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2012年5月28日

3347 アミロイドニウロパシーの分子生物学と臨床像 そして眼症状は?

r7_purpura眼周囲の皮下出血、メイヨークリニックのページに出ていたもの

家族性アミロイドポリニューロパシー(FAP)であるが、眼症状の自覚はないという状態の患者さんの相談を受けたのでその疾患について少し調べてみました。

さて、眼科医にとっての問題はアミロイドーシスの眼症状は?ということです。
そういえば、私も関与したもので「高野裕子,草刈匡世,川崎勉,清澤源弘,沢田康之:両眼結膜の浮腫様肥厚を初発症状とした原発性アミロイドーシスの一例. 日本眼科紀要45:54-57, 1994」なんてのもありましたね。18年まえですか。

まず「眼球を満たすゼリーの混濁(硝子体混濁)、ドライアイ、眼圧上昇(緑内障)、不規則な外観を持つ瞳孔等を発生する可能性があります。」という記載がありました。

更に調べてみますと、その主要な眼症状は硝子体混濁で有るようです。
vitreous veils in a patient with hereditary systemic amyloidosis硝子体ベール

jpg結膜アミロイド―シス

1-s2_0-S0161642005009073-gr3(別のケースでOphtalmologyの図Ophthalmology Volume 112, Issue 12, Pages 2212)
この疾患が多い熊本市の原眼科のページには網膜光凝固が有効との記載がありました。アミロイドアンギオパシ―では糖尿病様の網膜変化もみられるようです。血管病変を起こすような場合が適応になるのでしょうか?

又、本当にこの疾患で有れば、「免疫グロブリン性アミロイドーシス(ALアミロイドーシスなど)、家族性アミロイドーシス(家族性アミロイドポリニューロパチーなど)及び 老人性TTR型アミロイドーシスが特定疾患治療研究事業による医療費公費負担の対象疾患」となっているそうです。

さて、このくらいの一般的な知識を持って見直したら何かが見えることもあるかもしれません

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アミロイド・ニューロパチー
;DNA鑑定;FAP;家族性アミロイドポリニューロパシー;遺伝性ニューロパシー;末梢神経障害;transthyretin

アミロイドニウロパシーの分子生物学と臨床像
(The molecular biology and clinical features of amyloid neuropathy)
Merrill D. Benson MD1,2,*, John C. Kincaid MD
Muscle & Nerve
Volume 36, Issue 4, pages 411–423, October 2007

ニューロパシーは多くの場合全身性アミロイドーシスの主な症状です。

アミロイドは、遺伝的なトランスサイレチン(TTR)アミロイドーシスを持った患者で最も頻繁に見られますが、さらに、原発性全身性免疫グロブリン軽鎖アミロイドーシスを持った患者の20%にもあります。

家族性アミロイドポリニューロパシー(FAP)は、遺伝性アミロイドシスとしては最も多い物ですが、これとは異なる病因(例えば糖尿病)で起きるニューロパシーに似た臨床および電気生理学的所見を示します。遺伝性アミロイド―シスは成人に発症するさまざまな浸透率を示す優性遺伝の疾患です。それは特異的な遺伝子変化によって引き起こされますが、患者がその様な変化を1つ持っている事を示してもその疾患がアミロイドーシスであるという診断を付けたことにはなりません。診断には、特別な生体組織の組織化学的な染色を見るか、あるいは電子顕微鏡検査のいずれかによってアミロイド沈着を示して見せなくてはなりません。

トランスサイレチン・アミロイドーシスは、肝移植で治療されます。それは血液から、変異したトランスサイレチンを除去する能力を与えることになります。しかしある患者では継続的なアミロイド沈着が野生(正常)型のトランスサイレチンからから生じることがあります。

現在、トランスサイレチンの小繊維成形能力に影響すると仮定される小さな有機分子によって、アミロイドの沈着を低減させることができるかどうかを判断する研究が進行中です。

肝臓でのトランスサイレチンの合成を抑えるアンチセンス・オリゴヌクレオチド(ASO)を用いる遺伝子治療は、トランスジェニックマウス・モデルにおいては有効ですが、人間ではまだテストされてはいません。
Muscle and Nerve、2007
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このトランスサイレチンアミロイドーシスに関する詳しい日本語での説明(関島良樹(信州大学医学部附属病院遺伝子診療)が此処にありますのでご参考になさってください。(リンク
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