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2012年11月25日

3831 当時の光琳の紅白梅図屏風は今とはこんなに違うイメージだったのですと

今日の眼のニュースを探していましたら、人間よりも「科学の目」? 「若きモナリザ」の真贋めぐり美術界で脚光(産経新聞) (出典) 2012.11.23 18:01 という記事がありました。

この記事はレオナルドダビンチが有名なルーブルのモナリザと同じモデル「リザ・デル・ジョコンド」をその10年ほど前に描いた真筆の絵が存在するということを「科学的に証明した」という側と、それに反対する側との間の論争を生んでいるという記事でした。

その物語もそれなりに面白いのですが、その記事の中には、現在では作品の真贋鑑定や作者特定を行う際には、芸術的な様式分析や、所有者の来歴、文献の調査といった従来の手法に加え、科学調査が「絶対不可欠になっている」(宮下氏)という記載があります。

そして、国内でも、美術史学への科学の貢献は著しいものになってきているという例として、昨年末には江戸時代の画家、尾形光琳(1658~1716年)の代表作で、国宝に指定されている「紅白梅図屏風(こうはくばいずびょうぶ)」(MOA美術館蔵)をエックス線回折法で調べた結果、中央の流水部分には銀が用いられていたことが判明。現在の状態とは全く違う、制作当時の華やかな姿がコンピューターグラフィックスで再現されたという事例が報告されていました。

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この2枚の絵がそれで、制作当時のこの作品(上の映像)が現在われわれが肉眼で見るもの(下の映像)とは随分違ったものであり、斬新な意匠を前面に打ち出した作品であったことが紹介されていました。銀を使って波が描かれていることはわかってはおりましたが、このような色彩の変化は多くの古美術品には隠されていることでしょう。

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色の事についてちょっと講釈をしてみます。色というものを考える時、我々はつい誰もが同じ色を見ていると思ってしまいがちですが、それは真実ではありません。色彩はあらゆるスペクトルの混じた照射光(白色光、太陽光)が対象物にあたって、対象物から特定の色(特定の周波数)を持った色光が反射され、さらにそれが(観察する個人によって配合の異なる可能性の少なくない)網膜上の視物質に化学反応を起こすことを思い出さねばなりません。さらに人間の脳では周りの色との対比などからも観察者は知らず知らずにそれらしき色を脳の中で対象物に勝手につけてゆきますから、たとえば犯人の防止の色など見たものの色というものは、それほど信頼性のあるものではないようです。

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