お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2012年12月5日

3862 胃がんの治療薬ティーエスワン(TS1)が副作用で流涙を起こすという話

P1000221流涙の話が出た所で、胃がんの治療薬ティーエスワン(TS1)が副作用で流涙を起こすという話を記載しておきましょう。
ーーーーーー
ティーエスワンによる流涙は投与開始後4週目前後から発現しています。軽度の例ではティーエスワン投与中止により軽快していますが、涙道狭窄の見られる症例では眼科的処置が必要です。そのため流涙が持続する場合には涙道が狭窄や閉塞していることも考えられることから、眼科医に相談し、適切な処置を行ってください。

発現率: 承認時までの臨床試験、使用成績調査および市販後臨床試験における流涙の発現率は下表のとおりでした。市販後臨床試験(胃癌:SPIRITS)での流涙発現例50例中、グレード3は1例、グレード2は3例であり、他は全例グレード1でした(NCI-CTC ver2.0)。

副作用 承認時までの臨床試験 使用成績調査(単独投与+併用投与) 市販後臨床試験(胃癌:SPIRITS)

発現時期 :胃癌の使用成績調査で流涙の発現した19例の発現時期は4週辺りにピークが有ります。一方、後期臨床第II相試験における初発日までの中央値は、69日(16-139日)(n=19例)でした。

発現機序 :涙液中に移行したフルオロウラシルは角膜上皮、結膜、涙管など増殖の盛んな組織でDNA合成を阻害し、炎症や角結膜への刺激による涙液分泌の亢進あるいは低下を誘発する可能性が考えられます。また、炎症が涙液の排泄経路に波及した場合、涙管の狭窄あるいは閉塞とそれに伴う流涙を誘発する可能性が考えられます。ティーエスワンについても、涙小管、鼻涙管狭窄あるいは閉塞、それに伴う流涙をみとめた報告があり、フルオロウラシルの核酸合成阻害に基づく角膜および結膜上皮の障害とこれに伴う二次的な炎症反応の結果であると推定されます。

処置 :ティーエスワン投与の休薬・中止を検討し、必要に応じて眼科医に紹介します。眼科的処置としては、涙道障害を認めない症例では、ティーエスワンの休薬、場合により涙道ブジーなどの低侵襲治療を行います。一方、総涙小管狭窄や閉塞、涙点狭窄や閉塞などの涙道障害が認められた症例では、ティーエスワンを中止するとともにシリコンチューブ留置術などの眼科的手術が行われます

転帰 :胃癌の使用成績調査における転帰は、回復・軽快が73.7%(14例)、未回復は26.3%(5例)でしたが、未回復症例5例のうち4例は投与継続中の症例でした。後期臨床第II相試験における最高グレード発現から消失までの日数の中央値は26.5日(10-203日)(n=12例)でした。

対策 :ティーエスワン投与中は流涙などの自覚症状について来院時に十分問診していただき、流涙が持続する場合には涙道が狭窄や閉塞していることも考えられることから、眼科医へ紹介してください。
ーーーーーーー
ティーエスワンのページを参考にした記載です。

Categorised in: 未分類