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2012年7月20日

3494 片側顔面痙攣の治療ガイドラインとは

片側顔面痙攣の治療ガイドラインの要点です、古いメールを整理していたら以前神経内科のK先生がまとめてくれたものが出てきました。眼瞼痙攣の治療ガイドラインも出たことですし、この記事を再録致します。(下に本文あり)

清澤のコメント:読み返して見ると、よくまとまった内容になっています。特にジャネッタの神経血管減圧術の適応が重要で、当医院の患者さんでは若いご夫人や中年男性であっても職業上の理由で対面交渉をするような患者さんでは、この手術を受ける方が最近は増えてきている印象です。出入りしている大学に、この手術を手がけて下さっている方が居て、成績も安定していますので、私の患者さんは主にそちらにお願いしています。眼瞼痙攣の治療ガイドラインの方の短縮版は私の纏め直したたものが間もなく日本の眼科に出ます。(原稿にリンク)[2012、7,20]

では、2008年に日本神経治療学会から発表された片側顔面痙攣の治療ガイドラインの要点をご紹介いたします。全文は日本神経治療学会のweb siteから読むことができます。
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片側顔面痙攣は顔面神経の不随意な興奮によって支配筋に痙攣を生じる病態である。多くの場合,片側性であるので片側顔面痙攣と呼ばれている。中年の女性に多く,片側の眼の周囲,特に下眼瞼部筋からはじまり,次第に頬部筋,口輪筋,広頸筋など一側顔面神経支配筋全体の痙攣が同期して生じるようになる。顔面筋の随意運動,疲労や精神的緊張などで出現頻度は増加することが多い。

 鑑別診断としては,眼瞼ミオキミア,眼瞼痙攣,チック,顔面麻痺に伴う顔面の病的共同運動などがある。

 眼瞼ミオキミアは,虫が這うような動きが眼瞼部にみられるもので,健常者にもみられ,睡眠不足,疲労,精神的なストレスでも起こりやすく,コーヒーを飲んでも症状が強くなる場合もあり,通常は良性で ,数日から数週で自然に消失する。

 チックは小児期や青年期にみられる瞬目やしかめ面などの動きであるが,場所が移動したりする。ストレスなどが関与するもので,一時的に症状を我慢することができる点が特徴である。

 顔面麻痺に伴う顔面の病的共同運動は,顔面神経麻痺後に,咀嚼で目が閉じたり,涙が出たりする(ワニの目の涙症候群)。また,瞬きで口角が動いたりする。

 片側顔面痙攣の病因の一部は、後下小脳動脈等が顔面神経に触れ,拍動性の圧迫を及ぼすこととされている。その他,腫瘍や血管奇形などが原因の二次性片側顔面痙攣もまれにみられるので,画像などで鑑別する必要がある。

 片側顔面痙攣の治療としては内服薬による薬物療法,ボツリヌス毒素治療および神経血管減圧術がある。内服薬による薬物療法は確立 された治療薬剤がなく,効果は十分でなく,副作用も多くみられるため他の治療法が実施できない時に考慮される。

 他方,手術療法は80~90%の高い寛解率が得られるが,難聴等の合併症もみられることもある.

 一方,ボツリヌス毒素療法は対症療法であるが,少数ではあるが提示されている海外でのガイドラインでは第一選択とされている.通常,治療効果は投与2~3日後から出現し,1~2 週間で安定する.効果持続期間は平均4 ヵ月余で,眼瞼痙攣よりもやや長い。効果が減弱したら再注射を行う。反復治療により,長期間,安定した治療効果が維持されることが多い。ほとんどの有害事象は,ボツリヌス毒素療法の麻痺作用が過剰に,あるいは,近傍の筋に生じたために起こる.主な有害事象は,閉瞼力低下による兎眼,上唇下垂,口角下垂,口角麻痺などである.いずれも通常は軽度であり,また,可逆性である本療法は本邦においても一般臨床試験や用量比較試験が実施され,2000年に保険適応として認められ,第一選択の治療法となっている.

 神経血管減圧術は,1)発症から数年の歳月を経て症状が頻繁に出現し目立つようになった,2)完全な治癒を熱望する。3)ボツリヌス毒素療法に満足できない,4)あまり高齢ではない,などの条件を満たす場合に検討する。
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清澤のコメント:こうして読み返して見ると、とてもよくまとまった内容になっています。私の個人的な印象としては、特にジャネッタの神経血管減圧術の適応が重要で、当医院の患者さんでは若いご夫人や中年であっても職業上の理由で対面交渉をするような患者さんにその手術もあることを紹介しています。と言う訳で、この手術を受ける方が400人の患者さんの内で20人程度まで最近は増えてきている印象です。出入りしている大学に、この手術を手がけて下さっているN先生が居て、成績も安定していますので、私の患者さんは主にそちらにお願いしています。

 その手術の前後ではPETを無料で撮影して、実際の片側顔面痙攣の消退を見るだけではなく、脳の内での代謝の片寄りも消えたことを確認する臨床実験プロトコールを学内倫理委員会の承認を受けて実施中です。興味のある方は清澤にご相談ください。(この研究プロトコールにリンク)[2012、7,20]

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