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2012年3月14日

3144 「わずかな奥行き」つかむ脳領域=V4だそうです

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脳の機能局在に関する議論はPETやファンクショナルMRIが研究に用いられるようになってから数限りなく行われており、殊にヒトの視覚に関する研究には見るべき成果が多いのですが、今回、大阪大学の基礎研究者が 「わずかな奥行き」つかむ脳領域=V4だと言う論文を発表したそうです。

Wikipediaを見ますと:一次視覚野(V1)は後頭葉にあり、ブロードマンの脳地図では17に対応する。その後V2、V3、MT(Medial Temporal)といった経路への情報の流れがあるといわれている。V1、V2などの初期視覚野では網膜における相対的位置関係が再現されており、レチノトピーと呼ばれる。

サル目のMT野は微小電極法やfMRIによる神経活動測定の結果、複雑な視覚的運動に関係していることがわかってきた。また視覚的運動が知覚できない運動盲患者では、MT野に損傷が見られるという知見も存在する。V4は色に関連した情報処理が行われていると見られている。下側頭葉皮質ではやや複雑な形態認識に関与する細胞の集合が見つかっている。ただし、これらの結果は色や運動に完全に特化した領野があることを意味するものではなく、MTは運動処理の一部に関与しており、色の処理はV4の機能の一部であるとするのが一般的な見方である。

また、これらの知見から、後頭部から頭頂方向へ向かう情報の流れ(背側路)は運動を処理し、側頭方向へ向かう情報の流れ(腹側路)は形態を処理しているとする説があるが、仮説の域を出ない。

ーーとすれば、V4に微小な立体視の機能が有ってもおかしくは無いということでしょうね

ーーー時事の記事の引用ーーー
「わずかな奥行き」つかむ脳領域=疲れにくい3D開発に道-大阪大
 ヒトやサルにはわずかな奥行きを認識する特殊な能力があるが、大脳の「V4野」と呼ばれる領域がこの能力を担っていることを、大阪大の藤田一郎教授らの研究グループが発見した。より自然な3次元(3D)映像の開発につながる成果という。米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス電子版に14日発表した。
 ヒトやサルなどの霊長類は、2メートル先に立てた2本の針が前後に4ミリずれた時、どちらが手前か当てることができる。この「微小奥行き視」を、脳のどこが担っているかは分かっていなかった。
 藤田教授らは、3D映像を見ているサルの大脳の活動を解析し、V4野の細胞活動と、サルの奥行き判断が一致することを発見した。V4野の活動を人為的に変化させると、奥行き判断が変わることも確認した。
 藤田教授は「V4野の性質を詳しく調べれば、脳の特徴を生かした、より自然で眼精疲労の少ない3D映像技術の開発に役立つのではないか」と話している。(2012/03/14-07:10)

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清澤のコメント:
サルでは微小電極を入れて電位を見たのだろうか?ヒトではファンクショナルMRIを使ったのか?と考えましたが、3月14日の電子版はまだ見られませんでした。最近は別に電子版が先行することが有るので、見落としかもしれません。

このあたりの研究は以前ですとロンドンのサミール・ゼキさん辺りが盛んに研究していた部分で確か彼はV4に色の中枢を見つけていたのですが、ブロードマンの領域のひとつが別の働きを持ってはいけないわけではありませんから、こういう答えも出得るのだと思います。

私にもこの辺りを知りたいと思った時期が有りましたが、しっかりとした基礎医学の知識と手段を持った基礎研究者がグループ内にいないと第一線で通用する議論の仲間に入れてもらうことは至難でした。

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