お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2012年9月19日

3649:後悔しない!緑内障診療を桑山泰明先生に伺いました

本日は桑山泰明先生の「後悔しない!緑内障診断」と言う講演会を聞いてきました。

この講演会は緑内障インターネット講習会と題していて、全国122会場にインターネットで講演を配信したので、本会場は約40席でしたが、全国総数では1000人を超える聴衆で有ったようです。水曜日午後の大学外来から廻ったので、会場には一番乗りでした。自分の備忘録として要点を再現してみます。

ーーー
お話はまずthe glaucoma continumを示して、構造変化が先行してやがて機能変化が現れると言う「緑内障における構造と機能障害の一致」のお話から。最近はスペクトラルドメインOCTなども出て、早期での診断ができるようになったということでした。

最初に見られる構造変化は神経線維層欠損(NFLD)とカッピングですが、初期では視神経乳頭と視野には整合性が無くpre-perimetric glaucomaと呼ばれます。

そのあとで、明らかな変化が視野には現れます。それは、ハンフリー30-2ならパターン偏差確率プロットで5%以上の点が3つ隣接して現れ、かつその内の1点は1%以下の確率と定義できます。

変化が出たり消えたりする段階pre-perimetric glaucomaと明らかな緑内障の間で行き来することも有ります。

進行しやすい緑内障と言うものがあって、眼圧の高い緑内障もその一つです。視野変化がはっきりしてこない時期のOCT-glaucomaであっても、家族歴がある例など、有病リスク、発症リスク、進行リスクなどがそれに適合すれば治療開始しても許されるでしょうと。

紛らわしいものには先ず傾斜乳頭症候群があります。巨大乳頭症候群では大きな乳頭が大きな陥凹を示します。視神経乳頭のサイズはDM/DD比で評価できますが、視神経とフォベアの間に乳頭が2つも描けないなら大乳頭ですし、3ケ以上描けたら小乳頭と考えます。大きな乳頭でカップの大きい子供では、親の眼底を見ると同様の乳頭陥凹の大きい大乳頭である事があります。SSOHは、乳頭の上方の低形成で、トップレスディスクとも呼ばれます。これはマリオットから下に抜ける視野が進行しないで存続します。しかしSSOH症例がNTGを合併しないものでも有りません。

片側の耳側の視野欠損が下垂体部の腫瘍である事も有りますから、OCTに変化があり視野が異常という例を深く考えずに緑内障としてはいけません。古い網膜静脈分枝閉塞症も緑内障様の視野を示します。

治療に当たっては眼圧下降はエビデンスに基づいた唯一確実な緑内障の治療法です。そこに緑内障配合剤の登場余地があります。

視野の評価で、1)トレンド解析ではMD値の回帰直線を求めそのスロープを見ます。VFI(visual field index)を見るには1-2年間は視野を測り続け、2年かけてMDスロープを得ます。2)イベント解析と言う方法は先ず最初に変動幅を決定して、そのあとの一点でもその下限を超えたら異常とするのだそうです。GPA(glaucoma progression analysis)と言うプログラムが敏感だそうです。

信頼のおけない視野を見ていると治療方針の決定は遅れます。たとえば、慣れないで取った初回の視野が平均値を下げると、その点を除けば進行していることの解る進行が見落とされることになります。

このお話の後、全国からの質問を受けて講演会は終了しました。

ーーー
清澤のコメント:
解りやすく、お話の一つ一つのパートが明日からの日常診療にも有用なお話でした。
講演後にフロアで少しお話を伺うことができました。緑内障と言うと網膜神経節細胞の障害が重視されますが、膝状体から先の視覚路の変化に付いては?と伺いました。桑山先生の診療所は2診の予約診療で、紹介患者が主体だそうです。今日のお話は、診断方針が中心のお話でしたが、桑山先生の診療所では手術も多く行っておいでだということで、その時期を逃さない様にされている様でした。

Categorised in: 未分類