お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2012年9月26日

3661 緑内障と脳 (Glaucoma and the Brain)

Picture_14
Glaucoma and the Brainと言う緑内障と言う英文雑誌に載った記事の紹介です。これは、私たち神経眼科医が緑内障に対して持っている見解を代弁してくれているものであると思いますので紹介させてください。
図は別の論文に載っていたディフュージョン・テンソルイメージ)

現在、私たち東京医科歯科大学神経眼科研究班はこの様な考えに基づいて、緑内障患者における視野と視放線の神経線維の量が相関すると言う論文をJJOに投稿中です。一刻も早くこの論文が日の目を見ることを期待しています。その先では後頭葉の糖代謝もそれらに相関すると言う話を検証しています。
ーーーーーー
eye-brain%20illustration
緑内障と脳
Glaucoma and the Brain
 
 研究者たちは今、緑内障を単に眼の病気ではなく、神経変性疾患としての脳の疾病として見ています。最近の研究では、目と脳の間の複雑な接続がその病気の重要な鍵であることが示されています。緑内障は、アルツハイマー病、パーキンソンのおよびルー・ゲーリッグ病(筋委縮性側索硬化症)のような神経変性性脳疾患と多くの特徴を共有しています。これらの疾病のすべてで、患者の年齢と家族歴は著しい危険要因です。また、脳の特定の部位が長い時間にわたって障害を受けます。緑内障におけるただ一つの違いは、影響を受ける「脳の特定の部位」が目と視神経であるというだけのことです!確かに、目の網膜と視神経は脳の一部です。初期の発生中に、脳の小さな部分が脳から外に膨れて、網膜と視神経になります。
目の内部で、網膜神経節細胞と呼ばれるニューロンの集団は視覚情報をすべて収集し、軸索と呼ばれるそれらからの伸展部分を通して、視神経および脳の残りにその情報を渡します。神経節細胞(それは他の網膜細胞から視覚情報をすべて集める)は、緑内障によって最初に被害を受ける細胞です。

視神経は、引き続き緑内障の根本的な原因を研究するための主な焦点です。
物理的損傷によるにしろ、血流障害に依るにしろ、あるいは他の原因が影響するにしても、視神経軸索の傷害は、網膜神経節細胞を冒し、結局は神経節細胞の死を引き起こします。研究者は、障害された視神経軸索および網膜神経節細胞の損失が緑内障による周辺視野損害と一致すると考えています。網膜神経節細胞の軸索が脳にむかって網膜から視神経まで伸びるので、その周囲の細胞もさらに緑内障によって破損されます。網膜内では、アマクリン細胞のような他の細胞は退化し、網膜神経節細胞が失われた後、それらは再度接続され直します。

さらに脳内の組織である外側膝状体核にも変化が見られます。これは視神経軸索の主な脳における目標組織です。さらに視覚領皮質、これは脳の一部で視覚情報を処理する部分です。

現在はまだ眼圧を低下させることに緑内障治療の主流は向かっていますけれど、網膜と脳に向けられる治療を開発する機会が今後はあるかもしれません。神経栄養因子と呼ばれる神経の健康を促進するいくつかの有望な治療法は、視覚伝導路で多くの場所を助けることができるかもしれません。

例えば、毛様体神経栄養因子(CNTF)のような神経栄養因子は、、神経防御と呼ばれるプロセスを介して、網膜神経節細胞が死なないようにできるかもしれません。それらは神経再生と呼ばれる現象ですが、神経節細胞を助け、視神経を下る軸索再生を増加させるかもしれません。また、それらは、神経強化と呼ばれる現象で、網膜および脳の中で死んで行く網膜神経節細胞とそれらの周囲の細胞の間の支援を改善するかもしれません。

緑内障治療の1つの鍵が網膜内でのそして網膜から脳への接続であるという理解の仕方は、新しい潜在的な治療に結びつく研究を刺激的な進歩に結びつけるかもしれません。

この記事はバスコンパルマー研究所の助教授Jeffrey L. Goldberg博士によるもので2012年4月に最終訂正されました。
ーーーーーーー

Categorised in: 未分類