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2012年8月19日

3576 クルーゾン病とは(Crouzon)、特に眼症状は?

Crouzon-Syndrome-6
稲川淳二さんがクルーゾン病の二男への思いを朝日新聞および週刊現代(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33189)に公表しています。
病気の子供こそ可愛いと思う親の気持ちが伝わってくる優れた記事です。しかし、この疾患に付いては日本語での適切な解説が殆ど見つけられません(http://www.nanbyou.or.jp/entry/749 難病センター記事)ので、英文ウィキペディアを参考にクルーゾン症候群とは何か?を、素人向けでありながら正しいであろうと思われる医学的知識を提供できるように纏めてみます。

ーーーwikipediaを参考にーーーーー 
クルーゾン症候群

クルーゾン症候群は鰓弓症候群として知られている遺伝性疾患です。具体的には、この症候群は上顎と下顎の前駆体である第一鰓弓(つまり咽頭)に影響を与えるものです。鰓弓形成は、成長における重要な発達の特徴であるので、胚におけるこれらの発達の障害は、以後の成長に持続的かつ広範な影響を及ぼします。

概要:この症候群は、最初にこの障害を説明したフランスの 医師オクターブ・クルーゾン(Octave Crouzon)にちなんで命名されました。彼が記載した患者は、遺伝的な要素が有ることをを意味する母と娘の症例でした。”頭蓋顔面骨形成不全症”と名付けられたこの障害には、臨床的ないくつかの特徴があります。この症候群は10番染色体上にある線維芽細胞増殖因子受容体IIの変異によって引き起こされます。

病名を分解してみれば、 頭蓋顔面は頭蓋骨と顔のことであり、骨形成不全症は骨の奇形を指しています。

クルーゾン症候群として知られている病気は、その元の名前の基本的な意味で記述することができます。この病気が発生すると、乳児の頭蓋骨および顔の骨が成長中の早期に融合してしまって、拡大することができなくなります。したがって、正常な骨の成長を見ることができません。

それぞれの骨の縫合(頭蓋骨のそれぞれの扁平な骨の端がかみ合う様にしてくっついている結合様態)が融合(成長を止めて固まってしまう事)してしまう事が、頭蓋骨の成長のさまざまな異常パターンにつながります。その例は次のとおりです、三角頭蓋(前頭縫合の融合)、短頭蓋(冠状縫合の融合)、長頭(矢状縫合の融合)、斜頭(ラムダ縫合と冠状縫合の片側の早期閉鎖)、尖頭症(冠状縫合とラムダ縫合の融合)、クリ―ブラット頭蓋Kleeblattschaedel(すべての縫合の早期閉鎖)。

原因の遺伝子の変異との関連:FGFR2とFGFR3が同定されています。

遺伝:クルーゾン症候群は常染色体優性であり、クルーゾン病患者の子供たちが影響を受ける確率は50%です。

症状:発生中の胚への変化の結果として、症状が現れるが、特に顔は非常に顕著な特徴を示す。低い位置にできる耳は鰓弓症候群と呼ばれる疾患のすべてに共通ですが、その典型的な特徴です。

この異常の理由は、胎児の耳が大人の耳に比べてはるかに低い所に有るということです。通常の成長時には、耳が上に移動しますが、クルーゾン患者では、成長中のこのパターンが中断されます。外耳道の奇形は多く、一般的に聴力損失は非常に一般的です。特に重症例では、メニエール病が発生する可能性があります。

クルーゾン症候群の最も顕著な特徴は、上述したように頭蓋癒合症ですが、それは通常、短い頭と広い額の外観をもたらす短頭蓋として現れます。眼球突出は、目の周囲の骨の早期融合によって引き起こされる浅い眼窩に起因する膨らんだ眼のことです。眼の間が通常の距離より大きい眼球の隔離症、とくちばしのような鼻を示すことも有ります。さらに、一般的に見られるのは外斜視で、ダウン症候群とは見つかる目の位置が反対です。最後に、上顎形成不全(顔面中央部の不十分な成長)の結果、下顎前突症(顎は下顎の正常な成長にもかかわらず、突出して見えます)と顔が凹んで見える効果が現れます。クルーゾン症候群には、PDA(動脈管開存patent ductus arteriosus)と大動脈縮窄も関連が有ります。

完全に明確ではない理由から、ほとんどのクルゾン患者は自分の体の残りの部分との相対的な比較において、著しく短い上腕骨と大腿骨を示します。一部のクルーゾン病患者はまた、”タイプII”クルーゾン症候群と呼ばれ、合指症を合併しています。

診断:クルーゾン症候群の診断は通常、赤ちゃんの徴候や症状を評価することによって、出生時に付けられる可能性があります。X線写真などの更なる分析、磁気共鳴イメージング(MRI)スキャン、遺伝子検査、X線やCTスキャンをクルーゾン症候群の診断を確認するために使用することができます。

発生率:クルーゾン症候群の発生率は、現在、一般人口の25,000人に1人という記載が有ります。障害の既往歴のある家族では、より大きい頻度で見られますが、それはその家系の皆が罹患するという意味ではありません。

治療:
頭蓋バンドを身に着けているクルーゾン症候群の子。手術は一般的に頭蓋骨の縫合の閉鎖を防ぎ脳の発達を損傷から守るために使用されます。手術をせずに引き起こされる、失明や、精神遅滞は、その典型的な結果です。手術は、顔面手術の分野である形成外科領域です。眼窩を前方に移動するために、顎顔面外科医は、頭蓋骨と眼窩を開放し、骨の形状を変更します。顔面欠損症を治療するためには、外科医や口腔外科医の中でもこれらの操作を実行するる十分な経験のある頭蓋顔面外科医が、顎の手術では前方に低い眼窩と顔面の骨を移動することができます。

クルーゾンの患者では、関連する複数の縫合に異常が有ります。最も具体的には両側の冠状縫合に異常が有り、6ヶ月の未満の子供で既に縫合に融合が起きています。ボルト開放手術や線状の頭蓋骨切除術のいずれかを使用することができます。その後の治療では、保護ヘルメットが手術後数ヶ月間着用されています。

いったん頭蓋の症状の治療を受ければ、クルーゾン症候群の患者は、一般的に通常の寿命を生きる事ができます。

歯科治療の意義:この障害では、物理的な異常の多くは頭、特に口腔内に存在しているので、歯科医は、この疾患を理解することが重要です。共通の特徴は、狭くて高いアーチ型の口蓋と、後部両側咬合です。歯数不足(いくつかの歯がない)があって、歯は混みあっています。
クルゾンの患者では上顎骨形成不全に起因して一般的にはかなり永続的に前歯の反対咬合を示します。後方の歯を使ってかむことはできません。このような理由から、クルゾンの患者は、時には異常な方法で食べています。例えば、フォークでフライドチキンを食べたり、サンドイッチの一部分を髪切るのではなく、それに一口に口に入れたりします。

クルーゾン症候群の位置
Classification and external resources
ICD-10 Q75.1
ICD-9 756.0
OMIM 123500
DiseasesDB 3203
eMedicine ped/511 derm/734
MeSH D003394

Apert syndromeの項目を見よ
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清澤のコメント:
クルーゾン病を論じようとしますと遺伝的な要素の話が出てきて、外見で診断がなされるだけではなくて、最近はそれがかなり確定されたものになってきているようです。眼症状の記載は思いのほか少なくなってしまいました。

以前クルーゾン病の患者さんを担当した時に、うっ血乳頭を見ました。更に視神経委縮の記載を文献で見つけたのですが、その時に視神経委縮はうっ血乳頭の結果で来るのか?と思いました。後に視神経管が細い例に出会って、循環などが視神経の成長に付いてこられないからだろうか?とも考えたことが有りました。其処までの議論を今日は見つけられませんでした。

「クルーゾン病と眼の症状」と言うキーワードで英語のページを検索しますと、アペール症候群という病気との比較をした論文が出てきます。いずれその疾患も調べて見たいと思いますが、話が多岐にわたりますので本日は此処までといたします。

追記:Apert(アペール)症候群とCrouzon(クルーゾン)病
(アペール症候群の主な症状は、頭蓋骨縫合早期癒合症、合指症、合趾( ごうし)症で、頭の形と顔貌が特徴的で、手足の指に癒合などの奇形があります。症状が似ているため、クルーゾン病と同一視する場合もあります。)

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