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2012年7月3日

3444 日本人コホートでの未破裂動脈瘤の自然経過:と言う論文です

神経眼科症状のある患者でスクリーニングを目的にMRIを撮らせて戴くと、偶発的に脳動脈瘤が見つかることが約5%あります。その様な患者さんは、脳外科にお渡しして、外科的治療の要否を検討してもらいますが、その多くは直径3ミリ以下で手術の必要なしとの答えが戻ってきています。その基礎になる最新の論文がニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに出ました。

(The Natural Course of Unruptured Cerebral Aneurysms in a Japanese Cohort
The UCAS Japan Investigators N Engl J Med 2012; 366:2474-2482 June 28, 2012)

ーーーー記事の引用ーーーー
7ミリ以上でリスク増加 脳動脈瘤で追跡調査
共同通信社 6月29日(金)

 くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤(りゅう)は、7ミリ以上の大きさになると、年間約60人に1人が破裂するなどリスクが高まるとの研究結果を、日本脳神経外科学会が28日付の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表した。

 脳ドックの普及に伴い、脳動脈瘤の発見は増えているが、手術すると後遺症の恐れもあり、治療すべきかどうかの判断が難しい。調査したNTT東日本関東病院(東京)の森田明夫(もりた・あきお)脳神経外科部長は「大きさはもとより、部位や形状などによる個別のリスクが分かってきた。診断の基礎にしたい」と話している。

 調査は2001年1月から04年4月までに、3ミリ以上の脳動脈瘤が見つかった男女5720人を最長8年間追跡。全体の破裂の割合は年間0・95%(105人に1人)で、3~4ミリは0・36%、5~6ミリは0・50%だったのに対し、7~9ミリでは1・69%(59人に1人)と上昇、10~24ミリは4・37%、25ミリ以上では33・40%が破裂していた。

 また、太い動脈をつないでいる「前・後交通動脈」にできたこぶが破裂するリスクは、主要な血管の一つである中大脳動脈にできたこぶに比べ約2倍、いびつな形のこぶのリスクは通常に比べ1・63倍となり、形や位置でもリスクが高まることが分かったという。
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清澤のコメント:

1)直径が25ミリ以上の未破裂動脈瘤は、数例ですが、海綿静脈洞内にできたものを見たことが有ります。しかし、それ以外は見たことはありません。海綿静脈洞内動脈瘤は圧迫による眼球運動に関連する神経群に麻痺を起こしますが、本当に破裂して動静脈ろうを作るでしょうか?その様な例はいまだに見ては居りません。

2)同様の内容ですが、規模が少し小さい研究も一昨年Strokeに出ており、その際に私もこのブログで話題にしてありました。

2011年12月18日 2907 眼科で未破裂動脈瘤を見つけてしまったら、どう説明しようか?(⇒リンク)です。

3)今回の論文の最後の著者は国立大学入試センター長(元東北大学長)の吉本高志先生でした。下記は仙台にいたころ(20年前)の懐かしい思い出の論文です。

Intraorbital ophthalmic artery aneurysm: case report. Ogawa A, Tominaga T, Yoshimoto T, Kiyosawa M. Neurosurgery. 1992 Dec;31(6):1102-4

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