お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2011年12月28日

2933:後部可逆脳症症候群: posterior reversible encephalopathy syndrome

230px-Posterior_reversible_encephalopathy_syndrome_MRI
後部可逆脳症症候群の患者さんが神経眼科外来に紹介されて見えました。さてこの疾患はどのようなものなのでしょうか?後部と言うのは脳の後部ですから視野の欠損などが有ってもよさそうです。可逆性脳症と言うのですから脳の機能が一時的に下がるのでしょう。
Pract Neurol 2011;の 11 : 136-144に総説が有りました。

総説です(The posterior reversible encephalopathy syndrome: what’s certain, what’s new?)後部可逆脳症症候群:何が確かで、何が新しいか?  C Roth 1 、 A Ferbert 2

抄録部分を意訳してみます。
ーーーー
後部可逆脳症症候群はますます認識されつつある障害です。ほとんどの患者は、いくつかの症状を持っています。癲癇発作が最も頻繁に見られ、しばしば複数の発作またはてんかん重積発作を起こします。

癲癇発作、視覚障害および/または頭痛の組み合わせが見られ、特に病変は頭頂後頭部を主にして現れます。インバージョンリカバリー画像における両側性の高信号を示す典型的なパターンを明らかにするためにMRIを撮れば、早期診断につながるでしょう。

発症には突然の血圧上昇、腎機能障害、妊娠、免疫抑制療法と種々の炎症性条件を含んだ、多くの可能性のあるきっかけがあると思われます。MRIでの異常ははるかにゆっくりと解消されるのですが、臨床予後は数日以内に回復するというもので良好です。

最良の管理法についてはほとんど知られてはいません。発作は通常、慢性のてんかんに進行することは無いですから、抗てんかん薬は約3ヵ月以内にに中止されるべきです。

ーーーーーー
別のページを見ますと、この病気の原因としては、背景因子をもとに血管内皮細胞の障害,血液脳関門の破綻がおこり,血圧上昇が加わることによって血管原性浮腫が生じてPRESの像を呈する。という説が有力だそうです。

一方で、一部の症例で経過中に可逆性の脳血管攣縮をみとめたとの報告もあって、脳血管攣縮による細胞障害性の浮腫が血管内皮や血液脳関門の破綻を助長させる機序も推測されているそうです。

このブログは眼科のブログですから、眼症状についてもう少し調べておきましょう。臨床神経眼科学臨床の為に第3版を見ますと、症例報告としては(病巣が片側ならば)同名半盲、(病巣が両側であるならば)皮質盲、全盲(これも皮質盲としての全盲でしょう)、両眼視力低下の報告があり、さらに幻視の報告も有るそうです。両側の後頭葉の機能障害で有れば有りうべき変化と思われます。それらの症状が脳血管障害とは違って、一過性に現れるということなのでしょう。

Categorised in: 未分類