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2012年12月8日

3873 「日本のメタボ検診 男より女の基準値大きく海外から笑われる」という記事です

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図出典)「日本のメタボ検診 男より女の基準値大きく海外から笑われる」という記事がニューズポストセブンに出ています。

体に何らかの不具合を感じたら受診するのは当たり前ですが、何も不具合を感じていない人を健康診断という名目で調べてその9割以上を異常とするというシステムには問題があるのかもしれません。まして、否定的に健康増進の役にも立ってはいないという論文が実際にあるのだといわれますと?

この記事は「健康診断好きの日本人」を揶揄したものなのですが、これに限らず先日は乳がん検診は進行期の乳がんを減らしてはいないという記事も見ました。私はそこまで健康診断に対して懐疑的ではないのですけれど、エビデンスに基づいた医学を本当に突き詰めてゆくと、今まで常識と思っていたことが単なる迷信であったということもあるのでしょう。全く自覚症状のない人を調べて、ほぼ93%の人に何らかの警告を与えるということになってしまっている現在の健康診断は市民の健康を守る役割を果たせてはいないという批判の対象に本当はなりうるのかもしれません。

眼科検診では古くから検診の項目として眼底検査が行われていて、糖尿病をスクリーニングする眼底出血のほかに、緑内障疑いを意味する視神経乳頭陥凹拡大という診断が定番なのですが、その有用性などについての研究も今後おこなわれるべきなのかもしれません。その際にまず問われるのは視神経乳頭陥凹と指摘された人の何割が本当に治療を必要とするほどの緑内障であったのか?ということでしょう。そしてその次の命題は、そうして全く自覚のない緑内障を指摘できた場合に、治療に対するアドヘアランス(実際に治療を続けてくれるかどうかということ)も含めて、果たしてその人の視力や視野の以後の劣化を検診を受けなかった場合に比べて全体として統計的に有意なほどに変え得るのか?ということなのでしょう。

いずれにしても、本人に視力低下とか、視野変化とか、映像の歪みとか、疼痛とかといった自覚のある異常を感じたならば、早急に診察を受けてその原因を考えるべきだというのはもちろん真実でしょう。

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日本のメタボ検診 男より女の基準値大きく海外から笑われる 2012.12.06 07:00

 10月中旬、健康診断好きの日本人にとっては衝撃的な内容のレポートが、デンマークで公表された。

〈一般健康診断は(病気の)罹患率と死亡率のいずれの低下にもつながっていない。それは心血管疾患やがんによるものをはじめすべての病気についても同様だった〉
〈一般健康診断が有益である可能性は低い〉

 こう結論付けたのは、医学研究の信頼性を検証する国際研究グループのノルディックコクランセンターだ。

 研究班はアメリカとヨーロッパで行なわれた14件の臨床実験のデータベースを用い、18万人以上の成人の情報を分析。健診を受けた成人群と、受けなかった成人群を平均9年間追跡してその違いを調べた。

 そのうち9件の臨床試験によると、両群において全体の死亡率及び、心臓病、脳卒中、がんによる死亡率に違いはなかったという。

 調査を行なったラッセ・クログスボール医師は、調査結果についてこう述べている。

「健診によって病気の罹患率や死亡率は減少しなかった。多くの人は自分の体を車と同じように考え、車検のように体も定期検査すべきだと考えているが、生物学はそれほど単純ではない」

 健診が抱える大きな問題のひとつが、各検査項目で設定されている「基準値」である。この値は非常にあいまいなものだと多くの医師が声を揃える。

 東海大学医学部名誉教授の大櫛陽一氏がいう。

「ほとんどの健診や人間ドックにおいて、日本の基準値は年齢はおろか性別でさえも分けていない項目が大半です。20歳の活力に満ちた男性と80歳のおばあさんが同じ基準で判断されるのはどうでしょうか。

 また、科学的な根拠のない基準値を設定している検査項目が多い。それは、各分野の臨床学会が患者数を水増しするために厳しい基準を作っているからです。そのため、健診受診者のほとんどが異常とされる項目もある。特に、メタボ関連の基準値であるウエストや血圧、脂質などは欧米に比べて極端に狭い基準値を使っているので問題です」

 こんなデータがある。日本人間ドック学会が今年8月、昨年に人間ドックを受診した全国の約313万人について、「異常なし」とされた人の割合が過去最低の7.8%だったと発表した。メタボ関連の項目一つで「正常者が50%」になり、複数の項目を調べることで、健康な人の9割以上が何らかの異常と指摘される状況になっている。これには同学会さえも「生活習慣病に関する項目の判定基準が厳しくなっている」と頭を抱えたほどだ。

 では、具体的にどの基準値がどうおかしいのか。

【ウエスト】
 男性は85センチ未満、女性は90センチ未満が厚労省の定める基準値で、男性が女性よりも厳しい数値になっている。アメリカでは男性が102センチ未満、女性は89センチ未満と男性の基準値のほうが大きい。なぜ、日本はアベコベな値になっているのか。

 医学博士で新渡戸文化短期大学学長の中原英臣氏が指摘する。

「ウエストの測定法に問題があるんです。日本ではへその位置でウエストを測るが、国際的には肋骨の下と骨盤の上の間の骨のないところで測定するのが普通。男性はこの位置でもへそでも変わりありませんが、女性はへその位置で測ると骨盤が含まれてしまうため、男性よりも大きな基準値となっているのです。骨盤を入れたら内臓脂肪なんて測れるわけがなく、海外の研究者から笑われています。早く変えるべきです」

【血圧】
 上(収縮期)は130未満、下(拡張期)は85未満というのが厚労省がメタボ検診で示す基準値だ。大櫛氏がいう。

「今から20年ほど前まで、40歳以上を対象とした住民健診では収縮期180未満、拡張期100未満が治療の対象外でした。それが年々厳しくなり、メタボ健診では130/85以上が異常とされたのです。

 そもそも加齢に伴い血圧が徐々に上がっていくことは自然なこと。ですが、こんな基準があるから医師が降圧剤を乱用する。高血圧は脳卒中のリスクを増やすといわれていますが、そのリスクは高血圧自体ではなく、降圧剤の副作用という研究もあるのです」

※週刊ポスト2012年11月30日号⇒出典にリンク
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