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2013年3月2日

4119 第6回TMD(東京医科歯科大学)眼科フォーラム聴講記

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第6回TMD(東京医科歯科大学)眼科フォーラムを聴いてきました。

講演1、ブドウ膜炎に対する白内障手術 岩崎優子
 ブドウ膜炎では3-6か月の消炎期間ののちに白内障手術が行われるが、術後のフィブリンの析出や、虹彩癒着などの合併症が起きやすい。そのような合併症の起きやすい条件を調べた。対象は85眼でフレア値の高いケースは術後炎症も強いというお話であったと思います。今日の招待演者の宮田先生からは術者による影響が大きかろうという意見があり、永本先生からは術後のステロイド結膜下注射をする比率が彼が考えるよりは少ないという指摘がありました。

講演2、「強度近視眼に対する白内障手術後の屈折誤差に関わる因子の検討」横井多恵
眼軸の長い患者での白内障術後の予測値と実現値のエラーの話で、眼軸の長い症例では屈折誤差が±1D以下に収まる確率、平均誤差、そして絶対値の平均も悪いという話でした。IOLマスターが用いられるようになって、眼軸測定の誤差は減ったが、僅かなプラスの眼内レンズと更にマイナスまで行ったレンズを入れる際には、レンズ固有のK値の予測値が大きく不連続に変わるので注意というお話でした。実際にレンズを選ぶ方は原典に当たってみてください。
Evaluation of refractive error after cataract surgery in highly myopic eyes. Yokoi T, Moriyama M, Hayashi K, Shimada N, Ohno-Matsui K.Int Ophthalmol. 2013 Jan 12. [Epub ahead of print] ⇒リンク

特別講演1「難治例白内障手術ー私の攻略法」永本敏行(杏林大学教授)
手術は科学であって、気分で対応を選んではいけないという前置きの後でまずはIMS(infusion misdirection syndrome)という概念のお話でした。インフュージョンが後房(バーガー腔または硝子体内の空隙)に回って、皮質の吸引中に後房圧が上がり前房が無くなってしまう現象です。前部硝子体膜がなかったりチン氏帯後部が弱い人で起きます。起きたら、対応としてはまず眼底を見て脈絡膜剥離や網膜下出血(駆出性出血)を除外し、潅流圧は上げるのではなくてむしろ下げよとのこと。脈絡膜剥離なら数時間で消えるはずだとのこと。
小瞳孔症例での虹彩後癒着の扱い方と瞳孔膜除去、虹彩の切り広げ方などは毎日手術をする先生には参考になったことでしょう。永本先生はやってないが、BSS1mlに新しい点眼瓶からミドリンPを2滴とったものを加えて前房に入れるという究極の散瞳法(⇒宮田病院の原著にリンク)も紹介。
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 そして、チン氏帯脆弱例の対処法。水晶体嚢拡張リング(CTR:capsular tension ring)やさらにはそれを逢着するリングの紹介もありました。

特別講演2「角膜内皮障害の原因と遅漏」宮田和典 (宮田眼科院長)
「診療」から「問題点」を探し、「データを採取」して「エビデンス」を見つける。それを学会発表などしているそうで、常に20-30の研究プロジェクトを動かしているそうです。
 角膜内皮密度2000以下でバリア機能は弱まるが代償している、1000(750)ではバリアがリークし代償できず角膜は厚くなる。500では一気に水泡性角膜症になる。それをグレード0(2000),1(1000-2000),2(500-1000),3(500未満)、4(それ以下)とする。調べてみるとその半数以上は白内障術後、角膜移植後、レーザー虹彩切除後などの医原性である。これを宮田式に0(浮腫なし),1(浮腫少し),2(実質混濁少々)、3(不可逆性変化)
内科的治療:軽いのには高張性食塩水、ステロイド(ベータメサゾン)点眼、クロスリンキング(リポフラビンをつけて紫外線を当てる角膜強化法)、ロックインヒビター
外科的療法:DESAEK(内皮移植)、全層角膜移植、そして人工角膜がある。角膜移植での失明原因は緑内障である。角膜に変形をきたすから禅僧角膜移植はDESAEKに劣る。角膜に混濁があるなら、PKPだが、それでも救えないグレード2-3のものに人工角膜が使える。OOKP、アルファコアそれからボストンKproという物がある。
imagesCAWZBHOQとくにボストンKproは角膜移植片を作り、中心に角膜を貫く光学部を入れ、裏側で支え板とリングでしっかりと挟み込む。そうして準備したグラフトを禅僧角膜移植の様に埋め込む。他の治療が奏功しない数例に行ったが、これは成績が良いという話でした。

ご参考までに、これは私がユーチューブで拾った動画ですが。
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清澤のコメント:6回行われたTMD眼科フォーラムは今回で一応終了。世話人会も本日で解散となりました。世話人としての最後の閉会の挨拶を情報交換会でさせていただきました。望月先生と千寿製薬さまに感謝いたします。

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