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2013年3月13日

4160 多発性硬化症の診断におけるMRI上でのプラークの重要性

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多発硬化症(MS:multiple sclerosis) は、脳内の神経線維を包むグリアがT白血球の攻撃で脱落する疾患です。眼科では視神経炎(その症状は視野中心暗点であり視力低下を伴う)や眼筋麻痺(その症状が複視)を起こすことで関連の深い疾患です。そのMRI画像は、MSの診断において重要な役割を担っていますので今日は特にその説明をします。

多発硬化症の診断に対するMRI(核磁気共鳴画像)の特異性は低いものの、感度は90%以上と大変高く、多発硬化症の典型的かつ特徴的なMRI画像の理解は、多発硬化症の診断にとても重要です。
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多発硬化症の脱髄病巣は、通常は側脳室の体部と三角部に近接した脳室周囲の白質に存在することを特徴とします。側脳室周囲の脱髄巣は特徴的には脳室表面に長軸が垂直な卵形を示しますし、慢性の脳室周囲の脱髄巣はしばしば融合しています。(ですから脳の画像にそれが写っていたら、放射線科医は眼科医に対して患者を神経内科に時期を移さず迅速に紹介することを勧めます。)

また、脳幹、小脳半球、中小脳脚などにも脱髄巣は出現します。その病巣は辺縁が明瞭な場合が多いです。

急性期、慢性期いずれの場合もT2強調画像において高信号を呈し、慢性期にも持続するT1強調画像での高度な低信号病変は、より組織損傷が高度であることを示します。

しかし、多発硬化症による急性の病変は、ガドリニウムによる増強効果を示し、それは多発硬化症が再発して急性病変を持っていることを意味します。

さらに多発硬化症では、比較的特異的な病変として、「皮質下U-fiberの病変」及び、「脳梁病変」が見られ、特に皮質下病変の存在はMcDonaldの診断基準でも重要性が強調されていますから、画像診断専門家はそのような病変を探してレポートには書き加えるでしょう。(脊髄病変の特徴も重要なのですが、眼科には関連が乏しいので省略します。)

追記:単一病変:多発硬化症では時にTumefactive MS lesionと呼ばれる単一の巨大な病変が認められ、腫瘍、感染性の疾患との鑑別が問題となる場合があります。(Jpn J Ophthalmol. 2004 Nov-Dec;48(6):591-3. A case of multiple sclerosis with homonymous hemianopia examined by positron emission tomography. Murai H, Kiyosawa M, Suzuki Y, Mizoguchi S, Ishii K, Ishikawa K, Akashi T.これは私たちが出したこのような例の症例報告)

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