お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2012年6月15日

3396 2050年の世界地図 迫りくるニュー・ノースの時代

51kcqakzHoL__SL500_AA300_
2050年の世界はどうなる? 日本人に必要な「虫の眼・鳥の眼」
『2050年の世界地図 迫りくるニュー・ノースの時代』2012年05月25日(Fri)

本の要点:私たちの未来を気候変動、人口、経済統合、国際法などから探る。最先端のコンピュータモデルに目を向け、将来の国内総生産(GDP)、温室効果ガス、天然資源の供給を予測する。この潮流を探り、今後40年間で世界がどうなるのか、科学的に想像する。2050年の世界の中心となるのは「ニュー・ノース」である。アメリカ、カナダ、アイスランド、グリーンランド(デンマーク)、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアの8カ国が現在領有する、北緯45度以北のすべての陸地と海。環北極圏では、現在よりも人間活動が増え、戦略的価値が上がり、経済的重要性が増す。ーーーと言うのですが。

清澤のコメント:
日本でも首都が時代とともに東へ北へと移動して、次は那須高原か?仙台平野か?と思った矢先での東日本大地震で有り、福島原発メルトダウン事故で有りました。
アメリカおよびヨーロッパ諸国の主要都市の緯度は日本の諸都市の緯度よりも大分北に位置していて、冬などは朝も夕方も暗い日が続くのですが、今後50年でそれらの中心がさらに北に移行すると言う大胆な予測を述べた本です。

”虫の眼と鳥の眼”と言う部分の眼の部分で拾われた記事でしたが、何か新しい視点が得られそうな思いもあって、早速取り寄せ斜めに見てみました。「ニューノース」は、得難い視点であると思います。

ーーーここからが記事の引用ーー
東日本大震災以降、わが国のエネルギーや社会保障をどう選択し、設計していくかという議論がかまびすしい。野田佳彦首相が語るように、待ったなしの課題であり、かつ、しっかりと腰を据えた議論が必要なのはいうまでもないが、どうも、「虫の眼」の視点しか伝わってこない。

『2050年の世界地図 迫りくるニュー・ノースの時代』(ローレンス・C・スミス、NHK出版)

「虫の眼」というのは、蟻が地面を這うように、現象をクローズアップしてより詳細に、より深くとらえる視点。一方で、「鳥の眼」とは、空を舞う鳥が現象から一歩引き、より広い視野から俯瞰する視点。私自身、ジャーナリストとしてこの2つの視点を同時に持つことを心がけているし、ほかのあらゆる分野でも必要な態度であると思っている。

 数十年後の未来を決定づける重要な議論をするにあたって、「虫の眼」はともかく、「鳥の眼」をどれだけの人が駆使しているだろうか。このままでは「群盲象を撫でる」のような過ちを犯すのでは、と不安を募らせているのは私だけではないはずである。

 たとえば、福島第一原子力発電所の事故後、日本のマスメディアでは地球規模の気候変動についてほとんど語られなくなった。まるで目の前からなくなったかのようである。

 いわずもがなだが、気候変動は“いまそこにある危機”のひとつだ。人為的にせよ、過去にも地球が経験したような自然の変動であるにせよ、気候変動が2050年の地球に必ず“何らかの”影響を及ぼすことは間違いない。

週末に「2050年の世界に関する思考実験」を

 2050年に世界はどうなっているのか。週末に、「2050年の世界に関する思考実験」をしてみるのも、鳥の気分を味わえて楽しいかもしれない。

<これは私たちの未来についての本だ。気候変動はその一要素にすぎない。人口、経済統合、国際法などの面で、ほかの大きな潮流も探る。地理と歴史も調査し、既存の状況が将来まで痕跡を残す様子を示す。最先端のコンピュータモデルに目を向けて、将来の国内総生産(GDP)、温室効果ガス、天然資源の供給を予測する。これらの潮流を総合的に探り、合致する部分や類似点を突き止めれば、このままの状況が続いたら、今後40年間でこの世界がどんなふうになるのか、それなりの科学的信憑性をもって想像できるようになる。これは2050年の世界に関する思考実験だ>(第1章19ページ)

 米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の地理学教授である著者が高らかにこう宣言するように、本書は過去、現在のデータとコンピュータシミュレーションを駆使した分析に重きをおいている。

 思考実験の前提と基本原則として、(1)「打ち出の小槌」はない。(2)第三次世界大戦は起こらない。(3)隠れた魔物はいない。(4)モデルが信用できる。という4つのルールを定めてもいる。したがって、「ノストラダムスの大予言」や「ブレードランナー」のファンは、保守的過ぎるとがっかりするかもしれないが、日本人にとっては戦慄するような予測もある。

世界の中心は「ニュー・ノース」へ
 2050年の世界を予測するとき、中心となるのは「ニュー・ノース」である。著者の定義では、アメリカ、カナダ、アイスランド、グリーンランド(デンマーク)、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアの8カ国が現在領有する、北緯45度以北のすべての陸地と海を指す。

 NORC諸国またはNORCs(Northern Rim Countries)と新たに名づけられたこれら8カ国は、北極海をほぼ一周する新たな「環北極圏(ノーザン・リム)」を構成する。

 2050年。環北極圏では、現在よりも人間活動が増え、戦略的価値が上がり、経済的重要性が増す。そんな未来像が導き出されている。

 その根拠となっているのが、人口構造、天然資源の需要、グローバル化、気候変動という4つのグローバルな力からどんな世界が生じるのか、という分析である。それぞれの分析はおおむね的を射ていると思われ、引用されている専門の文献も幅広い。現象を俯瞰する「鳥の眼」にはもってこいである。

先住民の気持ちに寄り添う「虫の眼」
 なおかつ、本書を計算機による予測という味気なさから救っているのは、現場のレポートである。何度となく環北極圏へ足を運び、科学者として現象を観察し、先住民の気持ちにも寄り添おうとする「虫の眼」がある。

 「北半球北部の河川の水文学、氷河・氷床、永久凍土の融解が土壌炭素や湖に及ぼす影響、最先端の探査・観測システムなどを研究している」と著者紹介にはある。なんといっても1967年生まれの著者は、環北極圏の取材中に生涯の伴侶を得るという幸運を手にしている!

 本書の「鳥の眼・虫の眼」の視点が、我が国のエネルギーや社会保障、ひいては“この国のかたち”を議論するのに欠かせないことは、間違いないだろう。

本の著者:ローレンス・C・スミス(Laurense C. Smith)
1976年シカゴ生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の地理学教授。北半球北部の河川の水文学、氷河・氷床、永久凍土の融解が土壌炭素や湖に及ぼす影響、最先端の探査・観測システムなどを研究している。英自然環境研究会議(NERC)、米航空宇宙局(NASA)、米科学財団(NSF)に対して提言を行う。現在、妻とロサンゼルスに暮らしている。
この記事の著者:東嶋和子 (科学ジャーナリスト)
東嶋和子 (とうじま・わこ)  科学ジャーナリスト 元読売新聞科学部記者。フリーランスで環境・エネルギー、医療、生命科学、科学技術分野を中心に、科学と社会のかかわりを取材。主著に『死因事典』『放射線利用の基礎知識』(ともに講談社)などがある。

ーーーーー

Categorised in: 未分類