1)睡眠薬にはデパスをドリエル等に変えることで、また
2)ベンゾジアゼピン系向精神薬をSSRIやSNRIに切換えることも有用との若倉先生からのコメントをいただきました。

果たしてその学術的裏付けはと問われると困りますが、代替案を示さずに精神科の投薬の減量だけを眼瞼けいれんを治療する眼科医が要求するよりは、代案を提案すると精神科医や内科医も対応してくれやすいかもしれません。

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