お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2012年3月10日

3131 緑内障かもしれないと言う言葉にびっくりしないで。

眼科医に「緑内障ではないか?」と言われて落ち込んでいるという意味の質問を兼ねたコメントが3月8日に有りました。

ryokunaisyou siyano sinkou
 それまでは眼に病気なんて考えてもいなかった方が、医師の一言で傷つくことは有りがちな事件なのですが、この患者さんが受診していたのが私の医院ではなかったからと言って、それで良かったという事にはなりません。

 今後も、話の持って行き方、そしてフォローアップは慎重にしてゆきたいと思います。眼科医院では有りがちな話ですので再録してみます。

ーーーNo,1 まず最初のご質問(再録)ですーーー

2012/03/08 11:40 投稿者:ポム 124.110.86.1
少し救われました。

ものもらいのため受診したところ
緑内障だといわれ まだ失明していないのに 目の前が真っ暗になりました。
まさしく青天の霹靂

昨年3月の人間ドックでも
視力 眼底検査 眼圧検査
すべて異常なし 評価はA
だったのに まさか なぜ
という気持ちでいっぱいです。

先生には 「深刻にとらえるな」
と言われましたが 進行を止めるしか
方法がなく 失明するかもしれない眼病の宣告を受けて 深刻にならないでいられる人がいるでしょうか

このHPの
「失明は稀。 正しい診療が始まれば
恐れる必要はない。」

という言葉は印刷して壁に張っておきたいほどのものでした。

ひどい花粉症なのに 抗ヒスタミン剤が緑内障の禁忌とのことで 怖くて薬が飲めず、とても辛いです。

今でも 間違いではないかという気持ちが強く 他の眼科を受診してみるつもりです。
誤診ということもありえるでしょうか。
そうであってほしい。

もう一点 程度と失明の確率が伺えればもっと安心できたであろうということで ★4つでした。

私のは ごく初期らしいです。
治療をすれば 失明しないでいられるのか、それだけです。

(これは清澤眼科医院通信No39 “緑内障疑“といわれた患者様へ: /に寄せられた質問です )

ーーーNo2:質問への清澤眼科のお答ーーー

2012/03/08 23:10 投稿者:kiyosawaganka 121.94.161.50

不安にさせてすみません。日本の緑内障患者の8割は自分でもその存在を知らないといわれており、たった2割の患者しか治療はされていないとされています。医師が初めて緑内障と患者に伝える場合、患者を不要な不安に突き落とすというあたりも考えて、あえて控えめに話しますが、確かにそれでも患者さんのショックは小さくはないでしょう。

眼底の視神経乳頭で緑内障はスクリーニングし、次のハンフリー視野が緑内障診断の絶対的な基準ではあるのですが、初回の検査はしばしば成績が「視野検査に慣れている場合」に比べると不良ですから、他所ででも測りなおしてみる価値はあるでしょう。

緑内障の点眼薬治療をいったん始めると、いつになったら止めるという事がしにくいので、ごく軽い視野変化の場合には数ヵ月後に「視野再検」として点眼は始めないでしばらくはみる場合もあります。

しかし、そうするといつの間にか患者さんが来なくなって、こちらからは見失ってしまうというケースもまた少なくはないのが治療する側からの悩みです。

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーNo,3 ポムさんからの再度のご投稿ーーーーーーーー
(39 “緑内障疑“といわれた患者様へ: / )

2012/03/09 10:03 投稿者:ポム 124.110.86.1
清澤先生 ありがとうございました。
受診したのは 別の病院です。

清澤先生のおかげでだんだんと冷静になってきました。

確かに初めての視野検査は 光の点滅がひどく淡いものもあるのか 気のせいなのかと判定しづらいものでした。
目を凝らすには 時間はかなり長いようで
疲れて どんどん見づらくなっていきました。 何よりショックから あまり集中できませんでした。

それでも心配なのは ものもらい診察の時点で、お医者様が私の眼の中を直視されたときの
「あれ? 緑内障の疑いがありますよ」
とおっしゃったことです。

gla-10419%20
それほど顕著なしるしが現れているのか、 では「立派な」緑内障なのかと。

何が見えたのか 気になっていたのですが
こちらのHPの写真のような状態だったのでしょうか。

2週間後に再診の予定です。
たとえ緑内障であっても

「きちんとした治療が始まれば 恐れることはない。失明は稀」

を胸に 冷静でありたいと思います。

本当にありがとうございました。

(39 “緑内障疑“といわれた患者様へ: /のコメントです )
ーーーーーーーーーーー

追伸:
このようにして見つかる緑内障の約6割は原発開放緑内障の中でも、正常眼圧緑内障に分類されるものであって、瞳孔を開き加減にする多くの薬剤の使用も禁忌ではありません。

しばしば、患者さんが緑内障治療点眼薬の処方箋を持ち込んだ薬局から、「他の医師から緑内障が禁忌の薬剤が出ているけれど大丈夫か?」と言う問い合わせをいただきますが、これは、「瞳孔が大きくなると発作を誘発しやすい閉塞隅角緑内障ではないので大丈夫」とお答できるものです。

ちなみに、私は眼底を見て、(眼圧にかかわらず)これはあやしいと思ったときに、まず本人の反応や意思には関係なく異常が検出できる 3次元画像解析装置(OCT)で視神経周辺を撮ってもらいます。

その中で (1)乳頭陥凹拡大、(2)乳頭リムのひ薄化、(3)神経線維層欠損を患者さんに診ていただき、「緑内障疑い」であることを納得なり理解なりしていただき、その先でハンフリー視野検査を受けることをお勧めします。

ハンフリーと実際の見え方の対比こうして視野を測定した中で、明らかな緑内障としての異常が見つかるのは1割程度(右端:湯田先生のページから拝借)、まずまずの異常(正常範囲外と表示されます、図の左端くらい)は2ないし3割くらい有ります。境界線と言う曖昧な結果が片眼または両眼に出る確率は4割程度でしょうか。両眼とも「正常範囲内」と判定されて「良かったですね」、と言うのは2-3割程度かと思います。

緑内障と言う診断が付くのが怖いからと言って「眼をそむけてしまう」のが一番危険です。先日の眼科診療研究会で聞いてきたので、「視野測定の予約をキャンセルせずにすっぽかした」患者さんに、当医院では昼休みの電話番の職員に、「来る途中で転んで怪我でもしてはいませんか?」とやんわりと視野検査の受診を促す電話をしてもらうようにしています。

結論は、「失明は稀。 正しい診療が始まれば恐れる必要はない。」と言う事です。

Categorised in: 未分類