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2012年10月9日

3700 「OCTを利用した病態解析と治療法開発への応用」(阿部俊明先生)を聞きました。

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今日は仙台で東北大学眼科の同窓会。阿部俊明教授の「OCTを利用した病態解析と治療法開発への応用」と言う講演を聞いてきました。仙台では今回ジーンバンクの教授に布施先生が就任されたので、中澤主任教授と合わせて眼科は3人の教授陣です。

さて、新人の発表は5人とも英語での発表。一年生でもやれと言えば英語での発表をさせることはできるのですね。中澤新教授の熱意が感じられました。

さて阿部先生のご発表です。話題は黄斑円孔、マックテルMacular telangiectasia 、脊髄小脳変性、choroidal excavation,網膜の白点です。(この聴講記。内容を自分の復習になぞってみます。)

網膜のOCTでは黄斑部が最も見やすい場所です。細胞の多所が青く、線維と色素上皮が赤く見えます。ポイントは、ミューラーと細胞体が接する外境界膜、内節と外節の境目IS/OSライン、コーン外節の尖端が少し短くてCOSTライン、そして色素上皮を先ずは確認します。

今日のお話は、先ず次の5疾患。

1、黄斑円孔:視力の良否にはCOSTラインの正否かが効くらしい。類のう胞黄斑浮腫CMEはなくても視力が出ないことがある。マクラマイクロホールと言う黄斑の微小な穴の紹介。

2、マックテル(MacTel; Macular telangiectasia )。3タイプあるが、小さいアノイリスムを多数持つタイプ1、パラフォベアにちょっとした空隙が出るタイプ2、このタイプではミューラー細胞が変性しているそうです。

3、脊髄小脳変性症:一リットルの涙で終演女優(後にはヘルタースケルターにも出たが)を有名にした疾患。これらはCAGリピート延長病として纏められる。

①ミオトニックジストロフィー

②DRPLA(歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症)

③SCA7:視力が冒される小脳変性はこのSCA7で、コーンからロッドに来るcone-rodタイプのジストロフィー

④SCA1:角膜内皮密度も低く、網膜では視神経委縮があるように見えるが、実は網膜外装まで含めた黄斑の変性で有るらしい。

4、Choroidal excavation:何時脈絡膜が薄くなったのかは分からないが一般に視力は良いと。しかし、予後は必ずしも良くはない。これに対してドームシェイプトマクラ(dome shaped macula)という言葉があり、これは強膜の肥厚で有るらしい。

5、網膜中の白点:これには白点とドリューゼンがある。網膜色素変性に見られるもの、先天性定在性夜盲に見られるもの、自覚症状のない物などがある。

Retinitis punctata albescensなどでは白点の発生に関連する遺伝子があり、そのほとんどはレチナールの代謝に関連し、白斑葉色素上皮に発言する物が多い。たとえば、チロシンキナーぜ受容体をコードする遺伝子の異常などが知られている。

一方、ドリューゼンは色素上皮の下に溜り、其の溜ったものが障害を引き起こす。
Reticular pseudo drusenはその一つで、今の視力がよくてもその分布に依っては将来の視力低下につながる。網膜のドリューゼンは加齢黄斑変性に多く視力低下につながる。

この後、オメガ3脂肪酸が網膜障害を起こす活性酸素を抑えると言う話に展開。網膜色素変性を直すことはできないが、ビタミンAと合わせて投与し、其の視力低下を遅らせることはできると言うお話もありました。

最後はドラッグデリバリーシステムDDSのお話で、DDSの3大テクノロジーは徐放性のコントロール、ターゲッティング、そしてバリアを通過させる技術だと言う事で、TEGとPEGを合わせて、一方向に徐々に薬剤を放出するセルを作れば、強膜上にそれを措いて眼内に向けた薬剤の放出を狙う事が出来ると言うお話もありました。

清澤のコメント:
まあ、私にも此処まで話についてゆくことが出来て、今日も先ずは満足でした。
後で会食事にフロアで伺ったのは、以前ERGに変化が出る事を彼が見つけた脊髄小脳変性は何型で有ったのか?(答え:SCD1)、そして其の機序(グルタメートやグルコース代謝などを介すのだろうがまだ未確定とのことでした)。
Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. February 1992 vol. 33 no. 2 447-452
Partially deficient glutamate dehydrogenase activity and attenuated oscillatory potentials in patients with spinocerebellar degeneration.
T Abe, S Ishiguro, H Saito, M Kiyosawa and M Tamai Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. February 1992 vol. 33 no. 2 447-452

今後の阿部教授の一層の研究の発展を楽しみに東京に戻ってきました。

今朝8日午前7時18分ごろ、東北新幹線の宇都宮駅で那須塩原駅発東京行きの「なすの262号」が駅を発車直後に加速できなくなるトラブルが発生しました。東北新幹線は2時間程度の遅れがあり、予定した指定席は使えませんでしたが何とか往復とも座って行ってくる事が出来ました。

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