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2012年11月23日

3822 デユアン1型はなぜ左に多いのでしょうか?

ディユアン1型はなぜ左に多いのでしょうか?という難しい質問をいただきました。

 次の文がその質問への当ブログ子のお答えです。そして最後が追信です。

ーーー質問と答えーーーー
質問:講師の可児先生(滋賀医科大学眼科2代教授の可児一孝先生の事でしょうか?)から清澤先生のサイトを教えて戴いてからいつも勉強させて戴いております。

Duane症候群では左眼が60-70%というのが気になっていろいろ調べているのですが。それについての情報が全く見つからなくてモヤモヤしています。

例えば、上眼瞼挙筋の神経核が右脳優位かもしれないと言う文献をみたのですが、Duaneでも大脳由来で左眼発症が多いと考えるのは間違えているのでしょうか?
なにも根拠はないのですが…

お答え:人間の体は左右対称的である部分も見られますが、心臓が左側にあって、大動脈が右から左に回るように左右が対称でない部分も多々見られます。そのような構造の左右を決める遺伝子もわかっているようですし、稀にはその関連で心臓が右にある(内臓逆位)人もいます。そもそも3次元の構造では鏡に映したような異性体が常に存在します。読んでみれば確かにアディー症候群には左眼が多いという統計的な記載がありますが、それは単に事実として記憶するにとどめたほうが無難と思います。

それは、脳の何々が右優位だからと説明らしきことを述べてもその責任を次に回すだけですし、明らかな理由はそう簡単には今後も示せないだろうと思います。そもそも、アディーは脳幹(動眼神経と外転神経核のレベル)の発生異常の問題であって、大脳皮質運動野(前頭葉)とは同じ脳でも階層が大分違いますよね。

2012-11-22 22:28:00 返信編集
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追伸:
これを機会にもう少しデユアン症候群の発生原因を考えてみました。
上眼瞼挙筋の運動核は左右の動眼神経核の背側で正中部に一つだけあります。それに対する大脳皮質運動野(前頭葉の後ろ下の端あたりにあると推測される)の支配が右脳からの支配のほう優位であるという話し(その真偽は知りませんが)に質問者は関連づけてデュアン症候群の発生を考えようとされたのでしょうか。

 ここからはたぶん、私の勝手な想像ですが、デュアン症候群1型ではまず最初には何らかの原因で片側の外転神経核の発生(当然外転神経も欠如するでしょう)が弱く、それに誘発されて内直筋に入るべき神経線維に一部がミスディレクションする形で同側の(必要な運動性の神経支配が得られなかった)外直筋にも侵入してしまったと考えると理解しやすいと思っていました。

 確か、誰かが外転神経核の欠如した脳幹の病理標本を示していたような気がします。それとは別にその昔、国際神経眼科学会に若い日本人の出したポスターの前で、だれか大家の先生(それはもしかするとホイト先生だったのか?)が、デュアンに外転神経核がないのにはそういう意味がある写真なのだとその写真のあるポスターを絶賛しているのに出会った覚えがうろ覚えですがあります。

 だとしますと、片側の外転神経核の発生が弱くなる理由に左右差があるのかとか?と考えればよいことになりますね。

 脳幹内で外転神経の幹は顔面神経核の周りをまわってからもう一度背側に戻って、脳幹の後方に出ていますが、顔面神経の発生異常であるメビウス症候群(通常は両側)も左に多いのか?などを調べて見てもよいのかもしれませんね。
 

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