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2012年7月1日

3442 瞬目関連疾患を考える:大橋裕一先生の話を聞いてきました。

本日は第27回東京医科歯科大学同門会集団会で話を聞いてきました。

1、悪性視神経膠腫の一例:江本博文、清澤源弘、望月學
 これは、1昨年から私たちが経験した症例です。
最初、ステロイドが効かない視神経炎と考えましたが、皮質下白質病変が随伴し、脳外科での視神経生検でglioblastoma(WHO GradeIV)を診断しました。
 考案:成人の悪性視神経膠腫は、生命予後が一年と不良であるが、初期には眼窩内の腫瘍病変を疑わせる変化に乏しく、変化が見られても、ごく末期において軽度であるだけの事が珍しくないため、初期の診断が難しい。本例では、視神経病変の拡大傾向が見られたことから生検を行い、悪性視神経膠腫の診断に至った。(昔の記事

新人発表の2および3は聞けなかったので省略

2、今年の大塚仁・所敬 学術奨励賞は鈴木幸久先生の
Suzuki Y, Kiyosawa M, Wakakura M, Mochizuki M, Ishii K. Gray matter density increase in the primary sensorimotor cortex in long-term essential blepharospasm. Neuroimage. 2011; 56: 1-7. 
所先生も雑誌のインパクトファクターが高いことと、鈴木先生が毎年自分の筆頭名で論文を出していることをご評価下さいました。
これも彼の長年の眼瞼痙攣研究の一部で、アイデアも実際にも彼の仕事です。学位取得後も研究を離れないで研究を続けていてくれることがこの研究の道にお誘いした先輩としても、とてもうれしいです。

3、大橋裕一先生のお話
瞬目関連疾患 BAD(blink associated ddisease)とよぶ

1),lid wiper epitheliopathy (Korb)らが提唱。上まぶたと結膜の摩擦が原因で、上瞼裏の下端が角化し結膜をこする。コンタクトレンズ中止、ヒアレインとソフトサンティアも有効。ドライアイにもlid wiper ophthalmopathyが出る。

2)SEALS
ソフトコンタクトレンズに依る摩擦。レンズ素材とフィッティングが関連する。

3)ハードコンタクトレンズに依る眼瞼下垂 Epstainが1981年に提唱
ハードレンズが多いがソフトレンズにも見られる。上眼瞼結膜には乳頭が、病理ではミューラー筋に線維化が見られる。

4)結膜弛緩
ローズベンガルで上輪部が染まる

5)SLK(上輪部角結膜炎)
ドライアイが見られ、涙液が少ない時に見られる涙液層の線状ブレイクが見られる。シルマーはそこそこある。ジクアスも有効。眼瞼圧も高い。不思議だがボトックスで眼瞼圧を下げて治癒した例もある。
SLK、眼瞼痙攣、MGDの重なり合った所に難しいドライアイが有る。

6)結膜下出血
508例と言う多数を集めたら、60歳くらいで、内外の瞼裂間に多い。3割は再発しており、週刊性がある。痛みや異物感も2割が訴える。夜更かしや、長時間の近業は関連あり。球結膜の血管は輪部付近で深層と浅層の折り返し部分で固定されている。結膜弛緩は関連が有るかもしれない

7)眼瞼痙攣
15年前に坪田先生がドライアイの面から注目した。坪田先生の論文は治りの悪いドライアイで、涙液層破壊時間が短く、シルマーで見られる涙液の量は少なくはないものに、メイジュ症候群が半数近くあって多いとしている。マイボーム腺機能不全も関連している。
ドライアイも合併するが、点眼に入った防腐剤などが原因のドライアイもある。

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清澤のコメント:
今回のお話は、ものすごく新しい話ではなかったですが、角膜やドライアイを専門にする方が「眼瞼の動き」と言う場合にはこの辺をこの様な視点で問題とするという事が良く理解できました。私たちは瞼の動きを眼瞼痙攣の側からばかり見ているので、少し視点が違うのもよく解かりました。

 私たちが纏めた眼瞼痙攣の脳糖代謝は
Glucose hypermetabolism in the thalamus of patients with essential blepharospasm.Suzuki Y, Mizoguchi S, Kiyosawa M, Mochizuki M, Ishiwata K, Wakakura M, Ishii K.J Neurol. 2007 Jul;254(7):890-6. Epub 2007 Feb 26.です。

眩しさを訴える眼瞼痙攣の脳代謝です
Photophobia in essential blepharospasm–a positron emission tomographic study. Emoto H, Suzuki Y, Wakakura M, Horie C, Kiyosawa M, Mochizuki M, Kawasaki K, Oda K, Ishiwata K, Ishii K. Mov Disord. 2010 Mar 15;25(4):433-9.

瞬きを三つに分けるという話に繋がる私たちのペーパーは
The pre-supplementary and primary motor areas generate rhythm for voluntary eye opening and closing movements.Suzuki Y, Kiyosawa M, Mochizuki M, Ishiwata K, Ishii K. Tohoku J Exp Med. 2010;222(2):97-104.です。

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