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2013年3月11日

4155 「目にかかるカネとリスク」 『週刊ダイヤモンド』 3/16号

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『週刊ダイヤモンド』 3/16号の特集は「目にかかるカネとリスク」ということです。例によって記事を読むのと、ネット記事とでは重心の置き方が大分違うのですけれど、Part 1が白内障老眼、Part 2は近視 老眼 レーシックに騙されない、そしてPart 3は緑内障 目の病気となっています。
いろいろとコメントやクレームを述べたいところは多いのですが、まずはネット記事にしたがってその問題ポイントを拾ってみましょう。このネット記事はレーシックと品川近視クリニックを中心に述べています。
(本文では安売り眼鏡店の絡繰りを解説した部分が秀逸でした。)

──ネット記事は「目にかかるカネとリスク」特集の読みどころを解説しています───

■近視・老眼市場に異変あり
 この10余年、近視矯正の世界は大きな変化を遂げた。それまで裸眼で十分に見えない人たちの選択肢はメガネかコンタクトレンズだった。そこに裸眼視力を矯正するレーシックが登場した。レーシックの技術進歩と並行して、手術を行う医療機関が急増した。急速な普及はゆがみを生んだ。

清澤のコメント:上記の説明自体が「あなたは眼鏡?、コンタクト?、レーシック?」というS近視クリニックの宣伝フレーズに嵌っています。「ほかの矯正法で満足できる矯正ができないもの」だけが危険を伴う手術に含まれる「レーシックの適応」だったはずで、「レーシックと従来の方法とを対等に並べて、どちらにしますか?と医師が聞ける」様なものではないと私は今でも思います。不可逆なレーシック後の合併症に苦しむ多くの人々を作ってしまった人たちは、現在の自分らの責任をどう捉えているのでしょうか?

○レーシック手術数は激減している。2008年の約45万件をピークに、12年は約20万件と半減した。減少要因は、若い層に安値で手術をしまくって需要を食い尽くした、08年のリーマンショックで目にカネをかけるマインドが冷え込んだ、など複数あるが、最大の要因はイメージの悪化にあるというのが業界関係者の共通認識だ。

○業界関係者らは「商業主義の横行による信頼低下」も原因に挙げる。06年ごろから美容クリニックが参入して手術数は一気に増加。顧客獲得競争が激化し、彼らは術後の視力を競い合うようになった。その結果、視力2.0という遠くばかりが見える過矯正の人が増えた。過矯正をすると近くが見えにくくなり、ドライアイや頭痛の原因となる。術後フォローの不十分な医療機関がこうした患者をたらい回しにし、「レーシック難民」という不名誉な言葉が誕生した。

清澤のコメント:一歩下がってレーシックの適応を患者が慎重に考えるようになったのは大慶至極。レーシックを保険診療の外に追いやり、まともな診療所ではその装置を維持できない状況を作ったのは眼科学会の大罪。まさに「日本の視力矯正はガラパゴス化」したのでしょう。真面目な診療所や諸大学が施術数数百の辺りをさまようのを尻目に、数少ない大手の商業集団は1万を超す手術数を集めているという姿はいかにも異様です。
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■荒稼ぎする品川近視に眼科医界の冷たい視線

 美容クリニックグループであり、手術数トップを誇る品川近視クリニックは同業者らに「商業主義の権化」とやゆされる。客を奪われたねたみはあろうが、確かに品川近視のやり口は「医療」ではなく「ビジネス」だ

 品川近視は現在、「アベリーノ角膜変性症DNA検査」をレーシック手術希望者に勧めている。アベリーノ角膜変性症は角膜が混濁してしまう遺伝病で、レーシックを行うと病気の進行を促進する。

 それを理由に原則全員に事前に検査を行い、検査料1万円を取る。レーシック手術を行えば検査は無料になるが、キャンセルすれば、1万円は戻らない。結果的に、検査代が患者を逃がさないための手付金代わりになっている。

清澤のコメント:
 昔は地方から東京への交通費を出すとか、奇妙な話もありました。アベリノ角膜変性症の遺伝子診断をレーシックの身代金に使うなどという手が存在するとは今まで気が付きませんでした。それを公にしたのはこの記事の功績です。もちろん事実であれば、言語道断。保険外診療であっても倫理的に問題ありかと?愚考します。
 従来私たち眼科医は、自分たちが国民健康保険に守られてきたこともあって、多焦点眼内レンズなどの保険外オプション物に対して、色眼鏡で見てきたかと思います。そのような部分で法外な利益を生ませぬためには妥当な価格での保険診療に組み入れてしまうべきだったのかもしれません。
また、本当に良いものであれば、保険適用外で40-50万と高くても多焦点眼内レンズの様なものを選択する人々が多くなってきていることを忘れるべきではないのかと思います。公的な病院ではそのオプションを持たないとすれば、それを提供できる私的な診療施設も自分の紹介先のリストに入れておくべきだということになります。
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